新しい福祉計画づくりがスタートしました!
今日はお昼から夕方まで、ずっと会議へ。
マスメディアも来なければ、傍聴もフジノの他にはいない、全く注目されていない場なのですが
横須賀市の福祉の在り方を議論する実は本当に重要な場である『社会福祉審議会』です。
まず、14時半から2つの『分科会』が開かれました。
- 高齢の方々の福祉を担当する『福祉専門分科会』
- 障がいのある方々の福祉を担当する『障がい者福祉専門分科会』
です。
この2つの会議が同じ時間帯に重なった場合に、3~4年前までのフジノなら迷うことなく『障がい者福祉専門分科会』に出ていました。
でも、政治家としてフジノは今、高齢の方々の福祉をとても重要な課題だと感じています。
(個人としてのライフワークはずっと永遠に変わることなく『自殺対策』と『精神保健医療福祉』です)
そこで、フジノが選んだ分科会は高齢の方々の福祉を担当する『福祉専門分科会』でした。
分科会が終わって30分の休憩をはさんでより広い会議室へと移って、2つの分科会メンバーが全員参加して『全体会』が行なわれました。
今回は、特に「とても重要な場」でした。
何故ならば、2つの新しい福祉計画づくりがスタートするからです!
会場である汐入の総合福祉会館の会議室へわざわざ横須賀市長がやってきました。
そして、社会福祉審議会の委員長である篠崎英夫さんに吉田市長みずから『諮問状』を読みあげて、手渡しました。
この2つの計画をつくるにあたって社会福祉審議会で議論して、答申を出してほしい、そういうお願いを『諮問』というのですね。
2つの新しい福祉計画とは
- 介護保険事業計画(第5期目です)
- 障がい者福祉計画(第3期目です)
です。
介護保険事業計画づくりに注目して下さいね!
ここでは『介護保険事業計画(第5期)』だけを紹介します。
高齢の方々の保健医療福祉政策の専門家では無かったフジノが、この数年間ずっと強い関心を持って取り組んでいるのは何故か、その説明でもあります。
介護保険事業計画というのは3年ごとの計画です。
下の図のようなイメージになります。
H18年 | H19年 | H20年 | H21年 | H22年 | H23年 | H24年 | H25年 | H26年 |
第3期 | ||||||||
第4期 | ||||||||
第5期 |
H22年度の現在は『第4期・介護保険事業計画』の実行中です。
『第4期計画』がまもなく終わりますので、その前に、H23年度いっぱいを使って、新たに『第5期計画』を作ります。
この第5期は、すさまじく重要になります。
ものすごく単純化してカンタンに説明しますと...
65才以上の方々の人口数が最も多くなる大きな山がこれから2回やってきます。
日本全体の統計データで見ると、まず第1回目のピークは平成27年(2015年)です。
高齢者人口のうち、65~74歳(いわゆる前期高齢者)人口は『団塊の世代』が高齢期に入る平成27(2015)年に1744万人でピークを迎えます。
(このデータは『平成22年度版高齢社会白書』より)
やがてさらに第2回目のピークもやってきますが、まずはわずか6年後にこうした深刻な状況が訪れるのです。
その時、もしも横須賀市が最悪のシナリオへと進んでしまっていたならば
財政破たんによって介護保険料を支払ったとしても施設にも全く入れない、在宅でも介護サービスを受けられない、といった介護難民があふれてしまう事態にもなりうるのです。
(これはあくまでもすごく単純化した説明ですからね!でもフジノが日頃から財政危機を訴えているのはこうした状況を避ける為です)
政治家として、絶対にそんな事態を回避しなければいけません。
ピークを迎える前であるにもかかわらず、すでに現在でも施設入所を待機しておられる方々がたくさんいます。
例えば、特別養護老人ホームについて言えば約2000人もの待機者がいます。
だからこそ、蒲谷前市長に対しても吉田市長に対しても「今の第4期の計画は甘すぎる」とフジノは厳しく批判をしてきました。
新たな『第5期計画』では、いくつもの課題を解決しなければなりません。
まず何よりも、介護サービスは、施設か在宅かを問わず量の側面でも大幅に増加させる必要がありますし、質の側面もさらに向上させる必要があります。
必要な介護を受けられない方々がたくさんいる現実を変えなければいけません。
その為には、介護サービスを職業として働いている方々の労働環境の改善も不可欠です。
そして何よりも、こうした取り組みを実現する為の『財源の裏付け』が不可欠です。
フジノは、2006年までは介護保険料の値上げに反対してきました。
けれども、これからの本当に必要な介護が守られる為ならば、市民のみなさまにも介護保険料の値上げもお願いするつもりです。
まずこれから3年間の『第5期計画』がうまくいかなければ、高齢者人口の第1回目のピークにあたる『第6期』を迎えることすら難しくなるのは言うまでもありません。
問題は目の前に迫っています。
9つの検討項目
今日の分科会ではこれから検討される項目案は9つとされました。
(1)計画の基本理念
(2)高齢者へのサービスの現状の評価・課題分析
(3)高齢者福祉のための施策の評価・課題分析
(4)地域包括ケアの内容
(5)要介護認定者数等及びサービス見込量の推計
(6)地域支援事業(介護予防事業等)の内容
(7)特別給付の内容
(8)地域密着型サービスの計画
(9)施設整備の計画
この9つの項目のどれをとっても大切なことばかりです。
議会でもとりあげてきたことですが、『第5期の計画』に向けて、フジノが特に強い関心があるのは、次のようなことです。
(これは事務局=市の意見でなくてあくまでもフジノ個人の問題意識です)
- 医療的ケア(気管切開・胃ろうなど)が必要な方々のサポート体制を充実できるのか?
→改めて、医療と福祉の連携が必要です。
- 施設への入所を待機している方々をどれだけ減らせるのか?
→家族のつながりがもっと薄くなる傾向に向かう中で老老介護や認認介護の現実を変えるには施設を減らすのは難しいです。
- 横須賀には未だゼロのままの夜間訪問介護は実現するのか?
→在宅(自宅)介護を実現するには24時間のフォロー体制が無ければ不可能です。コムスン事件後、横須賀には夜間の訪問介護が無くなりました。これを復活させなければいけません。
- 介護保険制度を使わずに家族で介護をしている方々に対して現金を給付する家族介護慰労金制度はもっと受けやすくなるのか?
→介護サービスではなく家族で介護している方々へ現金を支給するのは、介護を労働として捉える観点からも重要です。国レベルでの結論も必要ですが、横須賀市独自の介護手当の創設が必要です。
- 新たな介護保険料をいくらにするのか?
→くりかえしになりますが、本当に必要なサービスを守る為には保険料を値上げする必要もあります。また、ピークとなる第6期に備える意味でも保険料の見直しは避けられません。
- 安心して長生きできる横須賀に本当に変えられるのか?
いずれにしても、そんな重要なことがらを決めるのが『第5期の介護保険事業計画』なのですね。
こうした最重要の計画づくりが始まったことをどうか市民のみなさまに知っていただきたいと願っています。
まもなく、約3000名の市民の方々に横須賀市から高齢者保健福祉についてのアンケートが送られます。
(抽出で3000名ですので、全ての方には届きません)
ぜひこのアンケートにみなさまの本音の意見を記して下さい。どうかご協力をお願いします。
そして、アンケートが届かない方のほうが圧倒的に多い訳ですが、フジノ宛てにどうかみなさまの意見をぶつけて下さい。お願いします!
(アンケートの後日談を2011年1月28日の活動日記に記しました)