我が国の自殺対策は「エビデンス」のある取り組みを明らかにしていかねばならない/第9回日本うつ病学会総会「今こそ問う、うつ病のパースペクティブ」

第9回・日本うつ病学会へ

今日は、東京・新宿の京王プラザホテルへ向かいました。




年に1度の『日本うつ病学会総会(第9回)』に参加する為です。

第9回日本うつ病学会総会

第9回日本うつ病学会総会


今回のテーマは

『今こそ問う、うつ病のパースペクティブ』

でした。

とても重要なテーマです。



自殺対策のセミナー・講演に参加しました

フジノは、自殺対策に関するセミナーを中心に参加しました。

ランチョンセミナー『現代日本のうつ病を解剖する~自殺予防への貢献を目指して~』、演者、坂元薫さん。










続いて、教育講演に参加しました。

『気分障害の精神病理と司法精神医学』、演者は、中谷陽二さん(筑波大学名誉教授)です。





自殺対策委員会企画シンポジウム「自殺予防のエビデンス」へ

最後に、自殺対策委員会企画シンポジウム『自殺予防のエビデンス』に参加しました。

河西千秋先生がオーガナイザーを務めて、6名の方が登壇されました。

エビデンスとは、証拠のことです。

我が国で実施されているたくさんの自殺対策は、どれも「本当に効果があるのか」は証明されないままに実施されています。

というのも、これまで日本ではほぼ全く『自殺対策』そのものが存在していなかったからです。

エビデンスを明らかにできるほどの対策も無いし、あってもそれは個人やNPOなどの取り組みによるものくらいだったからです。

河西先生らは、本当に自殺対策を有効なものにする為に、こうした研究を行なって発表された訳です。

日本の自殺対策は2006年にスタートしたのですが、もはや闇雲に取り組む時期は過ぎました。

明らかなエビデンスのある対策に、自殺対策に充てられる限られた資源(限られた財源・限られた人材)を集中的に投下していくべきです。




『精神療法と自殺予防』張賢徳さん




『自殺予防のために薬物療法によってできることは何か』渡邉衡一郎さん




『地域保健と自殺予防』大塚耕太郎さん




『メディアと自殺予防、あるいは魔法の鈴』太刀川弘和さん







『わが国の自殺対策立案に必要な妥当性の高い根拠を創出する』山田光彦さん





「心理教育」の分かりやすい絵本と出会いました

続いて、展示コーナーをのぞいてみました。




書籍販売コーナーで、偶然とても良い本を見つけました。

『Can I catch it like a cold? Coping with a parent’s depression』

Can I catch it like a cold? Coping with a parent's depression

Can I catch it like a cold? Coping with a parent’s depression


絵本を使って幼いこども向けに精神疾患について語りかける、いわゆる『心理教育』の為の絵本です。

日本にもこういう本があれば良いのに!

素晴らしい内容なのですが、写真だけでごめんなさい。

後日、改めてもう少し詳しく報告します。



後日談:日本でもまさに「プルスアルハ」さんたちによって、こどもたちの為の絵本作りが始められました!

こちら(2014年のブログ記事)に書いたように、日本でもまさに同じ動きがスタートしました。

『プルスアルハ』さんというユニットによって作成されている絵本の数々は、まさに上の本と同じ想いで作られたものでした。

本当に嬉しいです!



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