今日、教育長から、『こども「いじめ」相談ホットライン』を再開するとの報告がありました。
『こども「いじめ」相談ホットライン』とは、大津でのいじめ自殺の問題を受けて、9月3日からわずか12日間だけ開設された横須賀市のいじめ相談窓口です。
こうした相談窓口は一時的に設置してもダメで、ふだんからいつでもオープンしてなければいけない、とフジノは考えています。
そこで、9月議会の教育福祉常任委員会において「恒久的な相談窓口の設置をすべきだ」と提案しました。
その提案がさっそく実現したことを大変うれしく感じます。
平成24年11月14日 市議会議員様 教育委員会教育長 こども「いじめ」相談ホットラインを再開いたします! 一人一人を大切にした支援を目指します 今年の9月に期間限定で開設したこども「いじめ」相談ホットラインですが、取り組み状況から「いじめ」に関しての教育委員会の相談窓口として、 継続設置することといたしました。 いじめ問題の未然防止、早期発見、早期解決などを図ることを目的に相談を受け付けます。 なお、相談業務については、退職教員など教育相談の経験者が相談員として対応いたします。
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フジノが9月議会で行なった質疑は、下のとおりです。
フジノ | 教育委員会に、いじめ問題について質問します。 今回、大津小事件の影響を受けて、横須賀市教育委員会では『子どもいじめ相談ホットライン』を臨時開設いたしました。9月3日から9月14日まで、わずか12日間です。 これに対して、非常に短期間であることに 違和感を感じました。また、一方で、これまでも教育委員会は、それこそいじめ問題が大きくクローズアップされるたびに、一生懸命取り組んできましたし、日常的に取り組んできたはずです。そうした観点からも、この臨時開設については違和感があります。まず、これが 12日間という短期間であった理由はなぜでしょうか。 |
支援教育課長 | まず一つは、この電話相談の時期をいつにするかという点についてです。大津の報道があってから、教育委員会の方に、さほど多くはないのですが、いじめに対して保護者からの不安の電話が数件ありました。やはり子どもにとっては、夏休み明け、学校に登校する際に、いじめが心配になっているお子さんがいるのではないかと。ですから、まず夏休み明けの時期に開段しようと決めました。 それから、2週間という期間についてです。学校に行き始めて2週間ほど経つと、子どもたちも大分落ちつくかもしれないということ。それから、相談の電話を受けるのが午前9時から午後9時までという12時間なのですが、その電話対応をして下さる方を教育委員会としてお願いするという部分で、その勤務状況の中で、やはり2週間という部分が、その日数が出てきたということです。 |
フジノ | 過去のいじめ自殺についても、それこそ現・学校教育部長が課長時代や歴代の教育委員会の皆さんと僕は一緒に取り組んできたという想いがあります。 当面は自殺の連鎖を絶対に防がなければいけない。その意味では、臨時開設自体は理解できるのですが、やはり本来は恒久的な仕組みが必要ではないかと、僕は考えています。 例えば、かつては教育研究所の中に教育相談があった。これは今、青少年教育相談と名前を変えて、はぐくみかんの中に移ってしまいました。子どもたちのいじめ相談にはやや結びつきにくいようになってしまったと感じます。 また、僕は大変反対をしたのですが、こども育成部が所管していた24時間365日対応の『ヤングテレホン横須賀』が廃止されてしまいました。子どもたちが相談できるところがなくなってしまったと思います。夏休み前には、市内すべての小中高校の生徒に『ヤングテレホン横須賀』の電話番号が記されたカードが配られていたわけです。しかし、これが廃止されてしまってからは、正直、頼れる相談窓口がないのではないかと僕は感じています。 やはり教育委員会が責任を持って相談に乗れる、すべての子どもが頼れるような恒久的な窓口を設置していくべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 |
支援教育課長 | 委員がおっしゃるように、やはり子どものいじめの相談窓口ということで教育委員会の中にあるということも、やはり必要なことなのかもしれません。 ただ、県の教育委員会の教育相談センタ一が藤沢にありますが、そちらの方で24時間子どもいじめ相談を開設しております。そちらとの情報のやりとりの中で、これまでのところ横須賀市からはアクセスは無いという報告を受けております。 ただ、おっしゃるように、そういう子どもの相談の窓口というのはやはり大事だと思いますので、今後、今回の2週間の相談の実績などを加味しながら、また検討はしていきたいと思っております。 |
フジノ | 組織再編や事業の統廃合で『ヤングテレホン横須賀』が無くなって、そしてこども育成部の中に青少年教育相談という形で一元化されているのですが、やはり子ども行政を一元化するとはいっても、教育委員会の持っているいじめに対処するノウハウというのは、またこども育成部とは別のものだと僕は考えています。 子どもにとって何がよりよいかというのを考えたときには、やはりいじめのことについては、教育委員会がしっかりと対応できる相談窓口を再度構築してほしいと思っています。それはぜひ、今後検討していっていただきたいと思います。 |
フジノの提案から約1ヶ月半での教育委員会の対応に、とてもホッとしました。
いじめは常に存在するものであり、したがって、対応も一時的なものでは絶対にダメだからです。
日本では、いじめといじめ自殺の問題は、数年おきに大きくマスメディアや国会などでとりあげられます。そして、時間の経過とともにあっという間に世間からは忘れ去られていきます。けれども、マスメディアが報じ無くなっても、日常生活の中でのいじめ問題は消えません。常に続いていくのです。
そんな中、横須賀市では財政的な理由でどんどん相談窓口を集約化していっています。かつては教育相談所にあった教育相談は、こども育成部と一本化されてしまいました。
さらに、長年とても利用者の多かった『ヤングテレホン横須賀』という24時間365日対応してくれる相談電話も昨年廃止されてしまいました。フジノはずっと反対し続けてきました。こうした相談窓口は財政がどんなに厳しくても、廃止してはいけないのです。
今回のいじめ相談窓口の再開は、そうしたフジノの想いをやはり教育委員会は分かってくれたのだと感じています。同じ想いを共有できているのだと思います。
いじめを無くすことができれば、それは最も良いことだとは思います。けれども、人間の持つ攻撃性や、日本人特有の同調圧力の強さと排他的な精神構造というものは、無くすことはできないとフジノは考えています。
だから、次善の策としての『発生したいじめへの対応・解決』を徹底して取り組むことが最も大切だというのがフジノの考えです。
苦しんでいるこどもたちが少しでもその苦しみから逃れられるように、この相談窓口が力になれることを強く願っています。