神奈川県の「保健医療対策推進会議」へ
2日目となった教育福祉常任委員会を終えて、雨の中を大急ぎで横浜へ向かいました。
みなとみらいの夜景が美しく見える波止場会館が会場です(画像は、トイレの窓から撮った写真です)。
神奈川県の『保健医療計画』を策定する為の審議会である『神奈川県保健医療計画推進会議』の第3回です。
8月に開催された前回に続いて傍聴しました。
会場に着くと、傍聴者がフジノの他に初めてもう1人いらっしゃいました。なんと、NPO地域精神保健福祉機構(略称コンボ)やあらゆる活動を通して仲良しの、広田和子さん(精神医療サバイバー)でした。
広田さんは、『医療計画』とも深い関わりのある、国の『精神科医療の機能の分化と質の向上に関する検討会』の審議会メンバーでもあり、傍聴に来て下さったことは、とてもうれしかったです。
残念ながら不毛な会議でした・・・
この先5年間の保健医療福祉にとって重要な計画づくりなので、フジノとしては毎回気合いを入れて傍聴しているのですが、残念ながら、前回に続いて今回もとても不毛で意味の無い会議でした。
5つのプログラムのうち、3つに対しては事務局の説明を聴いて質疑なし。
特に、新しい『第6期医療計画』(2013年スタート)を作る上で重要な現在の『第5期計画』(2012年まで)の取り組み状況については、前回の会議で「資料が必要だ」とある委員が求めたから事務局がこの資料を作ってきたのに、それにも関わらず意見ゼロでした。
現在の『計画』の結果や成果をきちんと反映させずに、新しい『計画』を作ることなんてできないはずです。
そして、とにかく発言者が少ない。
発言したのはいつものメンバー(医師会、歯科医師会、市民公募、精神科病院協会)のみ。
委員のうち6名は1度も発言しませんでした。
県レベルの規模の団体の代表という立場で参加している訳ですからこの場で発言がゼロということは、その団体には『意見が存在しない』ということになるのに、そんなことでいいんですか!?
「骨子」の決定はなされたものの、深い議論はありませんでした
今夜はまず『骨子』の決定を行なって、続いて『素案たたき台』の議論を行なう予定でした。
『骨子』については前回に続いて今回も、黒岩知事がゴリ押しで進めたい肝いり政策に対して医師会が反論を繰り返しました(この対立は医師会が正しいです)。
あとは、他の委員に指摘された文字づらの修正だけで、内容そのものについての議論にはなりませんでした。
そして、「県議会の厚生常任委員会(10月1日)に報告しなければならないから」という事務局側の理由で、前回と今回のわずか2回だけで『骨子』を決定してしまいました。
続いて『素案たたき台』については今夜は、4つの分野について議論されるはずでした。
- 総合的な救急医療体制
- 小児医療対策
- 周産期医療対策
- 災害時における医療体制
しかし、どのテーマについても具体的な議論はほとんど無し。
どの1つのテーマも、現場では本当に大切な医療です。
2013年から2017年までの医療体制を決める計画を作る場です。
いのちがかかっている大切な『保健医療計画』づくりの重みを委員会メンバーが本当に全く自覚できていない。すごく不快な会議だったです。
こんなことでは絶対にダメだ!
フジノはかなり怒っています。
2013年度からスタートする新たな『医療計画』については改定の為の指針を作る国の審議会からフジノはずっと傍聴してきました。それは、今回の改定によって『精神疾患』と『地域医療』の大きな改革のスタートになるからです!
その為に、せっかく国が指針作りをしっかりがんばったのに、県レベルでそれを潰してしまってどうする!!
今後も県の動きを追いかけ続けますが、どうかこの審議会がもっと本質的な議論を行なってほしいとフジノは強く願っています。
絶対に議論を活発化させてほしいです
審議会が終了した後で、県の保健医療部長と少しだけ意見交換することができました。
県の保健医療部長は、先ほど記した国の審議会で自治体を代表する立場でメンバーにも加わっておられましたし、8月に東京大学で開催された実効性のある『医療計画』づくりについてのシンポジウムでも3人の自治体代表の1人として講演もされました。
だから、わずかな時間ではありましたが、意見交換をしてみて
「ああ、やっぱりこの方は『医療計画』の重要性を十分認識しておられるのだなあ」
と感じました。
事務方のトップは深い認識を持っておられるのだから、なんとかそれが審議会の議論の進行にも活かされるようにしてほしいです。
第4回目の開催は、10月の予定です。
次回こそ、保健医療についての市民目線での、これから5年間の神奈川県の保健医療の在り方が議論されることを強く期待しています。