美術館1年目、3億5,472万円の赤字でした
今日は、オープンから1年が経った横須賀美術館の決算を報告します。
収入 | 支出 | ||
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観覧料 | 7310万円 | 給与 | 1億3180万円 |
駐車場使用料 | 1329万円 | 運営事業費 | 1億1517万円 |
書籍売払代など | 1251万円 | 管理事業費 | 2億1016万円 |
若林奮展への助成金 | 350万円 | ||
(合計) | 1億240万円 | (合計) | 4億5713万円 |
横須賀美術館スタート1年目はマイナス3億5473万円でした。
この赤字3億5473万円は、市民のみなさまの税金で穴埋めしました。
また、建設にあたっての借金(市債)残高は40億943万8632円です。完済までに25年間かかります。
また、フジノが特に問題視していた、非常勤で月わずか4回しか現場に来ない館長ですが、実際に支払われた報酬は
1日2万6,000円×33回=85万8,000円
1年間でわずか33日間、月わずか2.75日です。
横須賀美術館の館長は、現場にほとんどいなくて勤まるんですね。
なんだかなぁ...。
もしも3億5473万円を別の使い道ができたならば(その1)交通事故遺児への「奨学金」
財政の厳しい横須賀において、福祉の財源を確保する為には美術館を今つくる必要は絶対に無い、と建設反対を訴えてきたフジノにとって
どんなハコモノもスタートの年は『ご祝儀相場』となってたくさん入場者があるにも関わらず、こんなに多額の赤字が出ていることが不快でたまりません。
美術館の管轄は、教育委員会です。
教育委員会には他にもいろいろな事業があります。例えば...
交通事故によって一家の生計の中心の方を亡くしてしまった小・中学生・高校生をサポートする為に、横須賀市では、『奨学金』を支給しています。
その金額は、
- 小学生では1ヶ月9,000円
- 中学生では1ヶ月1万円
- 高校生では1ヶ月1万1,000円
です。
小中学校・高校に入学した時には新入学時の加算として、約8万円が支給されます。
今年の『交通遺児対策事業費』は、わずか377万1,326円でした。
そこで、もしも美術館の運営費の赤字3億5473万円を別の使い道ができたならば、フジノは、この交通遺児支援事業の予算を10倍にします。
1ヶ月わずか9,000円や1万1,000円をもらっても、一家の大黒柱を失ったことによる暮らしの厳しさは全く変わりません。
例え、10倍にして小学生9万円、中学生10万円、高校生11万円にしてもひとり親の家庭の生活の厳しさはやっと少しマシになるだけです。
今の10倍に増やしても、必要な予算は3771万3,260円です。
3771万円をこの交通遺児支援に使ってもまだまだ3億1700万円も余ります。
美術館の運営費の赤字3億5473万円をもしも別の使い道ができたならば、生活苦や経済苦に追い込まれている家庭をどれほど今よりもマシな状況に変えることができるでしょう!
このまちは、人を育てることの大切さを理解していない。
こどもたちの未来に投資すれば、どれほど希望に満ちた世界へとこどもたちが進んでいかれるか分かっていない。
こどもたちの未来に投資することは実は、今の世代を救うことでもあることをこのまちは理解していない。
もしも3億5473万円を別の使い道ができたならば(その2)低所得世帯の高校生への「奨学金」
教育委員会の取り組みで他にはこんな事業があります。
家庭の経済的な理由でこの生徒は高校に進学するのは困難なのではないかと中学校の先生が判断した中学3年生について、中学校の先生の申請に基づいて審査の末に、横須賀市は高校生に『奨学金』を支給しています。
『奨学金』といっても、毎月わずか1万円です。
中学校の先生が申請してくれても、その申請が全員分がOKになるのではなくてかなりの数が、落選します。
何故なら、1学年50人という枠が付けられているからです。
そこで、2007年度に『奨学金』が支払われたのは152名(1~3年各50人プラス定時制の第4学年2名の合計)へ『奨学金』にかかった費用は、1809万円でした。
さて、くりかえすまでもありませんが、毎月たった1万円で、どれだけ生活が救われるのでしょうか。
フジノの高校時代にも大学時代にも家庭が経済的に厳しくて、新聞配達をしている友達がいました。
早朝と夕方、毎日新聞配達をしてようやく生活費と学費の支払いが何とかなっていました。(新聞奨学生というものです)
そのかわり、部活動にもサークルにも一切入れずに残念ながらバイトに明け暮れて過ぎていった学生時代でした。
それはそれで意味が十分あることです。人は誰もがみな、いずれ働くのです。他人よりも早く働きはじめることは大きな意味があるでしょう。
しかし、一方で他のこどもたちのように、勉強に部活動に安心して取り組むことはできていませんでした。
そこで現在に話を戻します。
もしも政治家フジノの想いが実現していて美術館を建設せずに済んでいたら、そして、今年の美術館の運営費用の赤字である3億5473万円を他の使い道ができたならば、やはりフジノはこの『奨学金』を10倍にします。
それでも予算は1億8090万円です。美術館の赤字の3分の1にしかなりません。
交通遺児への『奨学金』を10倍にしても、経済困窮の高校生への『奨学金』を10倍にしても、それでも美術館の赤字よりも少なくて済むのです。
あなたはどうお考えになりますか?
はからずも交通事故で親を亡くしてしまい、ひとり親のもとで厳しい生活をしているこどもの為に税金を使ったり
「家庭の経済状態が悪くても、この子は高校へ行かせてあげたい」
と中学校の先生が判断した生徒の為に税金を使ったり、それは、未来への投資ではありませんか?
フジノはこれこそ税金の正しい使い道だと信じています。親の経済格差をこどもに押しつけない、格差を打ち破る政策です。
美術館の運営と、恵まれないこどもたちの未来と、あなたはどちらが大切だと考えますか。
フジノは政治家として、こどもたちの未来を選びます。
だから、決算を認定しません
さらに、2007年度予算議会にて反対討論を行なったものですが
横須賀市はこの2007年10月から精神障がいのある方々の通院医療費補助を打ち切ってしまいました。
これは全国に誇れる本市独自の制度でした。
精神障がいのある方々は働くことがなかなかできない為に生活費さえ苦しくて、病院に通いたくてもその通院費用さえ出せない、
そんな状況を改善する為に、通院の費用は市が補助をしてきたのです。
予算はわずか3000万円でした。
しかし、蒲谷市長はこれを廃止、全額カットしたのです。
2007年10月の廃止から、数ヶ月が経ちました。そこでフジノは委員会で質疑を行ないました。
「この打ち切りによって、病院に通うことができなくなった精神障がいのある方々がどれだけ存在するのか、追跡調査したのか?」
「把握していません」
という答弁でした。
こんなていたらくです。
人の命を守るのが政治家の仕事だという信念に基づいてフジノは政治家として、この決算は絶対に認めません。
つまり、不認定です。
このまちは、優先順位が間違っています。
100周年を祝うイベントを行なっている暇があれば、100人もの方々が毎年自殺に追い込まれている本市の現状を変える為にもっと本気になるべきです。
今の横須賀市は間違っています。
市民のみなさまは、いや、あなたはどう思いますか。