はじめに(4ヵ月遅れの公開の理由)
ここから先は、6月18日の活動日記なのですが、10月4日を迎えるまでは公開しないままできました。
その事情はこの先を読んでいただくとお分かり頂けるはずなのですが、こころの底で「本当に自分が理事になって良いのか」ということを悩み続けてきたからでした。
昨日(10月4日)、新理事として初めての理事会を終えました。
緊張の数時間の会議を終えて、ようやく「僕はここに居ても良いのだ」と感じることができました。
そしてやっと今、僕は世間に対して『新たに理事に就任したこと』を公表しても良いのだと思えるようになりました。
そんな訳で、完全に時期外れなのですが、6月18日の活動日記です。
よろしければご覧下さい。
NPO地域精神保健福祉機構(通称コンボ)の理事に就任しました
今日は、夕方5時から『NPO法人・地域精神保健福祉機構』(通称コンボ)の総会がありました。
コンボとは、当事者をはじめとする精神保健医療福祉に関わるあらゆる方々の為の団体です。
全国に8000人もの会員がいる巨大な組織でもあります。
精神障がいのあるご本人が表紙モデルとして毎月登場する雑誌『こころの元気プラス』でも有名な団体です。
精神障がいのあるご本人をはじめ、ご家族、保健医療福祉の関係者など、あらゆる立場の方々が立場を超えて集うことができる唯一の全国組織だとフジノは受け止めています。
その前身である『全家連』(全国精神障害者家族会連合会)から含めてフジノの人生の半分である18年間の関わりがあります。
(現在、『全家連』は解散して無くなりました。しかしその遺伝子はコンボに明らかに受け継がれているとフジノは考えています。フジノの中では、『全家連』の良い部分=コンボなのです)
僕はこの団体が存在していなければ、18才の頃、自殺していたと思うのです。
それくらい、本当に、本当に、大切な場です。
そのコンボの賛助会員であるフジノが、総会に参加するのは当然のことではあるのですが
今日の総会は、フジノにとって今までとは全く別の重みがありました。
それは、フジノがコンボの新しい『理事』の候補に選ばれているのです。
総会の最後に『理事の改選』という議案があって、みなさまに承認していただければ、フジノはなんと最年少の理事に就任します。
フジノにとってのコンボの重みとは・・・
たぶん精神保健医療福祉の世界と関わりの無い方には、イメージすることは難しいと思います。
けれどもフジノにとって、コンボという組織の理事になるなんてことは全くありえない、想像したこともない、信じられない事でした。
フジノが総理大臣になるよりもイメージできないことです!
そもそも今からさかのぼること18年前。
精神疾患に苦しむ恋人とともにフジノが助けを求めたのが、コンボの前身である『全家連』でした。
コンボという団体は、その『全家連』という組織(今は解散)のその直系の遺伝子をひいています。
わらにもすがる想いで助けを求めた時に、その声に温かく応えてくれた命の恩人であるその団体の、わずか11名しかいない理事にまさか18年後に自分が就任することになるだなんて...。
責任の重さにしり込みをしたフジノは、数ヶ月前にお話を頂いた時、即座にお断りさせていただきました。
『全家連』の長く続く歴史、『全家連』を愛してきた僕だからこそ誰よりもその重みを知っています。
日比谷公園の誓い。活動の歴史。流された、たくさんの涙。
『全家連』からコンボへと生まれ変わる中で12万人もいた会員数こそ減りましたが、今も全国に8000名を超える会員の方々がいらっしゃいます。
その8000名の想いを果たしてフジノが担えるのか...。
これは、市議会議員として41万人の想いを引き受けるのとは全く別の次元のものです。
だから、怖くてたまりませんでした。
政治家への転職は、僕自身が決めて行なったことですからあらかじめハッキリと『覚悟』はできていました。
けれども、この理事になるというのはまさに突然の推薦で(理事の改選があることすら知らなかった)僕の能力を明らかに超えていることでした。
ですから、お断りしつづけました。
けれども、何度も説得をいただくうちに(僕なんかに本当にもったいないことです!)少しずつ考えが変わりました。
「18年前に僕が助けてもらったように、かつての僕と同じように今この瞬間に苦しんでいる人に手をさしのべられるように僕がなることが、『全家連』への恩返しなのではないか?」
と考えるに至りました。
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実は、このお話を頂いて悩みぬいた末についに決心した時に、フジノはそれまで生やしていたヒゲをそり、髪の毛も短くして、黒く染め直しました。
