昨日の教育福祉常任委員会で、救急医療センターの工事に関する補正予算案(3596万円増)の説明がなされました。
震災に強い建物とするため、地質調査の結果を受け、液状化対策として建物地下の杭及び基礎の強化を行う必要が生じたことから、その費用を補正予算へ計上する。また、その財源とし て、歳入予算も補正する。
そこでフジノは『救急医療センターと液状化の問題』について再び取り上げました。
(フジノ) 救急医療センター建設事業について御説明をいただきました。 今回、平成23年度に実施した地質調査の結果によると、想定以上に液状化の可能性が高いということと、傾斜面が非常に強かったということが今回の工事の理由になっております。 これを拝見しますと、それこそ泥岩層が斜目になっていて、斜面地にマンションを建てるようなイメージがあります。 今回この工法を行ったとして、液状化が想定される層については液状化が防げるのか、そこをまず確認したいと思います。 |
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(地域医療推進課長) この工事を行ったことで液状化が防げるものではありませんけれども、液状化が起こったとしても建物には影響がない構造にするということでございます。 |
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(フジノ) 課長の御答弁を伺いますと、埋土層、それから沖積砂質土層、沖積粘性土層については、主に砂のすき間の多い地層については液状化が起こると伺いました。 これについて、工法として今回ケーシングを行ってくいを太くして、また鉄筋を巻くことで『建物そのもの』は被害を受けることは無いということですが、やはり「液状化そのものは防げない」ということなので、他の工法についても検討すべきではなかったのか。 例えば、今、土木学会などで認められているものは、上から非常に大きな圧力、例えば重しを落とすというような形で固めていく。そうすると、砂のすき間ができているものが押し込められて密度がぎゅっと、固まれば固まるほど液状化が防げると言われています。すき間を減らして液状化そのものを防ぐ工法については検討なさらなかったのか、お聞かせいただきたいと思います。 |
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(地域医療推進課長) 委員のおっしゃった工法というのは、例えば駐車場のようなところで上に構造物がない場合に、そこの沈下を防ぐためには有効な工法かと思います。 今回の救急医療センターの場合には、この上に実際に建物が建ちますので、その下に液状化があったとしても、その液状化の部分が下がるとか、あるいは水が噴き出るということは防げますので、今回の地層については、この工法が適切であると思っています。 |
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(フジノ) 今の課長の答弁と少し僕の見解は違うのですが、住宅地などでも、新たに住宅を建築する際に敷地部分を固めて、そしてその上に構造物を建てて液状化自体を防ぐというものもあります。 こういったものについては検討されなかったのでしょうか。 |
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(地域医療推進課長) 今の委員のお話ですと、一般住宅の場合には実際に下までくいを打つことは余りないと思いますので、その土地自体に住宅の重みを持たせるという意味合いがありますので、委員が指摘されたような地質をそのものを強化する工法が適当だと思います。 今回は、上に非常に重い鉄筋コンクリート2階建ての建物が載りますので、その重さを地盤だけでさせることは不可能ですので、今回のような、くいを打って支える工法になると思います。 |
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(フジノ) わかりました。 それに関連して伺いたいのですが、平成23年度実施の地質調査の結果を受けても、震度6以上では液状化が起こると。この地層というのは救急医療センターの建物部分だけではなくて、新港埠頭全域にわたるわけです。 かねてから本会議でも市長に指摘してまいりましたが、仮に救急医療センターの建物そのものがくいによって守られたとしても、周辺の道路の液状化は免れることはできない。 道路が液状化してしまえば、災害時に救急医療センターが孤立化して、使えないことも起こり得る。 これまでの市長らの答弁では、土木部が優先して救急医療センター周辺の道路を補修するということでしたが、災害時にそんなことが実際に可能なのか非常に問題を感じています。 この点については、そのほかにはどのような対策を考えておられるのでしょうか。 |
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(地域医療推進課長) まず、道路の復旧の件ですけれども、先週開かれた防災体制等整備特別委員会の土木部の説明で、地震があった場合に優先して開く道路を何路線か決めております。 その中で、救急医療センターの前の道路も優先して復旧する道路に含まれておりますので、土木部を中心に適切な復旧作業が迅速に行われると思っております。 |
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(フジノ) その点については僕も承知しております。 ただ、それが本当に災害時にどの程度優先されるのか、実際に起こってみなければわからない。そういうリスクが高い状態で建築を進めるのは疑問を感じます。 健康部としては、この救急医療センターが災害時にもより活用しやすい形になるように、土木部等により一層の対策をぜひ求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 |
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(健康部長) 今後、この工事を進めていくに当たってどんな方法がとれるのか等については、土木部ともよく話合いながら進めていきたいと思います。 |
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(フジノ) 医師会長とお話をした時にも、液状化の問題については横須賀市と神奈川県が適切な対策をとってくれると信じているというお話でした。そうした信頼を決して損なわないように、ぜひ対策をお願いいたします。 |
救急医療センターの建物そのものは、今回の工事によって液状化の影響を受けないとのことです。
しかし、守られるのはあくまでも『救急医療センターの建物』に過ぎません。
そのまわりの道路は液状化します。
液状化が起こるような震災が発生すれば、怪我人も相当するにのぼると思われます。
救急医療センターに搬送すべき負傷者を、本当に搬送できるような交通アクセスが確保できるのか、疑問です。
今後もこの問題について取り上げ続けていきます。