当初予算案の委員会審議スタート
先週いっぱいで市長に対する質疑が終わって、今日からは委員会での予算審議がスタートしました。
これから約2週間にわたって、朝から夕方まで缶詰めでひたすら予算審議の日々が続いていきます。
教育と福祉の予算は膨大な量です
今日は『都市整備常任委員会』とフジノの所属する『教育福祉常任委員会』の2つの委員会が行なわれました。
フジノが所属している『教育福祉常任委員会』では、下記の4部局、合計6つの会計を担当します。
一般会計(4部局)
- 健康部
- 福祉部
- こども育成部
- 教育委員会
特別会計(4会計)
- 国民健康保険費
- 後期高齢者医療費
- 介護保険費
- 母子寡婦福祉資金貸付費
企業会計(1会計)
- 病院事業会計
かなり膨大な量になります。
健康部の審議を終えました
今日は、まず15時すぎくらいまでで
- 一般会計の『健康部』部分
- 企業会計の『病院事業会計』
の2つの審議を終えました。
続いて
- 一般会計の『福祉部』部分
- 特別会計の『国民健康保険費』
- 特別会計の『介護保険費』
- 特別会計の『後期高齢者医療費』
について、行政側から説明を受けて、数名の委員が質疑をしたところまででタイムアップ。
次回(3月7日)へと延会になりました。
国民健康保険料の値上げに批判が集中したのですが…
福祉部への審議で、他の委員から特に批判が集中したのが、『国民健康保険料の値上げ』についてでした。
「昨年暮れに委員会で報告は確かに受けたが、値上げするとは思わなかった」
「値上げの幅が大きすぎる。もっと一般会計から税金を繰り入れるべきだ」
「行政側はもっと早く国保財政の危機を訴えるべきだった」
といった声があがりました。
こうした意見には共感する部分もありましたが、うーん…。
フジノには、共感できない気持ちの方が強かったです。
すでに12月議会の報告を受けた段階でもはや『国民健康保険料の値上げ』は避けられないとフジノは強く訴えてきました。
年末もずっと、この値上げに強く関わる諸係数が国から発表されるのをジリジリとしびれを切らしながら待って過ごしました。
「値上げは避けられない」という前提に立って、国民健康保険についてのあらゆる資料を読みあさって年始を迎えました。
「一体いくらまで保険料アップに市民のみなさまは持ちこたえられるだろうか」
「どうやったら社会保障制度を維持しながらも市民生活を守れるだろうか」
と毎日ずっと悩みながら過ごしてきました。
国民健康保険運営協議会の傍聴にも必ず毎回行っています。
ここしばらくは毎日のように健康保険課に質問の電話をかけて、どこかみなさまが妥協できるポイントは無いのかを毎日苦しみながら考えている毎日です。
ですから、今になって市議会側からこうした声があがるのは「遅すぎる」という感じです。
責任は市議会にもある
そもそも、これまでの歴代の行政と市議会とが一緒になってハコモノ行政を進めてきた結果が、今の財政危機を生み出したのです。
今になって
「知らなかった」
「聴いていない」
という言葉は、市議会側にも許されないと思います。
一方的に行政を責めるのは、市議会の責任逃れであって、おかしいです。
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今日の委員会では最終的に
「保険料の値上げ幅を5億円分少なくした場合のシュミレーションを資料として出してほしい」
という提案が出されて、教育福祉常任委員会として正式に資料請求することが決まりました。
その資料の提出も含めて、審議は次回に持ち越されることになりました。
市の当初予算案では「10億円の資金不足を保険料の値上げで対応する」という内容です。
一方、資料請求では「さらに5億円を市の一般会計から追加で繰り出して、残り5億円の資金不足を保険料の値上げで対応する」という内容でシュミレーションがなされます。
フジノとしては、シュミレーションを行なって議論をすること自体は全く否定しません。
けれども、一方ですごく悔しい気持ちがします。
「それだったら何故ハコモノ行政を今までストップしてこなかったのか?」と感じました。
まだ財政に余裕があった時期に、すぐ目の前に迫っていた「人口減少・少子超高齢社会」の在るべき社会保障の姿をもっと真剣に直視して、徹底的に議論して、政治・行政が取るべき対応をしっかりと共有しておくべきだったのです。
10年前に初当選した時から、社会保障の財源を生み出す為にハコモノを止めろとフジノは訴えてきました。
そして今まさに社会保障の財源が完全に枯渇して、全てにおいて値上がりせざるをえなくなっています。
財政危機に陥ることは、10年前に素人だったフジノにも分かっていました。
10年経って素人ではなくなったフジノに分かっていることは、これから先に起こることは『毎年の値上げ』と『給付のカット』です。
もしも仮に2013年度だけ「保険料の値上げ」を軽くしても、それは先延ばしに過ぎません。
これから先も国民健康保険では毎年50億〜60億円の財源不足が続いていきます。
団塊世代が75歳を超える2025年、さらに団塊ジュニア世代が75歳を超える2050年を過ぎるまでは、とにかく厳しい現実と直面せざるをえません。
唯一言えることは「この現実から目をそむけている限り、もっとひどい未来になる」ということだけです。
先週の市長への質疑では、複数の会派から「吉田市長は退職金を減らすべきではないか」という声が出ていました。
フジノとしては「違う」と思います。
「市長」だけでなく「市議会」も責任を取るべきです。
『国民健康保険料の値上げ』をはじめ、これからいくつもの値上げを行ないます。
市民のみなさまに大きな負担をかけることに対して、「市長」も「市議会」も両方が責任を取るべきです。
政治家には『結果への責任』があります。フジノ自身も責任を痛感しています。
政治家は自らの痛みをもって、市民のみなさまの痛みを感じるべきです。