介護職等による「たんの吸引」「経管栄養」の実施の検討会へ
今日は東京・新橋にある『航空会館』へ。
『介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会(第8回)』
を傍聴してきました。
『たん吸引』『経管栄養』は、医師・看護師だけが行なうことを許されている『医療行為』なのですが
現実的には、介護職員の方々はこれらをすでに実施しています。
(そしてフジノはこれを正しいと考えています)
「医療行為だから医療職しかやってはいけない」という法律と「医療行為であれど介護職もやらざるをえない」という現実との大きな『みぞ』を埋める為に
つまり、介護職員の方々がこれらの行為を違法ではなく実施できるようにする為に、どのような制度の改正を行なうべきなのかを議論している厚生労働省老健局による審議会です。
フジノは毎回必ずこの検討会を傍聴しています。
(理由はこちらをご覧ください)
去年7月に第1回目が開かれたので、フジノがこの審議会を追い続けてまもなく1年になります。
1年間にわたってこの審議会を追い続けてきた中で、今日は最も違和感を覚えました。
2週間前の6月15日、国会で『改正介護福祉士法』が成立して、来年4月1日からは正式に『たん吸引』『経管栄養』を介護福祉士等が実施できるようになりました。
(画像:改正介護福祉士法のうち、関係している部分)
けれども、『検討会』がスタートすると、このことに対して、多くの委員から批判が続出しました。
「制度の在り方を検討するのが私たちの役目なのに厚生労働省から法改正の前に私たちに説明が無かった」
というのが、委員の怒りの理由です。
そして、約2時間の会議の時間のほとんどが、この意見についてばかりになってしまいました。
委員のみなさんにとってはメンツが潰された形かもしれませんが、『たん吸引』『経管栄養』実施の介護職等への解禁を家族の立場としてずっと求めてきたフジノにすれば
改正法が成立したことは喜ぶべきことであって
厚生労働省による事前の説明が無かったことは問題でも、大切な検討会で「事前説明が無かったこと」ばかりを騒ぎ立てるのはあまりにも時間がもったいないです。
(画像:検討会の様子)
法改正がなされたとはいっても、法律には大雑把なことしか書いてありません。
正式には9月に公布される予定の『厚生労働省令』に、具体的なことが書き込まれなければいけません。
厚生労働省令の中身が『後退』したものであれば、法改正だけされても『前進』したとはいえません。
だから、委員のみなさんには省令の策定に向けて、議論すべきことをしっかりと議論してほしいとフジノは感じました。
結局、今回の検討会ではわずかな時間しか議論ができず、改めて次回(7月)の検討会で議論を行なうことになりました。
予定では、次回がこの検討会のラストです。
わずか2時間の検討会で省令案の策提案までたどり着けるのか、心配です。
次回もフジノは検討会に立ち会って、議論の行方をしっかりと見つめてきます。