べてるの家の「当事者研究」を横須賀で実現しよう!
今日は、午後から汐入の総合福祉会館へ。
『浦河べてるの家』から向谷地宣明さんをお招きしての『当事者研究』が行なわれました!
『当事者研究』という言葉は、精神保健医療福祉の業界では今や知らない人がいないほどになりました。
いろいろな解説があらゆる本などで行なわれていますので『フジノ流の解釈』で、ひとことで説明したいと思います。
- 今まで、病気の診断はドクターが行なうものだとされてきた。
- けれども、自分の病気は誰よりも当事者である自分こそが一番知っているはず。
- だから、自分の病気を自分自身で研究して、自分で名付けてみることで、自分がもっと生きやすくなる方法が見つかる!
これが『当事者研究』です。
10年ほど前に『浦河べてるの家』でスタートしたこの取り組みは基本的なルールさえ押さえれば誰でも取り組めることもあって、今では全国のあらゆる場所で実践されています。
東京大学との共同での取り組みや、さらには英語に翻訳されて他国でも取り入れられています。
月刊誌『こころの元気プラス』に連載コーナーがあって『べてるの家』による連載『レッツ!当事者研究』はとても人気があります。
その連載を単行本にまとめたものもこれまで2冊、出版されています。
今や世界的な広がりを見せているこの『当事者研究』の第一人者であるとともに普及の為の先頭に立っているのが、向谷地宣明さんです。
すでに3年前から神奈川県内では複数のまちが取り組みを始めています。
横浜では市社会福祉協議会と協働で、相模原でも『相模原・町田べてるの集い』が発足して、かなりの回数が行なわれています。素晴らしいです。
そんな中、「横須賀でも『当事者研究』を実践していこう」という活動を一生懸命行なっているグループの方々が向谷地さんをお招きしたのですね。
とてもいい取り組みで、フジノはすごくうれしく感じます。
今日は、まず当事者研究をはじめとする『べてるの家』の理念を語っていただきました。
次に、会場の参加者の方々の中から『当事者研究』に挑戦したい方々に手を挙げていただいて
その中から選ばれたAさん(50代・男性)の『当事者研究』を実際にみなさんの前で行ないました。
べてる流に、大いに笑いありの当事者研究でした。
この動きが横須賀に深く根付くことを願っています。
フジノからも終わりにひとことお話させていただきました
さて、主催者の内藤さんからフジノは依頼を頂いて『終わりのあいさつ』としてひとことお話させていただきました。
フジノがお話ししたことは、下の通りです。
フジノから終わりのあいさつ
NPO地域精神保健福祉機構(通称コンボ)の理事をしている藤野英明と申します。
今日はひとこと『コンボ』の紹介をしてほしいと内藤さんに言っていただきました。
『NPO地域精神保健福祉機構』は、リカバリーをすすめることを目的に活動を続けています。
全国で8000人の会員がいますが、来年2月でスタートから5年になります。
毎年1回、『リカバリー全国フォーラム』という当事者・家族・支援者の枠を超えて全国から1000人規模で集まるお祭りを開いています。
僕も『ピアサポーターの部屋』という分科会を精神医療サバイバーの広田和子さんとぜんせいれんの有村律子と3人で担当しています。
今年は毎月1回、『こんぼ亭』というイベントも開いています。
昨日の『こんぼ亭』では向谷地さんのお父さんに講師として来ていただいて、『恋愛大研究』というテーマで開催しました。
さらに、NPOコンボで1番有名なウリは月刊誌の『こころの元気プラス』の発行です。
今日みなさんが体験した『べてるの家の当事者研究』も連載されています。
さらに毎号、当事者のみなさんに表紙モデルになってもらっています。
2号前は横須賀の女性が表紙になりましたが、来年3月号では横須賀市内の『アトリエ夢喰虫』に通っておられる方が表紙モデルとして登場してくださいます。
とても素敵な雑誌ですが、1年間5000円で12冊送られてきます。
実は、3人1組で購読してくださるとグループ割引で1年間4500円になります。
通っている作業所などを宛先にしてぜひ3人1組で購読して下さいね。お得です。
みんなでつながって、リカバリーを進める為にもぜひNPOコンボに参加してくださいね。
さて、向谷地さん、今日は本当にありがとうございました。
個人的なお話を1つさせていただきますとWHOのベストプラクティスにも選ばれたべてるの家と僕が出会ったのはもう10数年前になります。
それから9年前に八王子のぱおが開催しているべてるまつりに行ってから「横須賀にべてるの家を招きたい」とずっと願ってきました。
そこで出会った、下野さんのギターが大好きでした。
今年亡くなってしまったのがとても残念です。
松本さんからは「僕は当事者のプロだけどフジノさんは何のプロなの?」と言われて、今も迷い続けています。
それが今日、内藤さんをはじめとするみなさんのがんばりでついに向谷地さんを横須賀にお招きすることができました。
僕の9年越しの夢が叶いました。
僕の次の夢は「横須賀で当事者研究を根付かせていくこと」です。
お隣の横浜市では「当事者研究」が定期的に続いていますし、相模原でも続いています。
ぜひこの横須賀でも『当事者研究』を進めていきたいです。
今日だけに終わらせない為にもこれからも定期的に当事者研究を続けられるように、どうか会場にいらしたみなさま、ぜひご協力をお願いします。
内藤義晴さん、今日の為に尽力して下さって本当にありがとうございました!
そして、おつかれさまでした。
この動きがずっとずっと続いていくようにフジノも力を尽くしたいと思います。
どうか三浦半島に暮らす精神疾患のあるみなさま、一緒に『当事者研究』に挑戦してみませんか!?