わが国の若年性認知症への支援はようやくスタートしたばかりです
『認知症』は、高齢の方々だけが発症するのではありません。
本当に若い、働き盛りの方々でも『認知症』を発症します。
ご高齢の方々の認知症とは区別して、18〜64才と若くして発症した『認知症』のことを『若年性認知症』と呼んでいます。
わが国で若年性認知症を発症しておられる方々の数は、約3万8,000人と推計されています(「若年性認知症の実態と対応の基礎基盤に関する研究」2009年)。
神奈川県内では2,750人と推計されています(2010年1月)。
若年性認知症には、ご高齢の方々の認知症とはまた異なるいくつもの課題があります。
- 働き盛りで若くて体も元気な上に、まさかこの若さで認知症を発症するとは思いもしない。だから受診も遅れてしまう。
- おこさんが思春期にさしかかった時期であることが多く、まだ若い親御さんの言動が急変したことを受け止められない。
けれども、若年性認知症への支援は、以前記したように、ようやくスタートしたばかりです。
2013年3月4日の活動日記にも記したとおりですが
まず、認知症そのものの支援が進んでいない為、国としては2013年度から新たに『認知症施策推進5か年計画(オレンジプラン)』がスタートします。
『オレンジプラン』の大きな7つの取組みの6番目に若年性認知症も取り上げられましたが、これだけしか記述もありません。
国としての取り組みもまだまだです。
東京都では、NPOに委託することで若年性認知症についてのワンストップでの相談窓口を開設しています。
一方、神奈川県としての取り組みは、まだ進んでいません。
県の審議会での議論では「いち市町村にできることは限られている」という専門家の意見もありました。
国・県が動かないなら横須賀市が動きます
しかし、「いち市町村からできることを積極的に取り組まねばならない」とフジノは考えています。
そこで、たびたび若年性認知症への支援を市議会の場で訴えてきました。
さらに、家族会のみなさんが長年にわたって一生懸命に活動に取り組んできて下さいました。
そうした活動が実って、2012年度、横須賀市は『若年性認知症への支援』を初めて予算化しました。
そして今年度(2013年度)も、横須賀市は新たな取り組みをスタートします。
若年性認知症サポーターの養成講座を行ないます。
若年性認知症サポーターを養成します!
以下に、横須賀市からのお知らせを掲載します。
〜一緒にサポーターになりませんか〜
18~65歳未満に発症する若年性認知症は働き盛りの方が多く、高齢期の認知症と異なる様々な問題を抱えます。現行の高齢者の認知症対策では対応できない多様な支援が求められており、若年性認知症の方の社会参加には周囲の配慮やサポートが必要です。
そこで横須賀市では、公益社団法人「認知症の人と家族の会神奈川県支部」の協力を得て、若年性認知症の支援者の人材育成として、若年性認知症のサポーターを養成する講座 を行います。
第1回 | 第2回 | 第3回 |
7月29日(月) 14:00~16:00 | 8月19日(月) 14:00~16:00 | 9月17日(火) 14:00~16:00 |
総合福祉会館5階視聴覚研修室 | ヴェルクよこすか6階第1会議室 | ヴェルクよこすか6階第1会議室 |
川崎幸クリニック院長・公益社団法人認知症の人と家族の会代表 杉山孝博先生 | 臨床心理士・稲富正治先生、若年性認知症ご本人と介護家族 | 臨床心理士・稲富正治先生、若年性認知症ご本人と介護家族 |
若年性認知症の理解 | 若年性認知症の対応と心理的理解 | 若年性認知症の人と家族へのインタビュー |
若年性認知症について医師がわかりやすくお話します。 | 若年性認知症の介護家族がたどる4つの心理ステップについてお話します。 | 若年性認知症の人の気持ちや介護されているご家族のご経験を伺います。 |
手話通訳あり。
対象:市内在住・在勤・在学で、第1~3回全て参加できる方
定員:先着60人
申込:7月11日(木)~7月25日(木)までに電話・FAX でコールセンターへ
要予約:同伴する若年性認知症の人のお世話を希望する人は、7月22日(月)までに担当課へ予約が必要です。定員は先着5人。
横須賀市からのお知らせは以上です。
どうかあなたもぜひご参加下さい。よろしくお願いします!