毎週金曜日に発行されているタウンニュース紙が1面トップで『横須賀市の自殺者数、減少傾向も高齢者が課題』と報じてくれました。
この記事を書いたS記者はとても熱心な方で、横須賀市の『自殺対策連絡協議会』の傍聴にも、毎回必ず来て下さっています。市内の報道関係者では、最も自殺対策をしっかりと報じて下さる貴重な存在です。
S記者、ありがとうございます!
記事の全文は下の通りです。
減少傾向も高齢者が課題
横須賀市の自殺者数 介護関係者との連携も2012年の横須賀市の自殺者数は80人(暫定値)と、前年に比べて4人減少し、4年連続で100人を下回ったことが市保健所のまとめで分かった。
全国の自殺者数が15年ぶりに3万人を割った中、横須賀でも独自の対策が結果に表れている。
しかし、70代と80代は前年比で増えていることから、関係者らは自殺対策強化月間の3月を前に気を引き締めている。
これは、先月30日に保健所で行われた「横須賀市自殺対策連絡協議会」で発表された暫定値。昨年11月と12月の、市外での自殺者が加算される場合がある。
それによると、昨年の自殺者数80人のうち、男性は54人で女性は26人。年齢別では60代が20人と最も多く、全体の25%を占める。40代は前年の18人から11人に減少したが、70代が7人から10人、80代が2人から7人にそれぞれ増加した。
一般的に、健康や家庭の問題などで孤立した高齢者がうつ状態になるケースは多く、この日、同協議会委員長で精神科医の大滝紀宏湘南病院副院長は、高齢者の自殺者が増えていることを課題として取り上げた。委員からは「ケアマネージャーなどの介護関係者をゲートキーパー(悩みを抱えている人のサインに気づいて相談機関につなげる役)に養成し、連携できれば」という意見があがった。
強化月間の3月。横須賀市では市内の駅頭3ヵ所で、職員やボランティアらが街頭キャンペーンを行う。相談窓口などが記載された冊子「よこすか心のホットライン」を配布する。
来年度は、モデル地区を設定して戸別訪問を実施する予定。
また、現在横須賀共済病院救命救急センターとの連携で実施している未遂者へのケアを、他の救急医療施設への拡大も含めて協議するなど、新たな取り組みも模索している。
記事で報じられた通りで、自殺による犠牲者数が減少傾向にあるからといって、全く気を緩めることはありません。
例えば、まもなく3月いっぱいで『中小企業金融円滑化法』の期限がやってきます。
この法律のおかげで、資金繰りに苦しむたくさんの中小企業が救われました。
明らかに倒産件数が減ったのです。それは同時に、企業の倒産が要因の1つである自殺も減らしたと考えられています。
けれども、時限立法であった『中小企業金融円滑化法』は、2013年3月31日をもって終了します。
そして再び中小企業の倒産が増えるのではないか、その結果として自殺による犠牲者も増えるのではないか、という懸念があります。
つまり、自殺による犠牲が増えかねない社会的な状況は今後も続いていくのです。
こうした状況に対して、すでに政府も相談窓口を設置すると発表したり、神奈川県も対策に取り組み始めてはいます。
ただし、こうした対策で十分対応しきれるのかは分かりません。
3月以降、ハイリスクな状況がやってくることを認識した上で、状況をしっかりと注視していかねばなりません。
とても気を緩められるような状況にはありません。
3月は、自殺対策強化月間です。
すでに活動日記でお知らせしましたが、こうした取り組みを行なっていく予定です。
来年もタウンニュース紙に「さらに減少へ」と報じてもらえるように、さらなる対策に取り組んでいきます。