夜から横須賀市日の出町にある県横須賀合同庁舎へ向かいました。
神奈川県による『「神奈川県緊急財政対策」「神奈川州(仮称)構想案」に関する説明会』に参加する為です。
財政の厳しい神奈川県は、『緊急財政対策』を発表しました。
けれども、その内容についてはあらゆる立場から多くの批判が出ています。直接に大きな影響を受けることになる市民団体・障がいのある方々はもちろん、それぞれのまちの市長・市議会までも批判の声をあげています(例えば、下の神奈川新聞の記事をご覧ください)。
知事と18市長が「県緊急財政対策」テーマに意見交換会、議論かみ合わず/神奈川
神奈川新聞・10月25日(木)施設や補助金の見直しを柱とする県緊急財政対策をテーマにした黒岩祐治知事と市長の意見交換会が24日、平塚市で開かれた。県財政の危機的状況を力説する知事に対し、予算編成作業の本格化を控えた各市長は見直し案の具体化を迫り、意見はかみ合わなかった。
19市のうち18市が参加した。知事は冒頭、県財政の現状などをパネルを使って説明。「危機感の共有を」と呼び掛けた。
ところが県民向け対話集会と同程度の内容に、市長からは「具体的にどうしたいのか」(加山俊夫相模原市長)との指摘が噴出。補助金の見直しは各市の予算編成に直結するため「プロセスと方法論を明示して」(平井竜一逗子市長)との声が相次いだ。
「県の役割について合意形成しないと議論が矮小(わいしょう)化する」(服部信明茅ケ崎市長)など広域自治体のあり方を協議する場の設置を求める提案も。県からの独立を志向する政令市は「ぜひ二重行政を解消する話し合いを」(林文子横浜市長)と要求した。
かみ合わないやりとりに、互いに発言を遮って確認を求める一幕も。財政難には各市も苦労してきただけに「いまさら『沈みかけた船』と言われると違和感がある」(林横浜市長)、「初めて補助金一覧を見た、なんてこの場で言うのは恥ずかしい」(吉田英男三浦市長)など、“先輩”首長としての忠告も飛び出した。
知事は閉会後、記者団に「みなさん同じ立場。一緒にやっていこうという点は確認できた」と総括。具体的な見直し内容の提示時期は「個別的な協議を通じて見えてくる話だ」として明確にしなかった。
横須賀市議会も『見直しに慎重な対応を求める意見書』を賛成多数で可決しています。
こうした数多くの批判を受けて、神奈川県は財政危機の現状と対策の必要性への理解を求めて、県内5会場で説明会を開きます。
昨日の小田原会場に続いて、今夜は横須賀会場で説明会が開かれたのです。
今夜は黒岩知事は不在。はじめのあいさつから説明まで、全てを古尾谷副知事が行ないました。
2時間のうち、古尾谷副知事による緊急財政対策の説明はわずか30分(すさまじく早口であっという間に終わりました)、残り1時間半は意見交換の時間とされました。
はじめフジノは質問しないつもりでした。市議会議員という立場で、必要があれば県庁側ともいつでも意見交換をできるからです。
今夜はひとりでも多くの市民の方々にどんどん意見を述べてほしい、と考えていました。
けれども最後の質問の手が挙がった後しばらく誰も手を挙げず、閉会させられてしまいそうだったので、フジノが質問をすることにしました。
Q1.まず基本的な在り方として疑問がある。市議として市民のみなさまに何かをご説明する時にはとても分かりやすさをこころがける。けれども副知事の説明はあまりにも早口で専門用語を使ってなされ、これではふつうに暮らしている市民のみなさまには全く理解できない。もしも理解を求めようとするならば、きちんとゆっくりとわかりやすく説明すべきではないか。
A1.昨夜の小田原会場では、私の説明が長すぎると言われた。それで今日は早口にしてしまった。お詫びしたい。
Q2.「ご理解」「ご理解」と繰り返しているが、副知事がおっしゃる「ご理解」とは何なのか?
A2.具体的には今、各団体に投げているところ。複数の補助などを一本化できないかなどを考えている。
Q3.いつまで、どのようなガマンをしたらどのような未来が待っているのか?ビジョンや具体的な将来像をしっかりと示してほしい。
A3.2年間の資金ショートをまずどうにかしたい。その結果については随時「見える化」していきたい。何年たったらこういう未来が来るというものは、今は示すことはできない。
実は、副知事が質問に答える前に、別の県職員(役職などは忘れました)からフジノに対して答えがありました。
言葉づかいや言い回しは丁寧なものの、何故かけんかごしで、率直にフジノはかなり驚きました。その内容は下のとおりでした。
「あなたは市議会議員という立場を名乗って今発言された。だから市議会議員としてのあなたにお答えする」
「藤野議員は我々と危機感を共有しているというが、もしも本当に危機感を共有しているならば、今あなたが発言したような質問自体が出ないはずだ」
「横須賀市も財政が厳しいはずだ。市議というお立場であるならば、県の財政を言う前に、まずは横須賀市の財政状況の厳しさについて藤野議員自身が市民の方々にしっかりと伝えてほしい」
こうした発言があってから、副知事がマイクをひきとって上記の答えをしました。フジノは戸惑いました。
「何故この県職員はムキになって怒っているんだろうか?」と驚くとともに、県の職員から失礼な対応を受けることは初めてでは無いので「県職員は自分たちが上級官庁だと誤解しているので、きっと市議会議員だから見下しているのだろう」と受け流すことにしました。
しかし、やはり何故こんな答えをいきなり受けたのか理解できなくて、閉会した後に副知事とその職員のもとを訪れて意見交換をすることにしました。