神奈川大学法学部「地方自治論」へ
今日は、横浜の六角橋(東急東横線白楽駅)にある『神奈川大学』へ向かいました。
先日お知らせした通り、神奈川大学でのアサノ先生の講義でゲストスピーカーをさせていただきました。
フジノの尊敬するアサノ先生(浅野史郎・元宮城県知事、元慶応大学SFC教授)は、今年(2013年)4月から神奈川大学に特別招聘されています。
『地方自治論』は、法学部(法律学科・自治行政学科)の3~4年生317名が受講しています。
受講生317名って、すごいですね。大人気。
4人の地方議員がゲストスピーカー
ゲストスピーカーは4人。
フジノだけが『政党』にも『会派』にも所属していない『無所属』でした。
すでに先週の講義でアサノ先生が『二元代表制』『議会の役割』はお話し済みとのこと。
今日の講義では、実物の地方議員の生の声を学生たちに知ってもらうという趣旨でした。
まずは、4人の議員が5分間ほど自己紹介。議員になるまでの経歴や、議員になったきっかけや動機を簡単に自己紹介しました。
次に、アサノ先生から話題を振られては順番に話していく、という形になりました。
まず最初のテーマは「個人としての議会活動の実績を紹介して下さい」でした。
フジノからは自殺対策や性的マイノリティ支援についてお話をしました。
続いてのテーマは、「議員としての、日常活動は具体的にどんなものかについて紹介して下さい」でした。
これはとても面白かったです。
他の議員の方々、特に政党に所属している方々とフジノでは、同じ職業とは言えないくらいにワークスタイルが違います。
ある意味、政党に所属している議員の方は、会社に就職している人に似ているかもしれません。
かたやフジノは、フリーランスの自営業の方に近いです。
市役所や市議会に行くこともあまり無いですし、ノートパソコンさえあればどこでも仕事ができるのでノマドワーカーみたいな感じですし...。
学生のみなさんも、4人それぞれのワークスタイルの違い(=政治家の在り方の多様さ)に驚いていたようでした。
続いてのテーマは、「行政との関係、有権者との関係、他の議員との関係について述べて下さい」でした。
フジノは、横須賀市役所には伝統的に優秀な職員が生まれる土壌があること、厚生労働省をはじめとする様々な官庁がそうした職員が創りだした『横須賀方式』を国の制度に取り入れていることを紹介しました。
政治と行政は『敵』ではなくて、「このまちを守りたい・今よりもっと良くしたい」という共通の目的を持つパートナーだ、と説明しました。
他の議員との関係についても、今、横須賀市議会では政策提案がどんどん実現している現状を説明しました。
有権者との関係については、やはり最も重要な存在は『市民』であること、政治家の権力が賦与されているのはあくまでも『主権者である市民』からの信任であること、を繰り返しお伝えしました。
学生たちへのメッセージ
最後のテーマは、「学生たちへのメッセージを語って下さい」というものでした。
フジノは、いつもいつもお伝えしていることの繰り返しですが、こんなことをお話させてもらいました。
生きていかねばならない理由も分からないままに、不条理な現実に圧倒されてしまう毎日をみんな送っていると思います。
それでも、「必ず現実は変えることができる」ということを知っていて下さい。
例えば、あなたが苦しんでいることの多くは、政治がしっかりと動けば、取り除くことができるのです。
どんなにあなたが『絶望』に追い込まれているとしても、ほとんどの困難は政治が動けばその『絶望』を『希望』に変えることだってできるのです。
だから、あなたに政治を使い倒してほしいのです。
目の前の現実は変えることができて、政治にはその力があります。
そして、その政治を動かすことはできるのは、主権者である市民のみなさまなのです。
フジノは政治家になってもう11年になりますが、このメッセージは永遠に変わりません。
相手が大学生であろうと大人であろうと誰であっても、このメッセージを送り続けたいと思っています。
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その後、学生からの質疑応答に移りました。
フジノはいろいろご質問を頂いて、うれしかったです。
講義の後にも話しかけてきてくれた学生さんがいて、とてもうれしかったです。
1時間半の講義が終わった後は、アサノ先生の研究室へ行きました。
政治家が4人も集まると(いや、アサノ先生も元知事なので5人ですね)、いろいろな社会問題についての議論がすぐに始まります。
暮らしているまちも立場も違う方々と議論を交わせたのはとても良い経験になりました。
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解散後、フジノはアサノ先生と白楽駅まで2人で歩いて帰りました。
僕がアサノ先生(アサノ知事)の存在を初めて知ったのは、18才の時。
アサノ先生にお会いするたびに、僕は18才の時の胸の痛みを思い出します。
そして、その痛みを今も感じていることも実感します。
これからもずっとずっとがんばっていかなければ、と改めて思いました。
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アサノ先生、本日は貴重な機会をありがとうございました。
そして、神奈川大学法学部のみなさま、とても楽しかったです。ありがとうございました!
後日談:アサノ先生のブログ記事から
アサノ先生のブログ『夢らいん』に、この日の日記が掲載されました。
とても面白いので、全文を引用してしまいます。
神奈川大学での授業
神奈川大学での『地方自治論』の授業は、地方議会議員にゲストとしておいでいただく。
小川顕正川崎市議会議員、藤野英明横須賀市議会議員、松浦芳子杉並区議会議員、山口ゆう子神奈川県議会議員の4人。
いずれの議員も、熱く、堂々と語りかけていた。
学生諸君は、「知らない世界を見せてもらった」、「こんなに立派な議員がいるとは知らなかった」などと、出席カードには興奮状態の記述が多数。
こういう授業だと、とても面白いという記述もあった。
そうはいかないよ。詰まらないかもしれないが、私の授業もきっちり聴講しましょう。
大学の教務から、「レジュメの原稿は、授業の1週間前にお送りください」というお達しがあった。
教務で次週の授業のレジュメを印刷してもらうので、早めに原稿が欲しいということだろう。しかし、それは無理である。
私の場合、レジュメにいろいろ記載する。
授業終了時に回収する出席カード180枚分にすべて目を通し、みつけた誤字を名前入りで記載。
「出席カードの記述が秀逸なもの」を提出した学生の氏名も記載。
提出された宿題にもすべて目を通して、「優秀な出来のもの」の学生氏名を記載する。
出席カードに書かれた質問とその回答も掲載する。その後に、来週の授業の内容についての詳しいレジュメを掲載する。
そんなことが、1週間前に出来上がるはずがない。ということを教務に申し入れたところ、「6日前でいいです」という返答あり。
今回は、作成が楽だったので、今日中に送ることができたが、毎回、そうはいかない。
長年にわたってアサノ先生のことを知るフジノとしては、読みながら、思わず笑ってしまいました。
アサノ先生のレジュメの凄さ(丁寧で細かい!)は、アサノ先生の前任校・慶応大学SFCの学生ならばみんな知っていますよね?
学生たちから提出された出席カードを毎回必ず全て熟読しておられて、学生から質問があれば全部に返事を書いています。
アサノ先生は聴講している学生が370人いたとしてもその流儀は変えない御方です。
大学の教務の方々は確かに印刷の手間を考えると1週間前にはレジュメの原稿を提出してほしいと思うのですが...。
ここまで熱心に学生たちに細やかに指導する教授はなかなかおられません。
どうか「6日前までにレジュメを出して」なんておっしゃらずに「1時間前までに出していただければ印刷します」とアサノ先生に言ってあげてくださいませ。
神奈川大学の教務の方々、どうぞよろしくお願いします!