家族会からの陳情は実らず…
さきの9月議会において、精神障がいのある方々の家族会(NPO法人横須賀つばさの会)から、陳情が出されていました。
「重度の障がいのある方々への医療費助成制度に精神障がいのある方々も含めてほしい」
というものです。
これは極めて正論で、もっともな陳情です。
神奈川県と県内各市が共同で実施している、重度の障がいがある方々に『医療費』への補助が出る制度があります。1973年にスタートした制度で、正式には『重度障害者医療費助成制度』と言います。
通院の自己負担分を補てんする助成制度なのですが、対象は『身体障がい』『知的障がい』の2つのみでした。
つまり、精神障がいだけ対象外とされてきたのです。
この差別的な扱いは、なんと約40年にわたって放置され続けてきました。
当然ながら、家族会・当事者会などの団体からたびたび陳情・請願が出されており、精神保健福祉の向上をメインの政策とするフジノにとっても長年の課題でした。
しかし、この陳情への教育福祉常任委員会としての結論は『審査終了』でした。各委員から賛成・反対の両方の意見が出て一致しない場合に『審査終了』となります。実質的には『否決』と同じような意味です。
フジノは質疑を行ないました
そこでフジノは、改めて「横須賀市も精神障がいを対象に含めるべき」と提案する質疑を行ないました。
(フジノ) 陳情第7号「精神障害者への重度障害者医療費助成制度の対象拡大についての陳情」に関連して伺います。 「3障がいは一体である」というのが基本的な理念かと思うのですが、これまで精神障がいのある方々が対象となってこなかったのは何故なのでしょうか。 |
|
(障害福祉課長) もともと昭和48年から発足した制度ですけれども、正確な理由はわかりません。 恐らく当時、県の部局で精神障がいにつきましては衛生部局、知的障がい・身体障がいにつきましては福祉部局で対応していた為に、精神障がいが対象外になっているのではないかと予想されます。 |
|
(フジノ) そうした経緯があるとはいえ、障害者自立支援法・障害者総合支援法の中では「3障がいの扱いは同じように等しくあるべきである」「3障がい一体化という中で低いほうに合わせるようなことがあってはならない」、そして「精神障がいだけが立ちおくれてはならない」という考えに基づけば、 やはり本市としても、来年度は福祉部として財政当局に、精神障がいのある方の1級については通院を新たに対象とするように要望すべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
|
|
(福祉部長) 障がいのある方、3障がいで差別があってはいけないと思います。 ただ、所見でも申し上げましたが、重度障害の医療費助成制度そのもの全体が安定的に継続・維持されなければならないと思いますので、 新規に加わった場合の影響、また県が既に3つの要件を課している中で、本市は何も見直しをしないでいいか、そういった複合的な要素も検討しなければなりませんので、財政とはよく話し合ってまいりたいと思います。 |
12月議会で動きがありました!
それから3ヶ月が経った12月議会において、新たな動きがありました。
先日12月4日の教育福祉常任委員会で、配布された報告を掲載します。
この助成制度の対象を拡大して精神障がいも新たに含めることをパブリックコメントにかける、というものです。
そう、ついに実現に向けて動き出したのです。
ぜひパブリックコメントに賛成の声を!
パブリックコメントを終えて、来年3月の予算議会に条例の改正案が出されて、議会で可決されれば決定となります。正式には、改正された条例が施行されるまで気を抜いてはいけないのですが、でも、ついに動き出しました。
福祉部、財政部、そして市長の英断を高く評価したいです。長年にわたる関係者のみなさまの想いがついに実を結びます。
市民のみなさま、ぜひパブリックコメントに「賛成」の声をあげて下さい。しめきりは1月15日までです。たくさんの「賛成」の声を横須賀市に届けて下さい!