ついにポスターの見本刷りが届きました
ポスター用の写真撮影を16日に終えたのですが、すぐ印刷に回せる訳ではありません。
写真のデータに文字などを入れていく『デザイン』という作業が必要です。
こういう段取りですね。
(1)撮影 → (2)デザイン → (3)印刷
フジノのポスターの場合、「無所属」「藤野英明」「37才」など、わずかな単語しか無いのですが
どんなフォントで、どれくらいの大きさで、何色で、どこにどんな風に配置していくのか、などの細かな作業はやっぱり専門のデザイナーさんでなければできません。
けれども、すでに書いたとおりで、フジノのポスターを過去2回とも担当してくれたデザイナーさんは会社を倒産させてしまった後、消息不明に...。
これまで1ヶ月間ずっと探してきたのですが、フジノにはデザイナーのアテは全くありませんでした。
もしも新たにデザイナーを見つけられたとしても、その人が信頼できるかどうか、全く分かりません。
さらに今回は、「印刷も含めて納期がわずか12日後」というすさまじく厳しい条件付きです。
まさに、絶望的な状況でした。
僕のヒーロー・Mくん、登場
そんな時、Mくんが名乗りをあげてくれました。
かつて『エンマ堂』として知られていたMくんとは、2006年に彼が主催したイベント『詩孫』を通じて出会いました。
共通の友人はいるものの、お互いに全く知らない同士で、最初はピリピリしていました。
でも、それから、1つの場を創りあげるために一緒に活動していくうちに、印象は大きく変わり
やがて『詩孫』が無事に大成功に終わった時には、共に汗を流した仲間としてMくんのことを大好きになりました。
そして、「いつか『詩孫2』をやろう!」と約束したのです。
あの日に感じた『熱』をいつかまた感じたい、と、フジノはずっと願ってきました。
でも、あっという間に5年間が過ぎていきました。
フジノにとってMくんは、お酒を飲んでくれる数少ない大切な友人になってくれたのですが
やっぱりいつか一緒に何かに挑戦したくて、その機会が来るのを心の中でずっと願っていました。
だから、「フジノくん、おれがやるよ」とMくんが言ってくれた時は本当にうれしかったです。
Mくんには、デザインの経験があります。
でも、もちろん、選挙ポスターを作った経験なんてありません。
ちゃんとしたポスターが完成する保証は全くありません。
友達の中にはとても心配して
「今回ばかりは金額が高くても仕方ないから、専門家をとにかく探して頼むべきだ」
と言う人もいました。
でも、フジノは再びMくんと一緒に仕事をできることが純粋にうれしくてたまりませんでした。
Mくんを100%信じて賭けてみたいと思いました。
なんと、わずか2日でデザイン完成!
Mくんとフジノは忙しくて会えなくて、打ち合わせはひたすら、EメールとiPhoneのショートメールだけで行ないました。
ちゃんとできあがるのか、とてもドキドキしました。
それでもMくんはフジノの想いをじっくりと受け止めてくれた上で、予想以上のスピードで完成させてくれました。
わずか2日間です!
16日の夜に写真のデータをMくんに届けたのですが、18日には早くもデザイン完成となりました。
残り時間は、あと10日。
ここからが時間との戦いでした。
次にやらねばならないことは、印刷所へデータを送って完成品と全く同じの見本刷りを作ってもらうこと。
印刷所の心当たりも全く無かったフジノですが、Mくんが印刷所も手配してくれました。
「大阪で印刷所をやっている友人なら必ずやってくれる」
こうして19日に大阪のKくんのもとへデータが届けられました。
もしも震災が起こっていなければ、10日間もあれば何の不安も無かったのですが
今は、関西から関東への発送もふだんよりかなり時間がかかってしまうとのことでした。
「1番早く着くとしたら24日か25日の予定」とのことでしたが、ドキドキしながら到着を待ち続けたものの25日にも届きませんでした。
そしてようやく今日28日、大阪からポスターが到着しました。
明日29日が『選挙管理委員会への提出日』なので、本当にギリギリでした。
今日ばかりは忙しいみんなも集まって、4人で実物を見てみることにしました。
ドキドキしながら、みんなで見守ります。
そして、ついにポスターの見本刷りが!
出来栄えは、100点だと思いました。
過去2回とも引き受けてくれたチームが壊滅して完全にゼロからのスタートだったのが今回です。
唯一、カメラマンの方だけが引き受けてくれたものの、震災が起こったことで撮影中止になる可能性もありました。
無事に撮影ができた後も、デザインを頼める人がいませんでした。
そこにMくんが引き受けてくれることになったものの、選挙ポスター作成の経験はゼロだったのです。
さらに、デザインが完成した後も、印刷所が大阪と離れているが故に提出締切日までに間に合わない可能性もありました。
そして実際に届いたのは、しめきり前日でした。
全て「ムリかもしれない」と覚悟しながら1つずつ何とかクリアしてくることができました。
この経緯を思えば、フジノが願ったとおりに完成したポスターは100点以上の出来栄えだと思いました。
やってできなくてもいいから僕はやってみたい
できるかどうかは、やってみなければ分からない。
やっても、できないかもしれない。
やらないのも1つの道かもしれない。
そんな時、たいていの場合、僕はやってできなくてもいいからやってみたい。
今回のポスター作りも「もうムリだ。作るのをやめよう」と最初は思いました。
それでも「やっぱりやるだけやってみたい」と感じたのです。
そして、たまたま今回はうまくいきました。
でも、もしも何もしなかったならば、うまくいくことはありませんでした。
僕は「逃げなくて良かった」と思いました。
さらに、Mくんと5年ぶりにドキドキするような仕事を一緒にすることができたのが本当にうれしかったです。
たぶん、世の中の99%のふつうの政治家たちは、選挙ポスター1つ作るのにこんな想いをすることは無いでしょう。
1年以上も前にポスターの写真撮影を終わらせてその写真をブログのトップ画像にしてる人もいますし
デザイナーも印刷所もお金をかけて、プロの専門家にお願いしている人ばかりです。
大きな政党の場合には、政党がまとめて発注していて、候補者は写真撮影の場に来るだけでいい、と聴いたこともあります。
でも、フジノは今の僕のやり方が好きです。
ぎりぎりのスケジュールにドキドキしながらも、仲間たちが知恵をふりしぼって問題をクリアしていく。
だって、そもそも選挙ポスターなんて「存在する必然性は無い」のです。
本当は無い方がいい。
でも、今はある。
それならば、フジノはポスター1つであっても、そこに全身全霊を賭けて自分の想いを反映したいのです。
4月17日に、市内638ヶ所の掲示板にそんなフジノのポスターが貼り出されるはずです。
ぜひみなさま、観て下さいね。