犠牲の累進性を越えられるか/日本の貧困・世界の貧困
今日は午後から築地本願寺で開催された『STAND UP TAKE ACTION』に参加してきました!
世界中の貧困問題の解決を目指して2000年に『ミレニアム開発目標(MDGs)』が策定されました。
その内容は、世界189ヵ国の代表者たちが「2015年までに世界の貧困を半減すること」などを約束したものです。
しかし、約束から10年が経った今も『MDGs』は達成される見込みがありません。
そこで、2006年から、貧困を無くす為に立ちあがる世界同時アクション『STAND UP』がスタートしました
1人ひとりが立ち上がる(STAND UP)ことで、『MDGs』を達成して貧困を無くしたいという意志を示して、各国の代表者たちに約束の実現を求めてきました。
そして昨年は、世界各地でなんと1億7000万人以上もの人々がこのアクションに参加して、世界の貧困をなくすという声を各国の代表者たちに届けました。
実はこの参加者数の多さは、ギネス記録として注目を集めています。
さらに今年9月には、『国連MDGsレビューサミット』が開かれます。
これまでの取り組みを振り返り、今後の取り組みを話し合う場です。
このサミットの直前である今、日本でも『STAND UP』の全国的なムーブメントが起こっています。
今日フジノが参加したのは全国のイベントの1つです。
『どっちが深刻?!日本の貧困・世界の貧困~犠牲の累進性を越えられるか~』
プログラムとしては、
- ミレニアム開発目標(MDGs)の説明
- 日本の貧困削減目標の説明
- シンポジウム
- STAND UP
というものでした(配られた資料はこちら)。
シンポジウムの出演者は、次の5人です。
- 雨宮処凛さん(作家・活動家)
- 稲葉雅紀さん(MDGs達成の為のNGOネットワーク代表)
- 村田俊一さん(国連開発計画=UNDP駐日代表)
- 湯浅誠さん(反貧困ネットワーク)
- 吉岡逸夫さん(ジャーナリスト)
フジノがこのシンポジウムにどうしても参加したかった理由が2つあります。
その第1番目が『犠牲の累進性』を越えるということについてです。
雨宮処凛さんが名付けて世間に広めようとしているキーワードなのですが
「どれほどあなたが苦しいとしても今置かれている状況は他のもっと貧しい人や大変な人に比べたら、何でもない」
「もっとつらい人はいるよ」
というような言葉で、問題から目をそらさせてガマンを強いるやり口や雰囲気のことです。
これは本当におかしいです。
もっとつらい人がいようが何だろうが、今、苦しい人は、今、本当に苦しいのです。
この『犠牲の累進性』の論理を使うのは決して権力者やマスメディアだけではありません。
僕たちも気をつけなければ、自然とからみとられてしまいます。
この『犠牲の累進性』をフジノはのりこえたいし、この国の空気を変えたいといつも願っています。
そして第2番目の理由は、今回の司会をつとめてくれた大学生の中島実優さんは『活動家一丁あがり講座』の1期生なのですが
フジノのカフェトークにいつも来て下さっているAさんもこの『活動家一丁あがり講座』の1期生なのですね。
Aさんはふつうの女の子ですが、本当に生活が厳しい。まさにワーキングプアへと追い込まれています。
そんな彼女が『活動家一丁あがり講座』を受講すると知った時、こんなふつうの女の子が立ちあがるのだということをフジノは本当にうれしかったですし、
そうやって立ちあがろうと決意した人を受け止めてくれる場(講座)があることに感動を覚えました。
そんな縁もあって、このシンポジウムにどうしても参加したかったのですね。
フジノの決意
さて、シンポジウムが終わると、ついに『STAND UP』です。
立ちあがる自分なりの決意を紙に記してみんなでそれを空にかざしている姿を写真に撮ります。
フジノの決意は、これ。
築地本願寺の広場で、参加者200人もの方々が一斉に雄たけびと共にスタンドアップしました!
『STAND UP』のブログにまもなく載ると思うのですが、築地本願寺でのテイクアクションで横長の旗を持っているのはフジノなのですよー。
雨宮処凛さんとの再会/フジノの提案はすでに他都市で実現していた!
『STAND UP』が終わって帰り仕度をしていると
「フジノさん、来てたんですね」
聞き覚えのある声が!
なんと、雨宮処凛さんが声をかけてきてくれました。
雨宮さんとは1年ぶりの再会でした。
「ちょうどご連絡しようと思っていたのですが、フジノさんのインタビューものった『QUICK JAPAN』の連載が今度、単行本として出版されるんですよ」
おおー!すごくうれしいです。単行本、絶対に買わなくちゃ。
(後日追記:この本は2010年11月に発行されました。詳しくはこちらをご覧下さいね)
そして、近況報告&意見交換をしました。
今回フジノが市長へ行なった一般質問では
『猛暑』と『貧困』による熱中症被害は『災害』だと捉えて「公共施設を猛暑から避難するシェルターとしたらどうか?という提案をしました」
と、お話しすると
「あ、フジノさん。それ、どこかの自治体が実際に行なっているはずですよ」
と、雨宮さんが教えてくれました。えー!知らなかったです。
そこで、さっそくツイッターでこのことをつぶやいてみると、帰り道の電車の中で、すぐにフォローしてくれている方が教えてくれました。
なんと大阪府吹田市では消防署の研修室を24時間開放しているとのこと!
クーラーが効いていて水も飲めます。宿泊もできます!
シェルターの利用可能人数は4署で29人、受付で名前・住所・緊急連絡先などを用紙に記入すれば、誰でも利用可能なのです。
室温はクーラーによって28度にキープされて、布団一式と冷えたペットボトルの水も用意されています。
そしてもしも体調不良になった時には、内線電話を使って同じ建物の中にある救急隊に助けを求めることもできるのです。
これこそフジノがめざしていたものです。
横須賀市長はゼロ回答でしたが、やっぱりこれ、実現できるんじゃん。
やればできることなら、何故やらない!吉田市長は貧困と闘う気持ちが無いのか?
下の動画は、YouTubeにのっていたニュースです。ぜひご覧くださいませ。
(ちなみにフジノが提案したことのほとんどが環境省からまもなく地方政府に通知されるとの情報もありました!やっぱり今回の質疑の方向は正しかったんですね~!)
貧困問題に取り組まない政治家はいらない
雨宮さんのまわりには、いつも人が集まります。
今日も雨宮さんに会えてうれしくて涙を流していた女の子の姿も。
そんな超有名人である雨宮処凛さんと親しげに会話をしていたが為にフジノまでが「この人、すごい人なのかも」と誤解されてしまい、熱い視線が...。
「どんなお仕事をされているんですか?」
と質問されて
「自殺対策をしている政治家です」
と答えると
「えー、政治家に会ったの初めてです!写真とらせてください!」
と頼まれてしまいました(汗)。
特に断る理由も無いので、のぼりと一緒にポーズしました。照れつつもなんか有名人になった気分です。
でも、その写真をメールで頂いて、今改めて見つめてみると
この『のぼり』はまるでフジノの為につくられたのではないか
というくらいにフジノの想いにぴったりでした。
いのちを守る。
この当たり前の問題に取り組まないなんて、それは政治家じゃない。
自殺へと追い込まれる人々をなくす
貧困に苦しむ人々をなくす
その為に、社会を変える
それこそ政治家の仕事じゃないか。
僕はそう信じています。