世界自殺予防デー2012、今年は市内3駅で街頭キャンペーンを行ないます!
本日は、毎年恒例の『自殺予防週間の街頭キャンペーン』です!
『世界自殺予防デー』(9月10日)と『自殺予防週間』(9月10日~16日)にあわせて、2008年から横須賀市では毎年、街頭キャンペーンを行なってきました。
今年は、追浜駅・久里浜駅・横須賀中央駅の3駅でリーフレットを配布して『ゲートキーパー』の重要性についてをお伝えしていきます。
下の写真でフジノが着ているTシャツは横須賀市の自殺対策シンボルマークであるカタバミです。
みんなでこれを着て、街頭に立ちます。
街頭キャンペーンでお配りしたもの
お配りしたリーフレットはこちらです。
- あらゆる相談先を見やすく網羅した冊子である『よこすか心のホットライン』の最新版
- 『自死遺族の分かち合いの会』のお知らせ
- 『ゲートキーパー養成講座』のお知らせ
- 『最近、眠れていますか?』
- ティッシュ
これまでの街頭キャンペーンでは「1人で悩まないで」というテーマで行なってきたのですが、今年は新たに「ぜひあなたもゲートキーパーになって下さい」ということを前面に打ち出していきました。
朝一番で、追浜駅から街頭キャンペーンスタート
まずは朝一番で、追浜駅へ。
今年は3ヶ所を1日でまわる、というハードスケジュールです。
- 10時~ 追浜駅
- 14時~ 京急久里浜駅
- 17時~横 須賀中央駅
9月に入ったとはいえ、暑い暑い!
果たしてフジノは3ヶ所全てを完走できるのでしょうか?
まず追浜駅、無事に終わりました。
たくさんの方々にリーフレットを受け取ってもらうだけでなく、何人もの方が足をとめてお話をじっくり聴いて下さって、とてもありがたかったです。
内閣府は『ゲートキーパー』の定義をこむずかしく説明していますが、本当は別に特別なことでも何でも無いのです。
あなたの大切な人がふと、こんな声を漏らした時に
「最近、なかなか寝つけなくて」
「眠りについても夜中に何回も目が覚めちゃうんだ」
その声にじっくり耳を傾けて
「あら、それは『不眠』の兆候かもしれない」
と、あなたが早い段階で気づけて
「保健所に相談できる電話窓口があるからいちど一緒に電話をかけて相談してみようよ」
と声をかけてあげられたら、それはもはや完璧な『ゲートキーパー』なのです。
2ヶ所目は、京急久里浜駅前で街頭キャンペーンです
さて、お昼ごはんを食べて少し休んだ後、タフマンを飲んで次の会場である京急久里浜駅前へ。
今年のターゲットは、通勤・通学中の方々では無くて日中外出できるお買い物客の方々やリタイアされた方々です。こうした方々に『ゲートキーパー』になっていただくことが狙いです。
フジノがツイッターで街頭キャンペーンをお知らせしたのを読んで、久里浜駅に手伝いに来て下さった市民の方がいらっしゃいました。ありがとうございました!
14時という一番暑い時間のスタートでしたが、みんなで汗だくになりながらも京急久里浜駅も大成功に終わりました!
ラストは横須賀中央ワイデッキでの街頭キャンペーンです
さあ、最後は横須賀中央駅です!
