予算議会において、市長に対して行なった一般質問の内容を、少しずつ報告していきたいと思います。
市長への2つの提案、住まいと結婚
以前お伝えした通りで、今年2月6日に市長と性的マイノリティ当事者の方々との意見交換を行ないました。
この場で、フジノからも市長に対して2つの提案をお伝えしました。
- 横須賀市では、同性パートナーが公営住宅に入居できるようにすべき
- 横須賀市では、同性パートナー等の結婚を市長が祝福する取り組みを行なうべき
ここでのフジノの提案はあくまでも『非公式』なものです。
そこで改めて予算議会の場で、市長に対して『公式』な形で提案を行ないました。
それが今回の報告の内容です。
2013年3月1日・本会議・フジノの質疑より
フジノの質問
わが国では男女の「異性パートナーシップ」のみを想定した法規によって法的に結婚した男女しか「家族」とみなされません。
その為、異性パートナーであれば事実婚にあたる同性パートナーの方々は生活上のあらゆる面で不利な状況に追い込まれています。
生きていく上で不可欠な『住居』についてもそうです。
こうした不利な状況を解消する為に、すでに地方自治体レベルでは「同性パートナーシップ」を保障する取り組みもスタートしています。
例えば大阪府では、大阪府住宅供給公社の賃貸住宅に「ハウスシェアリング制度」を導入して非親族同士の入居を認めて同性カップルの入居を可能にしました。
地域主権の今、本市が積極的に独自の取り組みを行なうことでそれを本市の強みとすべきです。
【質問】
カ.本市においても、市営住宅等に同性パートナーの入居を実現できる制度の導入を検討すべきではないでしょうか。
昨年5月、東京ディズニーリゾート内の直営ホテルでは同性カップルが結婚式を挙げることを認める方針が発表されて大きな話題を呼びました。
(*実は、まさにこの日に挙式がとりおこなわれました。フジノも本会議が無ければお祝いに駆けつけるつもりでした。結婚式の様子をお伝えするご本人のブログはこちらです。ぜひご覧下さいね)
これは『法的な婚姻』とは別です。
けれども
「あのディズニーランドであれば同性カップルも結婚式を行なうことができる」
というディズニーの姿勢は、性的マイノリティ当事者だけでなく広い支持を受けました。
こうした取り組みから本市も学ぶべきです。
そのまず第一歩として、現在の法律が追いついていない同性パートナーをはじめとする様々な結婚の形態を、シンボリックな意味で市長が「祝福する」取り組みを始めるべきです。
これはすでに海外の自治体では行なわれています。
横須賀市役所を訪れれば、同性パートナー等の結婚を市長が祝福してくれるということは、市民それぞれの生き方を積極的に行政が認めていく姿勢を示すことになります。
同時に、誤解を恐れずに述べれば、横須賀を訪れる人々を全国から呼び込むこともできる為観光・集客の政策としても大きな強みになります。
【質問】
キ.横須賀市役所を訪れた同性パートナー等の結婚を市長が祝福する取り組みを検討すべきではないでしょうか。
お答え下さい。
市長の答弁
「市営住宅等に同性パートナーの入居を実現できる制度の導入を検討すべきではないか」というご質問を頂きました。
市営住宅等への同性パートナーの入居については、住宅困窮実態の掌握を含め、性的マイノリティに関する施策を整理する中で研究していきたいと考えております。
次に、横須賀市役所を訪れた同性パートナー等の結婚を祝福する取り組みを検討すべきではないか、とのご質問を頂きました。
東京ディズニーランドでの取り組みについては初めてお聴きしましたが、他自治体や企業等へ同性愛者へどのような取り組みがなされているのか情報収集をしたい、と考えています。
〜ここからは一問一答方式での質疑になります〜
フジノの再質問
続いて、同性パートナーシップについてです。
まず、公営住宅等の入居についてです。
すでに東京都の中野区、こちらでは本市でいうところの『高齢者・障がい者の為の住まい探し相談会』の対象に『同性カップル』を入れているんですね。
横須賀市の場合は外部に委託しておりますが、住居を探すのが困難な同性パートナーの方々の為に、こういった取り組みの中に同性パートナーを盛り込むこともぜひ検討していただきたいと思いますが、いかがでしょうか?
市長の答弁
この住宅相談等については、先ほども「他の自治体でどんなことをやっているのかというのは情報収集をさせていただきたい」と申しましたが、その中野区の取り組みなどについても情報を今後集めさせてもらいたいと思います。
フジノの質問
そして最後の質問になりますが、シンボリックな意味として、ぜひ市長に同性パートナー等を祝福する取り組みを検討していただきたい、というふうにご提案申し上げました。
これは、他の日本国内でやっているところは正直「無い」と思います。
市長は「事例を研究してみる」ということでしたが、ぜひ海外のサンフランシスコなどの事例を研究していただいて
日本で最初の性的な多様性を認めるまちが横須賀である、そしてそれを本市の強みとしていくんだということで進めていただきたいと思います。
この研究をぜひ海外等の事例をみていっていただきたいと思いますがいかがでしょうか?
市長の答弁
ぜひ他都市の事例だけでなくて、海外の事例についても勉強したいと思います。
今後は実務者会議に働きかけていきます
市長の答弁をご覧になったみなさまは、「なんだか無難な答弁ばかりだ」と感じられたと思います。
ただ、『同性パートナーシップ』についての質疑は、実はこれが『横須賀市議会史上初』だったこともあり、市長側も慎重な答弁になることは予想通りでした。
むしろフジノとしては、2月の意見交換に続いて、本会議の場で市長に対してこうして提案したことで、『行政トップ』である市長に問題の存在を認識させることができたと考えています。
しかも、横須賀市には、全国で初めての取り組みとして知られる『性的マイノリティ関係課長会議』が設置されています。
これからは、この『実務者による会議』にアプローチを行なっていきます。
わが国における『同性パートナーシップの実現』は、政府の動きが鈍いので、地方政府が積極的に進めていくべき課題だとフジノは考えています。
1つずつ、必ず実現していきます。
待っていて下さいね。