やっと「人権都市宣言」が発表されました
昨日は、『市制施行100周年記念式典』に15分間だけ行きました。
毎年、絶対にフジノは、こういう式典には出席しません。
必然性がどうしても感じられないので、昨年も一昨年もその前の年もあえて出席しませんでした。
それでも今回だけあえて出席したのには、1つだけ理由があります。
プログラムの4番目に『横須賀市人権都市宣言』の発表があったからです。
蒲谷市長が、100周年記念式典の場で市民のみなさんに対して宣言するのです。
もちろん政治家フジノはすでに市議会の場でこの全文を知っています。
けれども、長い日々をかけてつくられたこの宣言が、市民のみなさまの前で発表される記念すべき瞬間に立会いたかったのです。
障がいのある方々への差別を無くし、性的な多様性を保障し、男女協働参画社会の実現をすすめていく立場の政治家として強い思い入れがありました。
そこでプログラム4が終わるまでの15分だけ式典の場に居て、『宣言』が終わった瞬間に、会場を出ました。
「横須賀市人権都市宣言」の全文を紹介します
読み上げられた『横須賀市人権都市宣言』は、次の通りです。
『横須賀市人権都市宣言』
人権は、人が人であることに基づいて、
当然に保障される権利です。
すべての人は、生まれながらにして、
等しく人権を有しています。
しかしながら、現実には差別や虐待などの
人権問題が存在しています。
横須賀市は、子どもから高齢者まで世代を問わず、
また性別や国籍を問わず、この地に暮らし、働き、学び、遊ぶ
市民一人ひとりをかけがえのない個人として尊重します。
さまざまな差別や偏見をなくし、
人権が侵害されることのない都市をめざして、
市民と協働しつつ、
人権尊重の理念に基づく市政に取り組むことを
宣言します。
平成19年2月18日
横須賀市長 蒲谷 亮一
本当に効果がある『差別禁止条例』こそ必要だとフジノは考えます
ところで・・・
たったこれだけの文章をつくりあげるのに、本当に何年もかかってしまいました。
フジノはこれを「遅すぎる」と批判しています。
障がいのある方々への差別を禁止する条例をつくった千葉県のように、県民全体を巻き込んでタウンミーティングを繰り返したなら理解できます。
また、市議会全体を巻き込んで議論を繰り返して、ついに成立した、という状況なら理解できます。
しかし、実際の策定プロセスは全く違います。
また、この宣言にどれだけ実効性があるのか(現実の暮らしで本当に効果があるか)もとても疑問です。
加えて、今回の発表の場となった式典は、ふつうの市民の方々が応募しても抽選でわずか150名しか参加できなかったことが新聞報道で批判されました。
少数の市民の方々向けに発表されたところでどれだけの効果があるのかも、大いに疑問です。
『横須賀市民憲章』があることをほとんどの市民の方々は知りません。
同じように、この『人権都市宣言』もあっという間に忘れられていくのでしょう。
来年度はさらに『人権擁護施策指針』というものを新しくつくることになっています。
しかし、フジノは「違う」と思います。
『宣言』や『指針』をいくらつくっても「それでは足りない」と思います。
罰則も含めた実際に効果のある『差別禁止条例』をつくることが必要だとフジノは考えています。
もちろん、差別を生まない風土づくりの為に日常的な関わりをもっともっと増やしていくことこそが大切です。
けれども、今この瞬間に偏見・差別が実際に行なわれている現実があるのです。
それらを実際に無くす。
『無くす為の効果を持つ条例』が必要だ
と、政治家フジノは信じています。
後日追記(2009年2月)
この記事を記した2年後の2009年2月9日、新たに『横須賀市人権施策推進指針』が策定されました。