吉田市長も合流してくれました。
今では全国のあらゆるまちで街頭キャンペーンが行なわれていますが、市長や知事などのトップが一緒に立つまちは多くありません。
一方で横須賀市では2008年のスタートから蒲谷前市長も吉田市長も必ず参加しています。
「自殺対策にはトップの意識こそが重要だ」
と言われていますが、どんなに公務が多忙であっても必ず参加するという歴代市長の姿勢があるからこそ、横須賀の自殺対策は少しずつ成果をあげているのだと思います。
余談その1
ところで余談なのですが...。
「もしかして、うちの大学に来てくれた人じゃないですか?」とフジノに声をかけてくれた学生さんがいました。なんと、1度だけ講義に行った日本社会事業大学の学生さんがフジノに気づいたのです。
街頭キャンペーンの時には市民の方でさえ、フジノがフジノであることに全く気づきません。こんな姿なのですから。
↓
90分間の講義をしただけなのに、薄暮時にリーフレットを配っているのがフジノだなんてよく気づいたなあ。すごい。
余談その2
ワイデッキの上で配るメンバーが大半だったのですが、フジノはエスカレーターの下で配りました。健康部長とフジノのタッグで配っていたんですが、ものすごい数を配ることができました。
金曜日の帰宅ラッシュの時間であることもあって、横須賀中央駅では用意しておいたリーフレットを予定時間になる前に、完全に全て配り終えてしまいました。フジノと健康部長タッグの活躍は大きな貢献をしたと自負しています。
こうして、マラソンのような暑い1日が終わりました
健康づくり課長と課長補佐とフジノの3人は、朝から夜まで3つの駅全てでリーフレット配布を行いました。
フジノは、自分も含めたこの3人をとても褒めてあげたいと思います。
本当に暑かったです!頑張りました!
参加してくださった全てのみなさま、特に市民ボランティアの方々にはこころから感謝しております。
今日1日、本当にみなさまお疲れ様でした。そして、受け取って下さった市民のみなさま、ありがとうございました!
街頭キャンペーンをやる意味とは?
こんな言葉を、毎年、市民の方に言われます。
「今すぐに自殺してしまいそうな人に街頭キャンペーンなんて届かない。こんなことやって何になるんですか?」
そして、フジノ自身もその問いかけについて、いつも自問自答してきました。その答えは、今はハッキリ持てるようになりました。
「街頭キャンペーンをすれば今すぐ何かが変わる」なんて簡単にはフジノは考えていません。
むしろその逆で、日頃、精神保健福祉活動は地道に、地道に、毎日行なわれています。
保健所での相談、訪問してのアウトリーチ活動、自殺未遂をされた方々のその後の生活支援など、あらゆる活動を毎日行なっています。
日頃の地道なそうした活動を、市役所や保健所ではなくてあえて街頭に出て、市民のみなさまに知っていただく為に街頭キャンペーンを行なっていくのだ。
キャンペーンの意味を、フジノはそう考えています。
例えば、まだまだメンタルクリニックや精神科病院は敷居が高くて、初めて受診する人には勇気が必要かもしれません。でも、保健所であれば、プロの精神保健福祉士や精神保健福祉相談員の保健師に誰でも無料で相談することができます。
敷居は低いですし、お金もかかりません。おトクですよね?
こういう大切なことって、なかなか知られていないのです。
そうしたことを1つ知っていただけるだけでもキャンペーンを行なう大きな意味があるとフジノは信じています。
今年の上半期(2012年1月~6月)の横須賀市の自殺による犠牲者数は、34名でした。
例年よりも犠牲者が減った昨年の同時期(2011年1月~6月)も同じく34名でしたので、このままで推移すれば、1996年以来、初めての年間の犠牲者数が70人台にとどまる可能性もあります。
減っていることは、良いことです。
でも、絶対に気を緩めることはありえません。
1名でも犠牲者が出ている限りは僕たちは負け続けているのです。
だから、ゼロになるその日まで絶対に諦めません。
そして、ゼロが毎年当たり前のように繰り返される日が来るまで、活動を続けていきます。
『世界自殺予防デー』であろうが無かろうが『自殺予防週間』であろうが無かろうが、「毎日が自殺予防デー」との想いで全身全霊をかけて横須賀の自殺を減らすために頑張っています。
どうか市民のみなさまにも一緒に協力していただいて、1人でも多くの方にゲートキーパーになっていただけますように...。
そして、このまちから自殺をゼロにできる日が1日でも早く来るように、どうかあなたも力を貸して下さいね。