決算を審査する分科会がスタート
1ヶ月にわたる9月議会も、後半戦の最後にさしかかりました。
今日から丸1週間、決算委員会が開かれます。
決算委員会では、4つの分科会に分かれて決算審査を行なっていきます。
フジノの所属する教育福祉常任委員会では、まず『健康部』の決算審査を行ないました。
今日の審査を通して『とても大きな成果』が得られましたので、さっそく市民のみなさまに報告いたします!
健康部の決算審査で得た大きな成果
それは
来年度から『保健所』で『特定保健指導』をスタートする
と、保健所長が明言したことです!
これはフジノが「どうしてもやらなければならない」と考えてきたことです。
来年度からこの取り組みが実現すれば、市民のみなさまにとっても必ず良い影響をもたらすはずです!
特定健診とは?
かつては「病気の早期発見・早期治療が大切だ」と言われていました。
しかし、今では「そもそも病気にならないように予防する/もしも病気になっても重症化させない」ということが、保健医療福祉の大きな流れになっています。
具体的には、誰もが健康で長生きをしていかれる為にも『健康診査(健診)』を受けることがとても大切です。
ここでぜひみなさまに覚えていただきたい専門用語があるのですが、『40才〜74才の方々』にうけていただく健診のことを『特定健康診査(特定健診)』と呼んでいます。
『特定健診』を受けると、生活習慣病を発症するリスクが分かるようになります。
現在、横須賀市では『国民健康保険に入っている40〜74才の全ての方々』に対して、『特定健診』の受診券を毎年お送りしています。
この受診券が届いた市民の方々は、市内130ヶ所を超える医療機関で『特定健診』を受けることができます。
お住まいの身近にある診療所や病院で、気軽に受診することができるのです。
ただし、現在の横須賀市の特定健診の受診者数は、とても少ないです。
対象者 | 受診者数 | 実施率 |
---|---|---|
8万9,056人 | 2万887人 | 23.5% |
実施率はわずかに23.5%。対象者の4人に1人も受けていないのが現状です。
フジノは一般質問でもたびたび取り上げてきましたが、これを改善していくのがフジノの目標の1つです。
特定保健指導とは?
ただ『特定健診』を受けるだけでは、意味がありません。
その結果を、生活習慣を実際に変えることに結びつけていかなければいけません。
ただ、ずっと続けてきた生活習慣や行動を自分ひとりきりで改善することはとても難しいです。
長い間に培われてきた生き方を変える訳ですから、たとえ健診結果が悪いと分かっても、長年培われてきた生き方を自分だけで変えることなんて簡単にはいきません。
そこで、プロの専門家(医師・保健師・管理栄養士など)があなたと一緒になって生活習慣を改善する為にサポートしてくれる制度があります。
これが『特定保健指導(保健指導)』なのです。
しかし、こんなに素晴らしい制度が横須賀市では全く利用されていません。
対象者数 | 受診数 | 実施率 |
---|---|---|
2,083人 | 126人 | 6.0% |
たったこれだけなのです。
市民のみなさまが健康で長生きをする為の仕組みがこれでは全く活かされていません。
「保健指導」が受けづらい横須賀の現状
市民のみなさまが健康に長生きできるようになる上で、この『保健指導』を受けられることはとても大きな意味があります。
しかし…。
残念ながら、横須賀市民のみなさまが『保健指導』を受けることができる医療機関は、現在わずか26ヶ所しかありませんでした。
『特定健診』は誰もが身近な医療機関(約130ヶ所)で受けられるのに、『保健指導』を実施している医療機関はとても少なく市民のみなさまが受けづらい現状があります。
これを変えなければなりません。
そこで、フジノは『保健指導』を1人でも多くの方々に受けてもらえるような仕組みづくりを目指してきました。
それが
保健所で『保健指導』が実施できるようにすること
です。
現在、保健所では『特定健診』だけ実施しています。『保健指導』は実施していません。
けれども保健所で『特定健診』を受ける方々の数はとても多く(平成24年度実績3,644人)、市内医療機関の中では最大です。
それならば、保健所で『特定健診』を受けた方々がそのまま一貫して『保健指導』を受けられるようになれば、いいのです。
『保健指導』を受けられる他の医療機関をわざわざ探す必要もなく、行き慣れた場所で受診もしやすく、多職種の専門家も揃っており、まさにあらゆる意味で便利です!
