市内の認可保育所の視察へ
教育福祉常任委員会の視察、目的地の2カ所目は、和順保育園(久里浜2丁目)です。
社会福祉法人和順会によって、1970年から運営されている『認可保育所』です。
認可保育所とは、児童福祉法に基づいて中核市である横須賀市が設置を認可した施設のことです。
その前身は、なんと1936年(昭和11年!)までさかのぼります。
正業寺の第19世渡部真戒上人が託児所を開設して、久里浜地域の百数十人のこどもたちが通っていたそうです。
第2次世界対戦によってやむなく閉所せざるをえなかったものの、認可保育所として再開し、長い歴史を持つ由緒ある民間保育園です。
横須賀市の保育所の待機児童数を行政センター別に見ると、久里浜行政センター管内が最も多い状態が続いています。
そんな中、和順保育園はいつも積極的な取り組みを続けてきて下さいました。
60名の定員でスタートした和順保育園ですが、2010年に園舎の建て替えとともに定員を90名へと拡大して下さいました。
(2010年5月に新しい建物となりました)
工事費の総額は2億4,817万円です。
市の補助が1億3,339万円、借入金が8,750万円、自己資金が2,728万円の内訳になります。
もはや保育園は『公的な存在』であるにもかかわらず、新たな園舎への建て替えにもこれだけの自己負担が必要となるのですから、民間事業者はとても大変です。
こどもたちは元気いっぱいでフジノたちを迎えてくれました!
フジノのここ数年間の大切な政策の1つが『保育の質』を高めることです。
待機児童数の多さから全国では『保育所の数』を増やすことに目が行き過ぎています。
『数』を増やすだけでは絶対にダメ。
乳幼児は、かなりの割合で突然死が起こるものです。
そんな時に保育士の先生方の知識や機転によって、いのちが守られたケースも本当にたくさんあります。
こうしたことからもフジノは、保育士の先生方の『研修の機会』を確保することがとても重要だと考えて、市議会でも提案を続けて来ました。
他の福祉分野と同じく、保育においても慢性的な人材不足です。
だから、望んでも研修に出られることがなかなかできない現実があります。
そんな中、和順保育園では必ず保育士の先生方が順番に研修に出られるようにプログラムを組んでおられるとのことでした。
とてもありがたいことです。
乳幼児にとって、食事はとても大切です。
横須賀市では、こどもたちの保護者の方々から保育園の給食食材の放射性物質の測定をしてほしいという請願が出されました。
市議会は不採択としたものの、こうして保育園によっては自発的に食材の産地をオープンにしてくれています。
とてもありがたいです。
園長先生はご住職もしておられるのですが、同じ敷地の中にあるお寺(正業寺)の建物に移って、お話を伺いました。
保育園のこどもたちも、年1回ほどはこちらのお寺の中で、畳の上に座ったり、折り紙を折ったり、お茶とお茶菓子を頂いたりする機会などもあるそうです。
とても良いことだと思います。
フジノはいろいろな市民の方々から育児のご相談を頂きます。
そうした機会のひとつで、園長先生には大変にお世話になりました。
フジノだけでなく、こども育成部保育課としても和順保育園の取り組みにはいろいろな機会に助けていただいています。
こうした積極的な取り組みを進める保育園を、市をあげてしっかり支援していかれるようにしたいと改めて感じました。