事故が起これば大きな被害を広範囲にもたらす原子力空母
4年前の今日、アメリカの原子力空母ジョージ・ワシントンが、横須賀を母港とする為に入港しました。
原子力空母の動力源には、原子炉2基(推定120万kw)を積んでいます。何らかの事故が起これば、すさまじい被害が起こると予測されています。
政治家の仕事は、いのちを守ることです。だからフジノは、原子力発電所の存在に反対しているのと全く同じ理由で、原子力空母が存在していることに反対してきました。
そしてこれからも、できうる限りのことをしていきたいと決意しています。
市議有志で「要望書」を出しました
母港化5年目がスタートする今日という節目に、原子力空母の横須賀母港化に反対する市議会議員の有志で、在日アメリカ海軍司令官と日本政府の外務大臣に対して「原子力空母の安全性と安全対策に関する要望書」を提出しました。
そしてフジノの合計5名の市議有志です。
下がその全文です。
在日米海軍司令官 ダン・クロイド少将 殿
原子力空母の安全性と安全対策に関する要望書
本日9月25日は、原子力空母ジョージ・ワシントンが米海軍横須賀基地に入港し、母港とした2008年9月25日から4年が経過した。
2010年11月には、液体を含む油漏れ事故を起こしている。幸いにも放射性物質を放出するような事故には至らなかったものの液体の特定や漏れた量、漏れだした原因などが全く究明されていない。
今後、原因究明を行い公表するとともに事故防止のための対策を強化する必要がある。
また、この4年の間に、半年にわたるメンテナンス作業を4回行い、2011年のメンテナンス作業の途中で東日本大震災に見舞われた。
この時は、放射性物質が漏れ出すなどの事故は報告されなかったが、艦船が大きく揺れ、あわや大惨事になる可能性も指摘された。
一方、昨年2011年3月11日に発生した東日本大震災によって福島第一原子力発電所が事故を起こし、日本及び国際社会は甚大な被害を被った。
とりわけ、原子力事故に対する日本政府の対応によって多くの日本人が被ばくしたことは、世界中からも批判された。
これまでの歴代政府が振りまいた安全神話の下、原子力事故に対する対応が不十分だったことや地震の多い日本列島に原子力発電所を設置するという世界の常識からも外れた原子力行政の転換を求める「原発ゼロ」の世論が、圧倒的多数となっている。
そのような中、我が横須賀市においても原子力に対する市民の不安が大きくなっており、とりわけ市民が不安に感じているのは、「仮に東日本大震災と同規模の震災が横須賀市を見舞った場合、原子力空母ジョージ・ワシントンの原子力機関の安全性は確保されるのかどうか?」という点である。
この問題については、横須賀市長が昨年4月に米大使館から書簡をもらっているが、ほぼ、ファクトシートと同じ内容であり、安全性を証明したものとは言えない。
特に巨大地震や津波に対する防災対策については説明が不十分である。
先日、新たに南海トラフ地震での被害予想も出されたことや原発事故の調査報告書なども出ていることなど新たな状況を踏まえた上で、改めてその安全性と安全対策を講じ、そのことを市民に説明することが急務である。
よって、以下の項目について日本政府、並びに米海軍においては早急に対応するよう求めるものである。
記
- 震災に対する最新の知見を集め、原子力推進機関の安全性確保の為に必要な対策を全て講じること。また、横須賀市民の安全を確保する為の施策を検討し直すこと。
- 横須賀市民が原子力空母の安全性について確証を持てるだけの十分な情報を公開すること。
- 東日本大震災後に起きている新たな状況を踏まえ、原子力空母の安全性について改めて市民に説明すること
上記の対応及び本要望書への回答を求めるものである。
以上