「自殺総合対策大綱」が閣議決定されました!
本日の閣議で、『自殺総合対策大綱』が正式に閣議決定されました。
2007年6月に初めて作られた『大綱』が初めて見直しされました。
サブタイトルとして「誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して」と付けられました。
官房長官による記者会見では、次のように述べられました。
自殺総合対策会議の開催について
次に、本日、『自殺総合対策会議』を開催しました。
ここでは『自殺総合対策大綱』の見直し、それの閣議決定案について決定し、その後の閣議において『大綱』を正式決定しました。
見直し後の『大綱』では、「誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現」を目指すこととし、地域レベルの実践的な取組を中心とする自殺対策への転換が必要であるとしています。
具体的施策として、近年自殺死亡率が高まる傾向にある若年層に向けての対策、それから自殺のリスクが著しく高い未遂者向けの対策について重要性を指摘するとともに、様々な主体間の連携・協働を進めることとしています。
新たな大綱の下で、一人でも多くの方の命を救うため、関係省庁で連携して自殺対策に一層強力に取り組んでまいります。
詳細、内閣府自殺対策推進室にお問い合わせを願いたいと思います。
記者会見ではわずかな情報しか語られませんでしたので、以下に注目すべき点をご紹介します。
初めて性的マイノリティが「大綱」に明記されました
記者会見では触れられませんでしたが、今回見直しされた『大綱』で最も注目すべきことがあります。
それは、セクシャルマイノリティ(性的マイノリティ・いわゆるLGBTQ)について初めて『大綱』で明記されたことです。
各団体と全国の当事者・関係者のみなさんの働きかけによって実現した、素晴らしいことだと評価しています。
触れられたのは3ヶ所です。
4.関係者の連携による包括的な生きる支援を強化する
自殺は、健康問題、経済・生活問題、人間関係の問題のほか、地域・職場の在り方の変化など様々な要因とその人の性格傾向、家族の状況、死生観などが複雑に関係しており、自殺に追い込まれようとしている人が安心して生きられるようにして自殺を防ぐためには、精神保健的な視点だけでなく、社会・経済的な視点を含む包括的な取組が重要である。
また、このような包括的な取組を実施するためには、様々な分野の人々や組織が密接に連携する必要がある。
例えば、うつ病等自殺の危険性の高い人や自殺未遂者の相談、治療に当たる保健・医療機関においては、心の悩みの原因となる社会的要因に対する取組も求められることから、問題に対応した相談窓口を紹介できるようにする必要がある。
また、経済・生活問題の相談窓口担当者も、自殺の危険を示すサインやその対応方法、支援が受けられる外部の保健・医療機関など自殺予防の基礎知識を有していることが求められる。
こうした連携の取組は現場の実践的な活動を通じて徐々に広がりつつあり、また、自殺の要因となり得る生活困窮、児童虐待、性暴力被害、ひきこもり、性的マイノリティ等、関連の分野においても同様の連携の取組が展開されている。
今後は、国、地方公共団体、関係団体、民間団体等で連携を進める際、自殺対策に関連する様々な関係機関・団体のネットワークだけでなく、これら関連分野の関係機関・団体又はそのネットワークとの連携体制を確立して、より多くの関係者による包括的な生きる支援を展開していくことが重要である。
(4)自殺や自殺関連事象等に関する正しい知識の普及
自殺や自殺関連事象に関する間違った社会通念からの脱却と国民一人ひとりの危機遭遇時の対応能力(援助希求技術)を高めるため、インターネット(スマートフォン、携帯電話等を含む。)を積極的に活用して正しい知識の普及を推進する。
また、自殺念慮の割合等が高いことが指摘されている性的マイノリティについて、無理解や偏見等がその背景にある社会的要因の一つであると捉えて、理解促進の取組を推進する。
(2)教職員に対する普及啓発等の実施
児童生徒と日々接している学級担任、養護教諭等の教職員や、学生相談に関わる大学等の教職員に対し、自殺の危険性の高い児童生徒等に気づいたときの対応方法などについて普及啓発を実施するため、研修に資する教材の作成・配布などにより取組の支援を行う。
自殺者の遺児に対するケアも含め教育相談を担当する教職員の資質向上のための研修等を実施する。
また、自殺念慮の割合等が高いことが指摘されている性的マイノリティについて、無理解や偏見等がその背景にある社会的要因の一つであると捉えて、教職員の理解を促進する。
ぜひみなさまにも『大綱』の全文をご覧頂きたいと思います。
詳しくはこちらのリンク(自殺対策推進会議)をご覧ください。