住民投票条例、否決...
僕たち4人の提出した『美術館に対する住民投票条例案』が市議会で否決されました。
39対4。
賛成した4人は、一柳洋さん、岩崎絵美さん、吉田雄人くん、フジノです。
この4人以外はいろいろな理由からみんな反対にまわりました。
これが今の議会の現実です。
あなたが選挙にいって投票をした政治家は誰でしたか?
そして、今回の住民投票条例案ではどのような態度をとったでしょうか。
ぜひともずっと覚えていてください。
正々堂々と批判してほしい
今回の本会議でうれしかったことが2つあります。
書くべき重要なことはもっとあるのですが忘れないうちに書いておきますね。
(1)佐久間則夫議員のまっすぐな姿勢
今回の本会議で佐久間さんが美術館問題について『建設に賛成の立場』から質問をしました。
その質問はとてもすばらしく、思わず聞き入ってしまうようなものでした。
建築にかかわっている立場から実際の経験にもとづく、想いのこもった賛成意見でした。
僕とは全く逆の立場ではありますが、佐久間議員の姿勢にすなおに素晴らしいと感じました。
これまでフジノは、陰で悪口や文句を言われることは毎日のようにたくさんありました。
美術館問題についてもそうですが、『賛成派』の議員たちは全く自分の態度を明らかにせず、自らのナマの言葉で語ろうとしてきませんでした。
けれども、佐久間議員は違いました。
10回おこなわれた美術館トークでもほぼ全ての会場に来ていました。
『賛成派』で最後まで来ていたのは佐久間議員ただ1人きりだと思います。
こうした姿勢は素晴らしいと思います。
そしてまた佐久間議員は本会議という『公の場』で堂々と自らのナマの声で、その想いを語った訳です。
素晴らしいと思いました。
「政治家というものはこうでなくてはいけない」
そう感じました。
「立場が違えども良いものは良い」
と僕は思います。
この意味で、佐久間議員に改めて『議員のあるべき姿』を見せてもらいました。
うれしかったです。
正々堂々と公の場で議論ができる。
僕はそのことをすごくうれしく感じました。
(2)内藤治明議員のペーソスあふれる討論
僕たちの住民投票条例案に対して『反対』の立場から内藤議員が意見を述べました。
ある議案に対して『賛成』なのか『反対』なのかの立場をはっきりさせて意見を言うことを、議会用語で『討論』といいます。
内藤議員はこの『討論』を住民投票条例案に反対の立場からしました。
本会議の壇上から内藤議員はフジノや雄人を見つめながらいろいろな批判の言葉を語りました。
「今からでも遅くないから条例案をとりさげてはどうか」
「あなたたち提案者4人も態度を変えて45人全員でこの議案を反対してはいかがか」
「議員を辞職して、市民活動のリーダーになればいい」
「藤野議員の一般質問は、独善的だ」
...すごいでしょ(笑)
まいっちゃうよね、フツー。こんなこと言われたら。
だけど、そうじゃないんですよ。
言葉だけを文章で読むとすさまじい言葉の数々に聞こえるかもしれません。
けれども、内藤議員のペーソスあふれる語り口でとつとつと語られていくと、そのユーモア(フジノにとってはブラックユーモアでしたが)に本会議場も思わず笑い声につつまれる味のある反対討論でした。
最後には、こう語って、内藤さんは壇上を降りました。
「もしも本気で美術館をとめたいのならば来年度予算の修正案をつくって45人の議員を全員説得するようでいてほしい」
前向きすぎるかもしれませんが、フジノは内藤議員の言葉をエールだと受けとめました。
フジノは根まわしが大キライで、あらかじめ全員を説得してまわるようなことなんてうんざりするのですけれども
内藤議員が僕に伝えたかったことは
「どうしても通したい議案ならとにかく議員全員に食らいついてでも説得してみせろ!」
ということだったのだと思います。
これからもびっしびし条例案を出していきますが、内藤議員の言葉を参考にしていきたいと思います。
いずれにせよ、内藤議員もまた佐久間議員と同じく、ナマの声で、自らの立場をハッキリと述べた訳です。
しかも、ベテラン議員ということで厳しい批判ながらも味わいのあるもので率直に楽しかったです。
内藤議員や佐久間議員のように
「議員として自分はどういう考えなのか」
ということをハッキリと議会の公開の場で語ることが、政治家のあるべき姿だと思います。
これまで『賛成派議員の姿』がフジノには全く見えてこなかった。
もちろんこのまちに暮らしている人たちにも『賛成派議員の姿』は全く見えてこなかったと思います。
二枚舌をつかっている議員もいる、
後援会には「反対です」と言いながらも議会に来ると賛成派に豹変する、そんなウワサをされている議員もいました。
フジノはこんな状況にうんざりしてきました。
陰でぐちぐちこそこそ言ってるような状況は最低です。
その意味でおふたりとフジノは立場こそ正反対ではありますが、率直にうれしかったのです。
フジノが拍手をした理由
住民投票条例案に反対討論をした3人の方々(共産党の井坂議員、ネットワーク運動よこすかの原島議員、そして内藤議員)に対して、本会議場で僕は拍手をしました。
この3人が本会議場で壇上にあがる時、討論を終えて壇上から降りて来る時に、フジノは3人に対して拍手をしたのです。
フジノが拍手している様子は傍聴席からも見えていたそうです。
そこで、何人もの方から
「反対してるヤツらに、なんで拍手なんかするんだ」
と言われました。
けれども僕は思うのです。
議会は『議論の場』である。
意見の違いと立場の違いはあるけれどもその議論の場で、正々堂々と議論をしたのであるから、相手に対して敬意を払うのは当然である。
そう信じて、拍手をしました。
議会が議論の場であってほしい。
政治家がナマの声で語ってほしい。
この想いから彼らに拍手をしたのです。
それは「条例案がとおらなくて悔しくて悔やしくてたまらない」という気持ちとはまた別の次元の、1人の政治家としての本音です。
僕は丸5年間サラリーマンでした。
自分の意見がとおらないことなんてこれまでだってうんざりするほどたくさんありました。
けれども、本当にうんざりさせられるのは意見がとおらないことだけでなく何故ダメなのか理由も分からずにダメだと言われることです。
この意味で、フジノは全くかみあわない市長の答弁よりも、はっきりとナマの言葉で自分の意見を語った方々に共感を覚えたのです。
だからフジノは拍手をしました。
条例案の否決、本当に申し訳ございませんでした
美術館問題については本当にいろいろ書きたいことがあります。
けれども、気持ちを整理したいので少しだけ時間をください。
今夜はもう真夜中、明日も朝から僕の所属している『民生常任委員会』があります。
資料の読み込みをしたいので今日はここまでにします。
美術館についての住民投票条例案を成立させることができなくて、期待してくださったみなさまには本当に申し訳ございませんでした。
5万5116人の想い、僕の原罪としてこの先ずっと4年間背負って生きていきます。
ただ、まだ何も終わってはいません。
あさって18日には美術館みなおしの請願について教育経済常任委員会の場で議論が行われます。
フジノは何もあきらめていません。
まちが変わる動きはもう絶対に止めることはできません。
どうか絶対に希望を失わないでいてください。
傍聴に来てくださったみなさん、インターネットを見ていてくださったみなさん、本当にありがとうございました。
それではおやすみなさい。