障がいの有無を問わず、誰もが学べる環境を当たり前にしなければならない
わが国では、障がいのあるこどもたちは学びの場からある意味で『排除』されています。
例えば、あなたの小中学校時代を思い出してみて下さい。小中学校まではクラスにひとりは障がいのある友達が居たはずです。
ふだんは別教室で授業を受けていながらも、音楽や美術の授業やホームルームや給食の時間は同じ教室で過ごしていたはずです。
その友達は、高校生になったらどこに行ってしまったのでしょうか。
その答えは、養護学校(特別支援学校)です。
障がいのあるこどもたちはいわゆる普通科の高校には行かれず、他に選択肢が無い為に、養護学校に行くしか無いのです。
義務教育期間である小中学校時代は、みんなが一緒に学ぶことができていたのに。
フジノはこうした現実を変えたい。
『排除(exclusive)』の逆を『包摂(inclusive)』と言います。
障がいの有無を問わずに誰もが共に学ぶことができる教育を、『インクルーシブ教育』と呼びます。
『インクルーシブ教育』こそ在るべき当たり前の教育の姿です。
ようやく神奈川県内でも県教育委員会の改革によって、県立高校でのインクルーシブ教育が少しずつ進み始めました。
フジノは『横須賀市教育委員会も市立高校において『インクルーシブ教育』を当たり前のこととして取り組むべきだ』と訴え続けてきました。
決算審議を通じて、市立高校での「インクルーシブ教育」の実現を訴えました
そこで改めて本日の決算委員会でも、市立高校における『インクルーシブ教育』の推進状況を問いただしました。
決算特別委員会での質疑
フジノの質問
では、市立横須賀総合高校の2問目なのですが、『インクルーシブ教育』の推進について、この1年間の実績を伺いたいと思います。
これは特に該当のページが無いのですが、同じ市内にある県立の高校では、障がいのある子どもたちの高校入学への強いサポートをして下さっている学校もあります。
入試の前から校長先生を筆頭に高校がサポートしてくれる、中学校も協力してくれる。
市立総合高校も立ち上がる前に『ともに学ぶ総合高校を考える会』という会の活動などもあって、「『インクルーシブ教育』を進めていこう」という動きがありましたが、今、実際はどのようになっているのでしょうか。
学校教育課長の答弁
障がい児の受け入れ状況については、特別な枠というのは当然設けておりません。
ただ、状況に応じて御相談いただく中で、対応できるものについては対応していくという形で進めていくことになろうかと考えております。
フジノの質問
「受け入れの枠は無い」ということは承知しております。
それは市内の県立高校についても同じです。
特別な枠を設けるという意味ではなくて、ある程度の配慮を行って、そしてともに学べる学校にしていただきたいと考えているのです。
先ほど相談を受けているという話が答弁としてあったのですが、実際に入学したという話は聞こえてこない。
実績としては進学校になって今年は甲子園の一歩手前まで来ましたし、運動もすばらしい学校になってきていると思うのです。
あとは『インクルーシブ教育』、ともに学べる学校としての活動を進めていくことが重要ではないかと思うのですが、その点はいかがでしょうか。
生涯学習部長の答弁
個々の方の障がいについてここでというのはなかなか難しい部分がございますが、障がいのあるお子さんが入学している実績もありますし、現在もそこにいることはあります。
フジノの質問
実績もあるということですので、ぜひその方向を進めていただきたいと思います。
残念ながらこの程度の答弁にとどまってしまいましたが、横須賀も絶対にこのままではダメです。
障がいの有無を問わずに、誰もが共に学ぶことができる環境の実現は政治・行政の義務です。世界的には当たり前の潮流です。
実際、市内のある県立高校では障がいのある生徒たちがふつうに学んでいる(進学前から中・高の両方の校長先生が連携しあってくれています)姿を観てきました。
絶対に、やればできることなのです。
これからもフジノはさらに積極的に働きかけをしていきたいです。