中学時代からずっと
「自分らしい姿は自分で決める」
と考えてきて、僕は茶色い髪の毛が似あうと思ってきましたし、高校~大学~会社員時代もそのままでした。
政治家に転職する時もわざわざ黒くするのはウソくさいから嫌だと考えて、茶色いままにしていました。
どれだけ周りから批判されようがバカにされようが、他人の声よりも自分のこころの声を信じたのです。
そんなフジノですが、いや、そんなフジノだからこそなのですが
僕の今のこころの声に耳を傾けた結果、コンボの理事にふさわしい姿としてヒゲもそって髪も短くして黒くしようと思いました。
これまでの政治家フジノの暴れん坊ぶりを知っている方は失望される方もいるかとは思うのですが、
他の理事の方々というのは、有名な研究者・実践者ばかりです。
ご家族の立場の方も全国に名前の知られている方ばかり、
精神障がいのある本人の立場の方もすごい人ばかりです。
でも、フジノには何もありません。
『全家連』から続くコンボへの深い愛情以外には何にもフジノにはありません。
最年少の若造ですし、研究成果も無ければ、何もありません(政治家であることは全く意味がありません)。
そんな空っぽの僕が
という大きな責任を受け止める為には、せめて外見だけでも一目で見て分かってもらえるようなその姿勢を示したいと感じました。
それくらいにフジノにとってはすさまじく大きな出来事、天地がひっくりかえるような出来事なのでした。
何日間も緊張で吐き気が止まりませんでした。
理事会メンバーをご紹介します
ちなみに、理事のメンバーはこちらです。
- 代表理事:大島 巌さん
(日本社会事業大学社会福祉学部教授) - 共同代表理事:伊藤 順一郎さん
(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所部長) - 共同代表理事:宇田川 健さん
(NPO法人地域精神保健福祉機構共同代表) - 理事・事務局長:桶谷 肇さん
(全国精神障害者就労支援事業所連合会・理事) - 理事:後藤 雅博さん
(新潟大学医学部保健学科教授) - 理事:西尾 雅明さん
(東北福祉大学総合福祉学部教授) - 理事:遊佐 安一郎さん
(長谷川メンタルヘルス研究所所長) - 理事:高森 信子さん
(SSTリーダー) - 理事:柏木 彰さん
(横浜市精神障害者家族会連合会・副会長) - 理事:増川 信浩さん
(WRAPファシリテーター) - 監事:寺尾 直宏さん
(NPO法人千葉県精神障害者家族会連合会・理事長)
そして、顧問にあたるアドバイザリーボードはこちらです。
- 大熊 由紀子さん
(ジャーナリスト・国際医療福祉大学教授) - 門屋 充郎さん
(NPO法人十勝障がい者支援センター理事長) - 佐藤 光源さん
(東北福祉大学大学院教授) - 高橋 清久さん
(財団法人精神・神経科学振興財団理事長) - 寺谷 隆子さん
(山梨県立大学・教授/日本社会事業大学・客員教授) - 樋口 輝彦さん
(独立行政法人国立精神・神経医療研究センター総長) - フイリス・ソロモンさん
(ペンシルバニア大学社会政策・社会実践学部・教授) - チャールズ・ラップさん
(カンザス大学社会福祉学部・教授)
ね?
精神保健医療福祉の関係者の方々であれば、誰もが知っているビックネームばかりですよね...。
明らかにフジノは格下の格下、嫌になってしまうくらいにちっぽけな存在です。
それでも今日、総会がついに最後にさしかかり、新しい理事としてフジノを全会一致で承認していただきました。
フジノが理事の1人になったのです!
責任の重さに押しつぶされそうです!
でも、選んでいただいた以上は今まで以上に、この身を賭して、全身全霊をかけて、コンボの為に、そして精神保健医療福祉の為に、働いていきます。
これまでも個人として政治家として、精神保健医療福祉の為に全身全霊をかけてきました。
けれどもそれは、個人としての闘いでした。無所属の1人きりの地方議員としての闘いでした。
でも、これからはコンボの理事という、全国の代表なのだという自覚を持って
他の理事・アドバイザリーボードの方々の名声を汚さないように努力します。
いや、何よりも、僕自身が命を救ってもらってその恩を感じていつも大切に想ってきた『全家連』=コンボの歴史と伝統を守る為にがんばります。
守る為には変えなければならないこともたくさんあります。
新しい風を吹き込める存在になれるように、どうか全国のみなさま、力を貸して下さい。
以上、コンボの新理事に就任しました
フジノの決意表明です。
よろしくお願いします!