横須賀市、「若年性認知症」に対する初めての取り組み
今日は、午後からヴェルクよこすかへ向かいました。
『若年性認知症講演会』に参加しました。
若年性認知症についての講演会は、横須賀市内では過去3回開かれてきました(昨年の様子はこちら)。
けれども、主催はずっと『公益社団法人・認知症の人と家族の会』のみなさまでした。
つまり、家族会のみなさまが手弁当で行なってきたのです。
一方、今日の講演会は初めて横須賀市が主催で開催しました。
昨年の委員会質疑の通りで、横須賀市が『若年性認知症』への支援を予算化したのは今年度が初めてなのです。
横須賀市にとってこの講演会こそ『若年性認知症』支援の「記念すべき第一歩」です。
本当に良かったです!
満員でいっぱいの会場を見渡して、フジノは感慨無量でした。
若年性認知症とは・・・
『若年性認知症』とは、18~64才と若くして発症した『認知症』のことです。
そもそも『認知症』そのものの支援が進んでいない為、国としては新たに2013年度から『認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)』をスタートさせます。
『オレンジプラン』の大きな7つの取組みの6番目に『若年性認知症』も取り上げられました。
けれども、↑これだけしか記述がありません。
国としての取り組みもまだまだです。
世間のイメージでは「『認知症』はご高齢の方々が発症するもの」という印象が強いと思います。
その為に、『若年性の認知症』はさらに知られておらず、制度は全く追いついていません。
フジノたち政治家がもっと必死になって取り組まねばならない課題の1つです。
周りの理解が周辺症状を改善する
『若年性認知症』を発症した方々は、全国で約3万7800人(2009年3月)と推計されています。
発症する方の数はとても少ないのですが、社会的な支援がとても重要です。
その症状を知って、行動を理解して、周囲の人々が「対応の仕方」を変えるだけで、当事者の方にとってもご家族にとっても大きなサポートになるからです。
『認知症』には大きく2つの症状があります。
1.中核症状=脳の障がいが原因で、認知症の方には誰にでも起こる症状
この中核症状には、クスリ(例えばアリセプト)の使用などで対応していきます。現在のところ、完治をさせるクスリは開発されていません。
2.周辺症状=心理的な原因で起こる2次的な症状で、人によって表れ方が違い、誰にでもみられる訳ではない
周辺症状には抗精神病薬などのクスリも用いますが、何よりも周囲の人々の理解と対応が変わると、症状が改善されることもしばしばあります。
僕たちみんなでもっともっと知って理解して行動していくことで、ご本人・ご家族にも力になることができるのです。
だからこそ、啓発活動をもっと進めていかなければならないのですね。
講演会は成功でした
講師は、杉山孝博さん(川崎幸クリニック院長、公益社団法人「認知症の人と家族の会神奈川県支部」代表)です。
杉山先生の語り口はとても分かりやすくて、認知症を広く世間に知ってもらう啓発活動には最適な方だと思います。
テーマは「若年性認知症の理解~本人と家族をどのように支援するか~」でした。
5分に1度笑い声、10分に1度大笑い、そして時々ほろりと涙がこぼれてしまう...。
そんな杉山先生のお話に会場は引きこまれていました。講演会は大成功だったと思います。
次は、「啓発」に加えて、実際の「支援」を成功させたいです。
横須賀を含む三浦半島地域には、『認知症疾患医療センター』(久里浜医療センター)も『認知症専門病院』(福井記念病院)もあります。『物忘れ外来』も毎日開かれています。
「社会資源」には比較的恵まれている地域です。
だからこそ、人のこころである「啓発」と政治・行政の努力で実現できる「支援」に力を入れて取り組んでいけば、認知症を発症してもご本人もご家族も追い込まれないようにできるはずなのです。
特に、若い親が若年性認知症を発症した時、幼少期や思春期にあるこどもたちは精神的にも経済的にも、もっと強い支援が必要です。
もっともっとがんばっていきますので、どうかみなさまも認知症についてぜひ知って下さいね。