精神障がいのある方々の家族会(みんなねっと)の全国大会へ
今日は、東京・千駄ヶ谷の津田塾大学へ行きました。
『NPO全国精神保健福祉会連合会(通称:みんなねっと)』の全国大会『みんなねっとフォーラム2010』が開催されたのです。
『みんなねっと』は、精神障がいのある方々の『家族会』の全国組織です。
かつては『ぜんかれん』(全国精神障害者家族会連合会)という大きな組織がありました。
いろいろな事情があって、今では『みんなねっと』(家族会メイン)と『コンボ』(当事者メイン)の2つの団体に枝分かれしました。
『ぜんかれん』に救われたといっても過言ではないフジノにとって、同じルーツを持つこの2つの団体はどちらもとても大切な存在です。
精神障がいのある方々のご家族もまたとても苦しんでいる現実
今回のフォーラムでは『みんなねっと』が今年2010年3月に発表した報告書にもとづいた提言が中心となっていました。
報告書のタイトルは
『精神障害者の自立した地域生活を推進し家族が安心して生活できるようにするための効果的な家族支援等の在り方に関する調査研究・報告書』
です。
全文はこちらをご覧ください(ただ、とても量が多いのでご注意を!)。
当日会場で配られたリーフレット『わたしたち家族の7つの提言』はこの報告書をとても分かりやすく要約したものですので、ぜひご覧くださいませ。
調査は、全国の精神障がいのある方々のご家族4,419名に対して行なわれました。
報告書をとおして『全国の平均的な精神障がいのある方々の暮らし』が見えてきます。
ご家族の平均年齢は66.7才です。
精神障がいのある方ご本人の平均年齢は42.4才で、同居をしている率は79.5%でした。
そして、世帯の1か月の平均収入は25万円で、精神障がいのあるご本人の為の支出が1か月平均6万5000円(食費・医療費・日用品代)でした。
つまり、この調査によれば
- 精神障がいのある方々の8割が親と同居している
- 精神障がいのある方々は40代にさしかかっている
- その親御さんもすでに定年退職をした60代後半の年金生活者がほとんどである
という状況が見えてきます。
精神障がいのある本人が高齢化していけば、当然ながらその親御さんはさらに高齢になっていきます。
全国調査の結果と同じ状況を横須賀市でもひしひしと感じています。
高齢者福祉での『老老介護』という現実が知られていますが、障がいのある方々の福祉でも同じ状況が増えています。
本人もご家族も安心して老後を迎えられるような地域での生活を支えていくしくみが一刻も早く必要です。
現在、政府は『障害者自立支援法』の廃止と『(仮称)障がい者総合福祉法』の策定を目指しています。
もちろん国全体の問題ですから、中央政府(=国)にしっかり活動してもらわねばなりませんが
地方政府(=市区町村)として今すぐに成すべきことをできる限り早く、実現していかなければなりません。
地域での暮らしの場、働く場、安心して受けられる医療と福祉サポート、所得の保障など、課題は山積みです。
がんばらなければ。