横須賀市腎友会の結成総会に参加しました
今日はヴェルクよこすかで行なわれた『横須賀市腎友会』の結成総会に参加しました。
慢性腎不全によって人工透析をされている方々から市議会に陳情が何度か提出されたことがあって、担当の委員会である民生常任委員メンバーとして、ずっと関心がありました。
けれども、実際に人工透析をされている方々や腎臓移植をされた方に直接お話を伺ったことが今までありませんでした。
お話をうかがえる機会をずっと待っていました。
このたび、別々に活動を続けてきた2つの団体が今後は1つの団体として活動をしていくとのことで、結成の場にお招きいただいて、すごくうれしかったです。
参加者の方々は割と高齢の方が多かったのですが、フジノと同い年の方もいらっしゃいました。
同い年である親しみやすさもあって開会前に30分ほどお話をうかがいました。
1回4時間にわたる人工透析を週3日行なっていること、そうした中で仕事を続けていくことなどやはりとても大変なのだな、と感じました。
また、横須賀市で腎臓移植した方は6名、とのことでした。まだまだ腎臓移植はハードルが高いんだな、と思いました。
腎友会のみなさん、本当にありがとうございます。
来賓席から写真を撮ったので全て逆光になってしまいました。見づらくてごめんなさい。
人工透析を15年、30年、35年されている方々に表彰がありました。こういう表彰って、とても良いなあと思います。
午前中は結成総会、お昼ごはんをはさんで、午後から腎臓疾患に関するドクターの講演会でした。
フジノはお弁当をみなさんと一緒に食べてから、午後は別の用事があったので途中で退席いたしました。
切ない再会
お昼ごはんの時に、うれしい再会がありました。
かつてフジノがYデッキで演説をしていた約4年半、毎日のようにお会いしていた女性Aさんがいらっしゃいます。
お互いに体が強くないので、フジノがYデッキで街頭演説をしばらくやれない時期が続くとAさんはとても心配して下さって連絡をくれました。
Aさんは通勤でYデッキを使っていたのですが、逆にAさんを見かけない時にはフジノもいつもAさんを心配していました。
「体が悪いから家族は仕事を辞めてほしいと言っているの」
と、Aさんはよくおっしゃっていました。
毎日お会いして言葉を交わしてきた方だから、僕はAさんがとても大好きでした。
だから、ある日を境にAさんを全く見かけなくなってしまってから今日に至るまで
一体Aさんはどうしてしまったのだろうか。
まさか亡くなってしまっていないだろうか。
と、フジノはすごく心配していました。
そうしたら、今日の総会の会場になんとAさんがいらっしゃったのです!
うれしかった!
Aさんから手を振ってくれました。
お元気そうで本当に安心しました。
「Aさん、ずっとお会いできなかったからものすごく心配だったんですよ。
お体が悪いというのは、腎臓疾患のことだったのですね」
フジノがこう尋ねると
「そうなのよ。
かれこれ5年間くらい人工透析と仕事と両立してたんだけどどうしても難しくなっちゃってね。仕事を辞めたのよ。
私もフジノくんがどうしてるかすごく気になってたけど、顔もふっくらしたし、体調も大丈夫そうね?」
と、Aさんが答えました。
「僕の顔がふっくらしているのはメタボです(笑)」
なんて笑いながらお互いの思い出話をしつつも、Aさんが人工透析をしていたことを全く知らなかったことにフジノはショックを受けていました。
毎朝あんなに早くから通勤されていたAさんが1回3~4時間、毎週3~4日も人工透析を受けながら仕事に通っていたなんて知らなかった。
しかも、ご家族に反対されながらも続けていた大好きなお仕事を辞めねばならなかったなんて知らなかった。
再会できてうれしかったですし、何よりも亡くなってなんかいなくてホッとしたのですが
毎日のように言葉を交わしていたのに僕はAさんのことを何も知らなかったんだなあととても切なくなりました。
やっぱり政治家は、他人なんだなあ。
そりゃ、そうだよね...。
でも、大好きなAさんの為にもできることを僕は全てやろう。
つまり、慢性腎不全/腎疾患のある方々への暮らしをサポートする為に、政治家として果たせる役割を全力で取り組もう。
Aさんのように慢性腎臓病になる人を減らせるように、全力で取り組もう
そう改めて決意しました。
人工透析と当事者活動
透析療法が日本で行なわれるようになって、約40年になります。
人工透析には、1ヶ月で約50万円以上もの医療費がかかります。
かつては、何の補助も無かったのでこんな大金を支払うことができない方々が多く、治療を受けられず
「お金の切れ目が命の切れ目」
と言われた、悲惨な時代がありました。
昭和42年に保険が適用されるようになってからも自己負担分(20~30万円)がふつうのお給料ではとても支払えず、家などの財産を切り売りして何とか治療を受けたのです。
けれども、やがて医療費が支払うことができなくなり、失われた命も多くあったそうです。
そうした状況を当時のマスコミは「お金の切れ目が命の切れ目」と表現したのです。
こんな状況を変える為に、患者さんたちが自ら立ち上がりました。
横須賀市では昭和46年2月に『横須賀人工腎共励会』をたちあげました。
(今回結成された腎友会の前身ですね)
さらに全国レベルでも昭和46年6月に『全国腎臓病協議会』が結成されました。
病身をおして患者さんたち本人によって厚生省・大蔵省などへ積極的な陳情・請願を行なったことによって
昭和47年10月に身体障害者福祉法が適用されることになり、『透析医療費の公費負担』が実現しました。
人工透析などにかかる医療費の自己負担(本人負担)は1ヶ月に1万円で済むようになったのです。
さらに、この1万円の自己負担も神奈川県と横須賀市の補助が出ますので、自己負担なし(ゼロ円)で人工透析を行なうことができます。
こうして、慢性腎不全の方々も安心して治療を受けられるようになりました。
現在、横須賀市では約950人の方が人工透析を受けています。
いのちを守るのが政治家の仕事のはず
しかし今、財政的な理由から神奈川県は、優れた制度であった自己負担への補助を引き下げてしまいます。
1万円の自己負担のうち、神奈川県が3分の1の補助を、横須賀市が3分の2の補助を出してきました。
こうした神奈川県の動きは非常に残念です。
慢性腎不全に苦しむ方々が40年前のように「お金の切れ目が命の切れ目」になってしまわないように
いのちを守るのが政治家の仕事です。
財政が厳しいからといって単純に医療と福祉をカットするのではなく
財政改革をしっかり行なう、つまり、歳出と歳入の在り方を同時に改善していくことでいのちを守る為に必要な財源を確保していくことこそが政治の仕事だとフジノは信じています。
今日の腎友会結成総会に出席して改めてその確信を強くしました。
その信念をしっかりと実践していきたいと思います。