監査報告書が公表
監査委員による『財政援助団体等監査報告書』が公表されました。
今回、財政援助団体等に対する監査(地方自治法第199条7項の規定に基づく監査)の対象になったのは『株式会社横須賀ファーム』と『株式会社明治スポーツプラザ』(すこやかんを指定管理)です。
このうち、『長井海の手公園ソレイユの丘』を運営している『(株)横須賀ファーム』の監査報告を取り上げます。
フジノは『長井海の手公園ソレイユの丘』の建設見直しを訴えてきた立場です。
さらに『野菜パックのラベルはがし事件』の追及も行なってきました。
ですから、細かな事柄であっても注目せざるをえません。
以下、監査報告書を引用します。
1.監査の対象及び範囲
(1) 株式会社横須賀ファーム(以下、『横須賀ファーム』という)が行なった公の施設である『長井海の手公園』の管理に係る平成23年度における出納その他の事務(必要に応じて平成24年度分を含む)(2) 長井海の手公園を所管する部局の指導監督に係る事務
2.監査実施の期間
平成24年8月28日〜12月18日まで3.監査の方法
監査は、公の施設の管理に係る出納その他の事務が当該団体との協定等に沿い関係法令等にのっとり適正かつ効率的に行われているか、当該施設の所管部局の指導監督に係る事務が適正に行われているかを主眼とし、関 係職員から説明を聴取し、抽出による関係帳簿及び関係書類の調査並びに現地調査を行った。(中略)
次に述べる事項について、適正な措置を講ぜられたい。
公の施設の管理に係る出納その他の事務(指定管理者)
ア.横須賀市(仮称)長井海の手公園整備等事業契約第8条において、事業者が契約上の義務を履行するために必要な許認可について取得し、市に対して書面による事前説明及び事後報告を行うと規定されているものの、その報告が行われていなかったので、今後は適正な事務処理に改められたい。
イ.横須賀市(仮称)長井海の手公園整備等事業契約第38条において、事業者は運営期間中、同契約に規定される施設賠償責任保険等の保険に加入し、速やかに保険証券の写しを市に提出しなければならないと規定されている。
しかし、横須賀ファームにおいては、同契約に規定される保険に加入していたものの、保険証券の写しを市へ提出していなかったので、今後は適正な事務処理に改められたい。
ウ.横須賀市(仮称)長井海の手公園整備等事業契約第54条において、事業者は、各会計年度の最終日から3ヶ月以内に、公認会計士の監査済財務書類を市に提出し、かつ、市に対して監査報告を行うものとすると規定されているものの、公認会計士の監査報告書を添付した財務書類を市へ提出していなかったので、今後は適正な事務処理に改められたい。
(以下略)
引用は以上です。
市のチェック体制こそ問題
アは、横須賀市に対して、許認可を取得するにあたっては『事前説明』を、取得した後は『事後報告』を、ともに書面で行なわなければならないのに怠っていた、ということです。
イは、施設賠償責任保険等の保険証券のコピーを横須賀市に提出しなければならないのに怠っていた、ということです。
ウは、決算から3ヶ月以内に公認会計士が監査をした財務書類を提出しなければならないにも関わらず怠っていた、ということです。
3つとも当たり前すぎるくらいに当たり前のことです。こんなことが何故実施されていなかったのか、理解できません。
やるべきことを怠った『横須賀ファーム』もダメですが、もっとダメなのはそれをチェックする側の横須賀市の担当部です。
何故こんな基本的な書類の不備をチェックできていなかったのか、横須賀市はしっかり調査して報告すべきです。
『ソレイユの丘』を指定管理している(株)横須賀ファームについては、2008年に『野菜パックの製造日ラベルはがし事件』が発覚して大問題になりました。
2009年2月には『業務改善勧告』まで出しました。
それから横須賀市はチェック体制を強化したはずです。
監査委員の報告書では横須賀市のチェック体制については指摘していませんが、フジノはむしろ市のチェック体制にこそ、疑問を感じます。
もちろん今回の指摘は『ラベルはがし事件』と比べれば全く軽微なことです。
しかし、事件から5年が経って、担当部は危機感が薄れてきたのではないでしょうか。
横須賀市は(株)横須賀ファームに早急に改善させると共に、自らのチェックを厳格にすべきです。