厚生科学審議会の副反応検討部会へ
今日は、厚生労働省へ向かいました。
前回(5月16日)にひき続いて厚生科学審議会の予防接種・ワクチン分科会の『副反応検討部会』を傍聴しました。
子宮頸がん制圧の為に活動を続けてきたフジノは、まだ日本で予防ワクチンが承認される前からずっと活動を続けて来ました。
そのワクチンで重篤な副反応に追い込まれてしまった方々が多数いらっしゃる以上、その動きを最後までしっかりと追いかけるのが政治家としての責任だと考えています。
ところで今日は、会議室内が異常に暑くて湿気だらけでした。
本当に、フジノは意識がもうろうとしてしまい、熱中症になる直前だった感じ。
節電は大切ですが、体調を崩して仕事にならないのは困るので、厚生労働省の施設管理の方々、クーラー入れて下さい...。
さて、お話を本筋に戻します。
今夜の検討部会では、大切な結論が出ました。
15時にスタートして19時半まで4時間半に及ぶ議論の結果、最後は『多数決』を取って以下の数点が決まりました。
- 子宮頸がん予防ワクチン接種の『積極的な勧奨』を一時的にストップする
- 子宮頸がん予防ワクチンと痛みなどとの因果関係をさらに詳しく調べる
- 調査の途中経過もこの検討部会で検討していく
- その上で、いつ『積極的な勧奨』を再開するかの結論を出す
今後、マスメディアの報道には、「子宮頸がん予防ワクチン中止!」というような記事が出ると思います。
けれども、それは違います。
「中止」ではありません。
検討部会の委員長である桃井真里子さんもこうコメントしています。
「少数の事例であっても、今ある情報では判断しにくい疼痛という問題が出てきた。
適切な頻度などを調べる必要があり、安全を保障するための判断。接種の中止ではないので、打たないと判断もできるし、打ちたい人は今まで通り打てる。
ワクチン自体が安全性に問題があるということではない」
子宮頸がん予防ワクチンには、大きなメリットがあります。
「ワクチン接種をしたい」
という方々がちゃんと接種できるように、フジノは現在の体制をしっかりと続けていきます。
地方自治体の現場は何も変わりません
では、今回の部会の決定で何が変わるのでしょうか?
3つのポイントです。
- これまでどおり、子宮頸がん予防ワクチンの接種は対象となっている方々は『無料』で受けられます。
ただし、無料接種券の送付などは取りやめになります。
- これまでも『強制的』に「打て!」と市区町村がムリ強いしてきてはいません。
ただ、予防接種法の決まりで、市区町村は対象者に対して「どうか接種して下さい」とお願いをしなければなりませんでした。
これを厚生労働省のお墨つきで「どうか接種して下さい」とお願いしなくて良いことになりました。
- 結論から言うと、現場での対応は何も変わりません。
横須賀市ではこれまでもムリ強いして「打て!」なんてことは言ってきませんでした。
ワクチン接種のメリットとデメリットを今までよりもさらに細かくお伝えして、保護者の方々、対象者の方々のご不安に寄り添っていくことに変わりはありません。
以上です。
今回の決定は、市区町村に及ぼす影響よりも、国・政府がやらなければならないことがたくさんあります。
CRPSの事例も研究も全く足りない日本の状況
ワクチンを接種した後に、原因不明の痛みが出てしまう人々がいます。
その症状を『複合性局所疼痛症候群(CRPS)』と呼んでいます。
けれども、この『CRPS』について医学的に判明している原因・治療法などは、ほとんどありません。
それにも関わらず、子宮頸がん予防ワクチンを接種した後に強い症状が出てしまった方々のことを、多くのメディアは「それは『CRPS』だ」と報じました。
実際には、それらが『CRPS』かどうかを診断できる専門家の数も足りませんし、データも不十分ですし、治療法も全く確立されていません。
今後の厚生労働省と日本のワクチン行政の1つの重大な課題は、この『CRPS』の原因究明と治療方法の確立です。
これは必ずやらなければいけません!
16大学病院で穿刺後の痛みに関する調査研究をスタートさせます
また、『CRPS』だけでは調査研究は足りません。
現時点では、ワクチンとの因果関係が明らかになっていない症状が多数報告されています。
例えば、注射した場所ではない部位の痛み(筋肉痛、関節痛、皮膚の痛みなど)、しびれ、脱力感などです。しかも長期間にわたって続くことが報告されています。
そこで、厚生労働省ではこの症状とワクチンとの間に因果関係があるのか調査研究をスタートすることを発表しました。
2013年度の秋をめどに2つの研究班(合計16大学病院)で分析を行ないます。
この調査研究は単なる分析にとどまらず、「併せて適切な医療を提供する目的」も持っています。
現在、様々な症状に苦しんでおられる方々が一刻も早くその苦しみが取り除かれるように、一刻も早く対応に取り組んでほしいです。
被害を受けたこどもたちを一刻も早く救済すべき!
部会が終わった後、娘さんが重篤な症状に苦しむ保護者の方のもとへマスメディアが殺到しました。
そんなマスメディアの姿には『既視感』があります。
ご家族と被害に遭った方々の救済や治療はようやく始まったばかりです。
メディア、そして今は被害者の方々を支援している取り巻きの人々は、これからずっと続く救済と回復の過程にも、どうか寄り添って欲しいです。
今、確かに世間はこの問題への関心は高いです。
けれども日本人はすぐに忘れ去り、別の事柄へとあっという間に関心が移っていきます。
どうかこれからもずっと、被害を受けた方々を支援して欲しいです。
まずは政府が一刻も早く救済に乗り出すこと!
政府・厚生労働省のみなさん、どうか急いで下さい。