戴帽式へ
今日は、横須賀市立看護専門学校の『戴帽式』に参加しました。
「『戴帽式』って何だろう?」という方はぜひこちらをご覧ください。
ひとことで言うならば、看護学生のみなさんが初めてナースキャップを授かる儀式です。この日を境に実習も本格化していく、大きな節目となる日です。
市立看護専門学校が2004年に開校してから、今年で9回目となった『戴帽式』。
毎年参加していてもこの場に立ち会うと、感動します。そして同時に、僕自身の気持ちがとても引き締まるのを感じます。
クラシック音楽が静かに流れる中を、名前を呼ばれた戴帽生たちが1人ずつステージへと上がっていきます。そして、ナースキャップを授かります。
頭に載せてもらったナースキャップを固定する為に、後ろから先生にピンで留めてもらいます。それが終わると、「留め終わったよ」という合図の意味で、先生が戴帽生の両肩をポンと叩いてあげます。戴帽生はステージを降りる為に一歩前に進みます。
それは同時に、新しい道へと歩みだした看護師の卵である戴帽生たちを、看護師の先輩である先生方が背中を押してあげている姿にフジノには見えました。
「ようこそ、看護の世界へ。これから一緒にがんばっていきましょうね」と。
続いて、『聖火伝達の儀』です。
ナイチンゲール像から、聖火を受け継ぎます。
1人ずつろうそく台を持って前へ進み、ナイチンゲール像から聖火を灯します。やがて全員が整列して、『誓詞』を唱和するのですね。
この『誓いの言葉』が戴帽生一同によって述べられました。
『誓詞』
私達9期生は、豊かな感性と思いやりの心で、信頼される看護を行います。
出会うすべての人との関わりを大切にし、共に歩み行く仲間と成長します。
看護の道を志す者として、初心を忘れず 誠心誠意学び続けます。
そして、大いなる誇りと使命感を胸に、生命の尊さを感じ、笑顔を絶やさないことをこの灯に誓います。
9期生一同
40名の戴帽生たちが看護の道をさらに歩みだした瞬間でした。
自席に戻る為に戴帽生たちがろうそくを持って、暗いホールの中を静かに歩いていきます。
その姿を観ながら、ふと思いました。
「きっと、ナイチンゲールが従事したクリミア戦争もこんなだったのではないだろうか」「こうしてろうそくを灯しながら負傷した兵士たちを看病してまわったのではないか」と。
ウィキペディアを見たところ、実際にナイチンゲールはクリミア戦争での看護活動の間、夜回りを欠かさなかったことから『ランプの貴婦人』とも呼ばれたそうです。
時代は変わって、医療も大きく進化して、看護師に求められる役割も大きく変わりました。
けれども、看護師を志す人々の尊い想いは、ナイチンゲールの時代から今に至るまで決して変わることは無いのだろうなと僕は思います。
傷ついたり、病んでいる時に、看護師の方々の献身的な姿に強く励まされた方はとても多いはず。その姿に力をもらって、人々はリカバリーをしていくのだと思います。
看護師という仕事は、有難い、尊い仕事だと思います。
●
戴帽生のみなさんへ。
あまりにもすさまじい勢いで進む超高齢社会において、医師不足・看護師不足はとても深刻です。
社会からこれほど求められている職業であるにも関わらず、労働条件は大変に厳しく、疲弊して辞めていく方もとても多いのが現実です。
これから歩んでいく道がそんな険しいものであることを知りながらも、それでもみなさんが看護の道を志して下さったことに、こころから敬意を表します。
みなさんの尊い想いを支えるべく、政治・行政の立場からもしっかり取り組んでいきたいです。
本日は、本当におめでとうございます。