必ず『保健指導』の実施率が上がるはずです。
実施率が上がれば、健康で長生きできる市民の方々の数も当然増えていきます。
だから、横須賀市の保健医療福祉改革の中で、保健所での『保健指導』の実施はフジノがどうしてもやらなければならないことの1つでした。
それが実現することになったのです!
決算審査でのやりとりはこんなでした
きっかけは、健康部との決算審査の中で、浜野まさひろ議員が行なった質問でした。
出席している健康部の全ての課長に対して、各課が抱える課題は何かと質問したのです。
(浜野議員) 各課長にお聞きしたいのですが、今、健康部各課長が抱える自分の課の1番の課題は何だとお考えか、お聞きしたい。 |
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(保健所長) 保健所としましては、前回の委員会等でも医療費の問題も出たところがあります。それに関連したという意味もありまして、市民の健康づくりをより進めていきたいというふうに考えております。 1つとしてはがん検診。胃がんのリスク健診については導入してかなり大きな効果をあげていますので、それを継続しつつ、またより効率的ながん検診を検討していきたと思います。 それから、これも話題になった特定保健指導の実施率が市内でも非常に低いということがありますので、保健所も受託者の1つとして、健診の大きな受託者の1つですので、特定保健指導を進めていきたいというふうに考えています。 感染症に関しましても普及啓発という形で考えているところでおりますけれども、肺炎等の予防など医療費の抑制につながるというのがありますので。高齢者等の肺炎球菌などワクチン等の普及啓発に力を入れていきたいと考えております。 |
浜野議員による再質問は無く、質疑は終わりました。
各課長の答弁を聴いておられた他の議員のみなさまも、その後の質疑でこの答弁に触れた方はおらず、さらりと流れていきました。
でも、フジノは聞き逃しませんでした!
それどころか、保健所長の答弁を聴いた瞬間に、心の中では「やったぞ!」と叫んでいました。
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そして、最後に質疑の順番がフジノへと回ってきました。
そこで、改めて保健所長にハッキリと明言してもらおうと決めて、以下の様な質疑を行ないました。
(フジノ) 『特定健診』の『保健指導』についての課題を伺いたいと思います。 先ほど浜野議員のご質問に保健所長が保健指導の課題についてお答えていただいていたと思います。 もう少々詳しくお話いただけないでしょうか? |
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(保健所長) 『特定保健指導』には、『積極的な支援』『動機付け支援』があります。 生活習慣病になる前の段階の予備軍の方々に、早期に運動ですとか食事ですとか、認識を持っていただくというのが非常に大事なことだと思います。 そういう想いがあったのですが、これまで保健所では『特定保健指導』を実施できていませんでした。 来年度からは特定保健指導について取り組んでいきたいというふうに思います。 |
よし!
保健所長が来年度から『保健指導』をスタートさせると明言しました!
もちろん、来年度のことは来年度予算案が通らなければ確実ではありません。それでもこれだけ保健所長が明言したということは、実現に向けて予算要求も着実に行なっているということだと思います。
フジノの1つの悲願が実現することになりました!
何よりも、市民のみなさまにとって本当に良かったです。
それでもこれはゴールではありません
保健所が『特定保健指導』に乗り出すことは、大きな第一歩です。
しかし、これはゴールでも何でもありません。
すでに『保健指導』に乗り出している医療機関はたくさんあります。
実は、そうした医療機関の多くが「いかに『保健指導』が効果的かつ効率的に実施できるか」を悩んでいます。
動機付け支援・積極的支援という仕組みは万能ではありません。
受診者の方々をサポートする専門家(医師・保健師・管理栄養士ら)が一生懸命に努力をしても、長年の生活で形作られた生活(行動・食習慣・運動習慣など)を変えていくことは本当に難しいからです。
こうした意味で、健康づくりの為に先進的に取り組んできたまちに比べたら、横須賀市は何周も遅れて走っているのです。
2025年に向けて、全速力で横須賀市は追いついていかなければなりません。
もちろん、横須賀市よりも取り組みが遅れているところは全国にいくらでもあります。
けれども、後ろをみて安心なんかしていてはダメです。
市民のみなさまの暮らしを守る、いのちを守る。
その為に、保健医療福祉改革を含めた社会保障改革をフジノたちは全身全霊をかけて進めていかなければなりません。
今日は1つ良い報告をできましたが、まだまだやるべきことはあります。
どうかこれからも全力で活動していきますので、市民のみなさまも厳しく見守っていて下さいね。
よろしくお願いします。