包括的ケア会議へ
今日は、田浦コミュニティセンターへ向かいました。
田浦・逸見地域包括支援センターが主催する『包括的ケア会議』にオブザーバーとして参加させて頂く為です。
『包括的ケア会議』は、横須賀での呼び方です。
『地域ケア会議』など呼び名は地域ごとに異なるのですが、とても重要な場であることは全国共通です。
市民のみなさまにとって身近な地域ごとに『地域包括支援センター』が設置されています。
この『地域包括支援センター』を中心に、保健・医療・福祉などあらゆる分野の多職種の専門家が協力(多職種協働)していくとともに、地域の住民やボランティアの方々とが複合的にネットワークを作っていくことが必要です。
『包括的ケア会議』(=地域ケア会議)は、そのネットワーク機能をより強くしていく為の場です。『地域包括ケア』体制を実現していく重要な取り組みの1つです。
国もこの『包括的ケア会議』(=地域ケア会議)をとても重視しています。
全国各地にしっかり設置されるように、2012年度予算においても国は新たに7.7億円が計上しました(地域ケア多職種協働推進事業)。
横須賀市内には、『地域包括支援センター』が13ヶ所あります。
みなさんが暮らしておられる地域(日常生活圏域)ごとに設置されていて、ご高齢の方々とそのご家族の支援をしてくれています。
今日参加させていただいた『田浦・逸見地域包括支援センター』の場合は、対象地域はこちらです。
船越町、港が丘、田浦港町、田浦町、田浦大作町、田浦泉町、長浦町、安針台、吉倉町、西逸見町、山中町、東逸見町、逸見が丘。 |
だいたい『同じ地域』というイメージが湧く範囲ですよね?
横須賀市としては「年2回以上は開催するように」という以外、『包括的ケア会議』は各センターの自主性に任せています。メンバーやテーマの設定は各センターが行ないます。
例えば、田浦・逸見地域包括支援センターは、地域、医療、ヘルパー事業所、ケアマネージャー、薬局、障がい福祉、行政など、様々な分野から約20機関にわたって参加していただいています。
- 田浦地区町内会・自治会
- 田浦地区社会福祉協議会
- 田浦地区民生委員児童委員
- 横須賀共済病院分院(船越町)
- 横須賀共済病院(米が浜)
- 田浦内科クリニック(船越町)
- ニチイケアセンター横須賀中央(小川町)
- ぴーすけあ・ホームヘルプセンター(東逸見)
- 大草薬局(船越)
- クローバー居宅介護(追浜)
- 活き活きケアマネジメント(追浜)
- 来夢のこころ(汐入)
- 田浦介護保険サービスセンター(田浦)
- NPO法人くろふね(汐入)
- ニチイケアセンター横須賀中央(若松町)
- 横須賀市福祉部高齢福祉課
- 田浦障害者相談サポートセンター(田浦)
- 田浦・逸見地域包括支援センター(田浦)
また、実際の様子はHPなどで公開されています。
例えば、久里浜・岩戸・ハイランド地域での包括的ケア会議の様子はパシフィック・ホスピタルのHPで、北下浦地域での包括ケア会議の様子は神奈川県社会福祉事業団のHPで紹介されています。
ぜひご覧下さい。
今日のプログラムは下の通りです。
- 田浦・逸見地域包括支援センター 大澤施設長
- 講演1 田浦地区民生委員・児童委員協議会 小林会長
講演2 田浦地区社会福祉協議会 松田会長
講演3 横須賀市福祉部高齢福祉課 岸主任 - グループ討議・意見発表
- 講評とまとめ
まず、センター長の大澤さんから田浦地区の現状について説明がありました。
最新の統計(2012年10月1日現在)では、横須賀市の高齢化率は26.25%です。
一方、田浦地域の高齢化率はかなり高くなっています。新興住宅地である港が丘を除けば、船越町がやや下回るものの、全ての地域で市の高齢化率を上回っています。
船越町 | 港が丘 | 田浦町 | 大作町 | 泉町 | 長浦町 |
24.8% | 12.7% | 34.8% | 40.0% | 36.5% | 27.4% |
泉町の36.5%、田浦町の34.8%は、国土交通省の推計に当てはめると日本の2050年の高齢化率と同程度にあたります。
大作町の40%は、日本の2100年の高齢化率と同程度にあたります。
つまり田浦地域は、日本の最先端をいっている訳です。高齢化率が高い地域は『僕たちの未来を先取りしている地域』なのです。
ですから、この地域で『地域包括ケア』を実現することができれば、他の地域においても大きな希望が見えてくるのです。
フジノにとって、社会保障・社会福祉・まちづくり・住宅政策の観点に立つと、田浦地域の取り組みは、最重視すべきです。
さて、そんな最重視している地域の『包括的ケア会議』に出席させていただいたフジノの感想ですが...
本当に素晴らしかったです。
民生委員・児童委員の方々から、活動の中で出会った方々の事例報告がありました。そのどれもがきれいごとでは成り立たない事例ばかりでした。
公的なサポートだけではなく、地域の方々のインフォーマルな献身的取り組みによって、身寄りが無く周囲から孤立しがちなご高齢の方々を守ろうとして下さっていることがヒシヒシと伝わって来ました。
さらに、地区社会福祉協議会による取り組みがいくつか紹介されましたが、フジノにとっては『ふれあい・いきいきサロン』はカフェトークにも通じるものを感じて、とても印象に残りました。
その後、市の高齢福祉課から横須賀市の取り組みについて報告がありました。
さらに、5〜7名ごとに分かれてグループ討議を行ないました。
フジノのグループのメンバーは、民生委員、社会福祉協議会、包括支援センター、ヘルパー事業所、病院のMSW(医療ソーシャルワーカー)の方々でした。みなさんのお話は、ただひたすら感謝の気持ちを感じました。
こうやって多職種の専門家・地域の方々とざっくばらんに語り合うことは、ものすごく重要だと感じました。大きな刺激を受けましたし、ますます頑張らなければと励まされました。
これまで丸4年間にわたって『包括的ケア会議』は開かれてきたのですが、フジノは頭では制度としてその重要性を理解してきたものの、実際に参加させていただいたのは初めてで、ものすごく貴重な機会でした。
田浦・逸見地域包括支援センターのみなさま、包括的ケア会議のメンバーのみなさま、今日は本当にありがとうございました!
もしも他の地域の包括支援センターで、フジノに「参加しても良いよ」というセンターがありましたら、どうかお声がけ下さい。
よろしくお願いします!