「若年性認知症に特化したサポーターの養成」が示唆されました
本日の教育福祉常任委員会で、フジノは若年性認知症について3つの視点から質問をしました。
- 若年性認知症の当事者・家族への支援は新年度どのような方針で行なうのか
- 若年性認知症そのものを知ってもらう啓発は新年度どのように行なうのか
- 若年性認知症と接点がありうる警察・司法の関係者に研修を実施すべきではないか
実際の質疑応答を文字起こししたものを下に掲載します。
Q.フジノの質問
若年性認知症講演会の開催に関連して伺います。
若年性認知症に対する取り組みに本市が本腰を入れていただいて、多くの方々が感謝をしていると思います。
講演会も先日行われたばかりですが、新年度において若年性認知症であると既に診断されておられる方々や、その御家族への支援はどのような方針で行なうのでしょうか。
A.高齢福祉長の答弁
これまで若年性認知症の取り組みというのは、予算として計上してきませんでした。
ただ、平成23年度、先日もつどいを行なった訳なのですが、今までは県の家族の会のつどいということで、横浜市とか川崎市まで行かなければなりませんでしたが、横須賀市を拠点とした若年性認知症のつどいを横須賀市で開催する、そういうことをバックアップする。
またこのように予算に上げさせていただきましたが、講演会を横須賀市が行なうという形で支援していきたいと考えています。
Q.フジノの質
続いて、若年性認知症そのものへの周知啓発について伺います。
まだ国内で3万人でしょうか、非常に人数も少ないということで、若年性認知症についてまだ分かっていない方々というのはたくさん--ほとんどの方がそうだと思うのです。
そこに対して横須賀市として、若年性認知症そのものについての周知というのはどのように行なっていくのでしょうか。
A.高齢福祉長の答弁
平成24年度は講演会ですが、中期的な見通しのもと、例えば周知を図る年--講演会が周知を図る1つの手段になると思います。
また、若年性認知症をサポートする方を先々養成するというようなことも視野に入れて支援に取り組んでいきたいと考えているところです。
Q.フジノの質
若年性認知症という症状に一般の方々が出会う機会というのは少ない。
例えば茅ヶ崎市の職員でピック病であるがゆえに万引きをしてしまい、万引きをした事実自体を覚えていなくて裁判になってしまって、人事委員会とのやりとりの中で退職を余儀なくされて、最終的にはピック病とわかって無罪になったのですが、
そういったように犯罪の現場ですとか警察の方ですとか司法の方が若年性認知症の方と出会う機会があるのではないかと僕は思います。
そういった方々に対しても、研修というか、若年性認知症の存在を知っていただくための取り組みを行nっていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
A.高齢福祉長の答弁
確かに委員がおっしゃるように、そういう専門家が若年性認知症と接する機会が多いかもしれません。
そういう方への周知も必要だと思いますが、まず若年性認知症だと一般の方にまず理解されにくいということもありますので、まずは一般の方への周知から進めていきたいと考えているところです。
今回の質疑で最も注目すべき点は
若年性認知症をサポートする方を先々養成するというようなことも視野に入れて支援に取り組んでいきたい
という高齢福祉課長の答弁です。
今までは、圧倒的に人数の多い、高齢の認知症になった方々の支援がメインでした。支援者の養成も高齢の認知症の方々が対象でした。
けれども今日初めて、将来的には若年性認知症に特化したサポーターの養成に取り組みたいという意向が示されました。
フジノとしては本当にうれしい答弁です。
若年性認知症は、全体の中でみればとても数が少ない。
けれども、若くして認知症を発症した方は一家の大黒柱であることが多く、職場を退職せざるをえないなどによって家族の生計が立たなくなることもあります。
たとえ数は少なくとも、本人・家族の苦しみの深刻さは決して変わりません。もしかしたら、高齢の方々の認知症よりも大変な側面もあるかもしれません。
若年性認知症に特化した支援者の養成がなされるとしたら、大きな前進です。
横須賀市にはこの方向性をぜひ実現に向けて検討していただきたいです。とても強く期待しています!
後日追記:翌2013年から「若年性認知症支援者講座」がスタートしました!
(2013年に追記しています)
上の質疑を行なってから1年後に、若年性認知症に特化した支援者を養成する講座を横須賀市がスタートしました。
本当に良かったです!