4年間の方針を語らない市長
市長選挙によって新しい市長が選ばれた後の最初の市議会では、『所信表明』を行なう慣例になっています。
新たな4年間の任期での政策の方向性を、本会議の冒頭で表明するのです。
もちろん4年前の9月議会では、吉田市長は所信表明を行ないました。
けれども、この9月議会で吉田市長は『所信表明』を行なわない方針とのことです。
今年3月の予算議会において、吉田市長は2013年度の方向性は述べました(年頭の演説を『施政方針』と言います)。
けれども、そのことと新たな4年間の任期を語ることとは全く別です。
市長に再選された以上は、きちんと『所信表明』を行なうべきです。
他候補の政策を選挙直前に自らの公約に取り込んだ吉田市長
吉田市長には『所信表明』を絶対にやらねばならない理由があります。
これまでずっと「やらない」と否定してきたいくつもの政策を、市長選挙の直前になって吉田市長は突然に公約に取り入れたからです。
これまでの4年間の吉田市長の政策とは全く整合性がとれない選挙公約を突然に掲げました。
例えば、下の3つの政策です。
- 横浜横須賀道路の通行料の値下げ
- 小児医療費無料化の年齢の拡大
- 中学校給食の導入
これら3つの政策は、広川さとみ候補が掲げてきた政策です。
吉田市長が「できない」「やらない」と言ってきた政策、あるいは「やる」と述べたことが1回も無い政策です。
けれども、選挙に勝つ為だけに、広川さとみ候補が掲げた選挙公約をパクったのです。
この事実は、神奈川新聞による取材に対して、吉田市長自身も認めています。
吉田市長のパクリの経緯については、小泉進次郎代議士の演説でもしばしば語られてきました。
下の引用は、6月21日の広川さとみ候補の決起集会での小泉進次郎代議士の演説からの引用です。
(略)
私は3日前、朝の新聞の折り込みに入っていた吉田市長の政策パンフレットを見て、非常に悲しく、寂しく、率直に言って怒りがこみ上げてきました。
先ほど広川さんがお話されましたが、広川さんの掲げた政策の大きな柱がいくつかあります。
中学校の給食をやりたいという想い。
広川さんはそれをずっと訴えていて、そういった中で吉田市長は記者会見の場で「財源がないのにそれは無責任だ」という非難をされている。
吉田市長はやらないと言う決断だとしたら、私はそれもひとつの考え方だと思います。
だけども全く同じ中学校給食をやると言う事を書いてた。
私はわからない。
小学校2年生まで医療費を無料化にすると決まってる今の横須賀の状況、広川さんは6年生まで何とかやりたいと。
吉田市長の1期目で横須賀市議会の皆さんが何を求めてきたかと言ったら「なぜ2年生までなのか?もっと対象拡大すべきじゃないか?」と訴えてきたのが横須賀市議会。
だけども「財源がないから拡大するのは出来ない」と言ってきたのが吉田市長。
それが今、政策のパンフレット・今日のタウンニュースの広告には広川さんと全く同じ事を書いてきた。小学校6年生までやると書いてきた。
何故なんです?
横浜横須賀道路の通行料金の値下げ、これをやるには広川さんが言った通り、これをやるには国とのパイプが不可欠です。
もしも吉田市長もそれをやりたかったら、1期目の時にそういった想いを口にしていたならば、今回掲げるのも理解は出来る。
だけども1度もそう言う事なく、今回の自分の政策の中で同じく横浜横須賀道路の値下げを書いてきたことは、私にはわからない。
今まで吐いた言葉はどこに行ったのか?
政治家っていうのは筋を通すとか信念を貫くとかそういったものって物凄く大切だと思う。
自分たち横須賀市民の代表者として仮に政策や立場が違っても、この人はそれをずーっと貫いてきた人なんだってわかれば、それはその人の生き方だと思えるじゃないですか?
だけども今まで言ってこなかったのに、選挙に勝つために選挙で争点を消すために、同じ政策を掲げて来て争点をなくしてどんな戦いに持ち込もうとしてるんですか?
広川さんと吉田市長、同じ様な政策を掲げてるんだったら若い方を選んでくれって言いたいんですか?
私は違うと思う。
仮にそうやって争点なくしてきて、どちらを選ぶのか?と言われれば、書いた事を出来る人です。
書いた事を出来る人が、国との信頼関係があり、県とも協力関係が構築出来、市議会ともこれから協力・信頼関係が築ける。
それは広川さんだ。
私は何が寂しかったか?
そういった選挙のための争点を消すために相手が訴えてきた事を、同じく自分の政策として掲げてこられた。
寂しいですよ。
(略)
「所信表明」をやらない理由は、吉田市長には政策を実現できないから
フジノは政治家ですから、より良い政策を他の政治家がマネることはあるべきだと考えています。
しかし、これまでの吉田市長の政策とは全く整合性が取れていません。
だから、吉田市長はこの4年間でどうやってそれを実現するのか具体的な『手段』と『スケジュール』と『財源』を市民に説明しなければならないのです。
にも関わらず、『所信表明』をやらない。
それは
「やっぱり政策を実現する為の道筋も無いままに選挙公約に突然掲げたのだ」
としか言いようがありません。
「他人の政策をパクっただけだから、実現する為の『手段』も無いし、『スケジュール』も『財源』も考えていないのだ」
とフジノは言いたい。
まともな市長ならば、選挙公約で掲げた政策を今後4年間でどう実現するのか、きちんと語るべきです。
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再選された吉田市長に対する一般質問は、9月5日と24日の2日間の予定です。
誰が市長であろうといつも是々非々で臨んできたフジノは、もちろん今回も一般質問を行ないます。