3日間にわたり「HTLV-1研究会・シンポジウム」が開催されています
今日は、東京・白金台の東京大学医科学研究所へ向かいました。
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東京大学医科学研究所
『第6回HTLV-1研究会・シンポジウム』に参加してきました。
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第6回HTLV-1研究会・シンポジウム
この研究会は、世界中から研究者が集う『第3回HTLV-1国際シンポジウム』と『第2回ATLシンポジウム』とともに合同開催されています。
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HTLV-1研究会も今年で6年目となりました
昨日から明日までの3日間にわたって、基礎研究から臨床まで様々な研究発表が行なわれます。
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白金台の東京大学医科学研究所
HTLV-1とは、ウイルスの名前です。
成人T細胞白血病(ATL)・HTLV-1関連脊髄症(HAM)・HTLV-1ぶどう膜炎(HU)を発症させるウイルスです(詳しくは厚生労働省の『HTLV-1』対策のコーナーをぜひご覧下さい)。
このウイルスのキャリアは、全国で100万人以上にのぼります。つまり、約100人に1人の割合になります。
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HTLV-1とは?
かねてから、フジノはこう宣言してきました。
「政治家として3期目に当選したら絶対に取り組むのだ」とフジノがこころに誓ってきたのが『HTLVー1』対策です。
今も『HTLV-1』によって発症する病気(ATL、HAMなど)を完治させる薬は、開発されていません。
しかし、それでも政治家がしっかりと動けば、未来のある時点までに必ずこの病を撲滅することができるのです。
ウイルスの感染源で最も多いのが、赤ちゃんにお母さんがあげるミルク(=母乳感染)でした。ウイルスのキャリアであるお母さんを発見して、母乳からの感染を絶つことで防ぐことができるのです。
国全体の動きとして、2年前(2011年)にようやく妊婦検診のチェック項目にHTLV-1が加わりました。
横須賀市では、フジノの提案を受けて2011年10月、『HTLV-1母子感染予防対策の研修会』を神奈川県内では初めて開催しました。
けれども、まだまだこのウイルスについても病気についても広く知られてはいません。
さらなる対策をとっていくことがフジノの使命だと考えています。
母子感染対策によってHTLV-1を撲滅したい
あらゆる分野の研究発表が膨大な数にわたって行なわれるので、全てを聴くことはできません。
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口頭発表の様子
フジノは自らの問題意識から、母子感染対策に関わる研究発表・ポスターセッションに参加してきました。
「新しくなったHTLV-1母子感染対策事業―医師、看護師、助産師、保健師、行政との共働―」
●一般演題口演:疫学・感染予防ほか
- 「HTLV-1キャリア妊婦から出生した児の臍帯血中HTLV-1抗体価およびプロウイルス量に関する検討」
- 「HTLV-1抗体陽性妊婦からの出生児のコホート研究 中間報告」
- 「自治体との連携によるHTLV-1ウイルス関連疾患診療ネットワーク構築の試み」
- 「HTLV-I感染リスクの推定:性感染は弱くない」
- 「ATL患者の多重がんの発生頻度と発生間隔」
- 「HTLV-1感染と気管支喘息死亡との関連:地域相関研究」
口頭発表は、『母子感染について』を聴いてきました。
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自治体との連携についての発表
全国の都道府県に対して『HTLV-1母子感染対策協議会』の設立が求められて、神奈川県も含めて設立そのものは行なわれてきました。
ただ、研究発表の多くでも指摘されていたのですが、枠組みだけ作っても実際に機能していないところが多いとのことです。
母乳を制限すればいい、なんて言葉で言うのは簡単です。
けれども妊娠が分かって喜びに満ちているお母さんをはじめとする方々に、『HTLV-1』に感染している(=キャリアである)事実をお伝えすることだけでも大きなショックを与えてしまいます。
カウンセリングの体制がしっかり整っている病院や自治体はほとんどありません。
そんな中で、赤ちゃんと言えば「自分の母乳で育てなければならない」というふうな考え方が支配的なわが国において、母乳をあげない(人工乳を推奨する・母乳は短期間のみにする)ことはとても難しいです。
もっともっときめ細やかな対応が必要です。
諸外国のように、母乳バンクが日本にもあれば、ドナーミルクを提供していただくことができるかもしれないのですが・・・。
これは将来的なわが国の重要な課題だと思います。
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母子感染予防対策についての発表
さらに出産してからの対応も不可欠です。
保健師・助産師・看護師などの関係者のみなさまの協力によるフォローアップ体制づくりも重要です。
まだまだやるべきことがたくさんある、と改めてフジノは感じました。
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ポスターセッション会場にて
明日は公開シンポジウムが開催されます!
明日は、広く市民のみなさまに向けた公開シンポジウムが開催されます。
「知って下さい HTLV-1を〜聞いて!活かして!キャリア・患者の本音〜」
- 司会:菅付加代子(特定非営利活動法人 スマイルリボン代表)
- パネリスト:神崎 稔章(ATLネット会員)、久保田 孝子(全国HAM患者友の会関東支部長)、蒲生 未知夫(スマイルリボン会員)、池上 真弓(キャリアママの会 カランコエかごしま代表)
課題
- (現状)困ったこと-診断〜治療・相談
- (要望)求めたいこと-行政、診療、研究
- (対策)それぞれの立場でできること-医者、患者、キャリア、行政
どうかひとりでも多くの方に『HTLV-1』について知っていただきたいと願っています。
ぜひ、ご参加ください!