反貧困世直し大集会2013へ
今日は、東京・四谷区民ホールで開催された『反貧困世直し大集会2013』に参加しました。
2008年から毎年、反貧困世直し大集会が開催されてきました。
フジノは2010年以来3年ぶりの参加となりました。
今日のプログラムは下の通りでした。
- オープニング
- 映画上映「逃げ遅れる人々」「メトロレディーブルース」
- 当事者発言 法律お役立ち さまざまな人のリアルな声を聞こう
- パネルディスカッション「反貧困運動のこれから」
- STAND UPアクション
Ustreamでも録画(ダイジェスト)が観られますので、ぜひご覧になってみて下さいね。
この国では様々な課題を抱えた人は「貧困と自殺へと追い込まれていく構造」がある
『当事者発言』では、10名の様々な立場の方々からお話を伺いました。
- 精神障がいのある方の立場
- 生活保護を受けている方の立場
- セクシャルマイノリティの立場
- シングルマザーの立場
- 水商売で働かざるをえない方の立場
- 東日本大震災の自主避難者の立場
などなど様々な立場からのお話でした。
みんな、フジノが政策として大切にしている問題の、それぞれの渦中におられる方々でした。
この国に生きている限りは、はじめはそれぞれの課題はバラバラであっても、やがてそれぞれの課題が深刻化していくにつれて『貧困』という1つの状態へとみな追い込まれていくのです。
日本のあらゆるマイノリティの方々が置かれている現状というのは、すり鉢状のアリ地獄みたいになっているのを感じます。
その渦の奥には『貧困』があって、そのさらに一番奥には『自殺』があります。
11年前にフジノは『自殺』と闘う為に政治家になりました。『自殺』を無くす為の取り組みを始めていくと(つまりアリ地獄の底から上を見上げてみると)すぐにそこへと追い込まれていく人々のあらゆる課題が見えてきたのをおぼえています。
自殺を無くす為には、このアリ地獄そのものをぶっ壊さないといけません。しかし、アリ地獄を壊すにはとてつもなく時間がかかります。
そこで、その破壊作業を地道に取り組みながら、同時にアリ地獄に落ちそうな人をそもそも落ちてこないようにしなければならないと取り組んできたのが僕の11年間でした。
10名の方々のお話を伺いながら、そんなことを思い出していました。
たとえ現状がどんなに厳しいものであっても直視して闘っていかねば
パネルディスカッションはめちゃくちゃインパクトあるお話をたくさん伺うことができました。
赤石千衣子さん(しんぐるまざあず・ふぉーらむ)が司会、パネリストは下の3名です。
有利子の奨学金の返済に苦しんでいる人々の存在は、とても身近です。フジノの親友も、大学卒業後10数年にわたって返済を続けていました。
今では現在の大学生の50%以上が奨学金を受けているとのこと。奨学金がもはや『貧困ビジネス』と化している現状を知り、暗澹たる気持ちになりました。
それでもとにかく現状を見つめて、その状況をとにかく打ち砕いていくことが必要だと改めて感じています。
大内裕和さんが取り組んでいる『愛知県学費と奨学金を考える会』『奨学金問題対策全国会議』の活動には、フジノも関心をもって見つめていこうと思います。
集会宣言
最後に、集会宣言を採択しました。
集会宣言
私たちが経験している生きづらさには、貧困という名前があると気がつき、その姿がみえるようにとりくみはじめて6年がたちました。
その問、私たちは、どんな社会を実現すれば、この生きづらさから抜け出せるのか、考えをだしあってきました。理想の社会に至るには、いくつもの道があるけれど、ひとつだけ一致しているのは、私たちが目指すべきものは、誰もが尊厳をもって生きることができる社会でなくてはならないということです。そして、私たち自身が、私たちの未来を決める主人公であることです。
仕事の仕方や家族のあり方など、私たちの生き方を国が決めて、社会保障や税や雇用は、国が決めた生き方にあてはまる人だけを優遇する。貧困から抜け出したいならば、どんな仕事でもえり好みするなといわんばかりの雇用対策。そんなふうに国が決めた生き方にあてはまらないがゆえに、私たちは、生きづらい思いをしています。私たちは、反貧困ネットワーク結成以来、社会保障や税や雇用のあり方を、社会の現状にあわせて変えることを訴え続けてきました。
でも、政府は、変わらなければならないのは、私たちのほうだ、といわんばかりです。私たちは、園が決めたとおりに生きて働き変わらなければならないのでしょうか。
企業がもっと儲かって、お金持ちがもっとお金持ちになれば、社会全体がうるおって、おこぼれが下のほうにも回ってくる。だから企業にはやさしく法人税は減税。企業を儲けさせるために生身の人聞を犠牲にする。生活保護を削減し、何時間残業してもカウントゼ口、解雇しやすいように労働の規制を緩和する。その上、所得が少ない人のほうが負担が大きくなる消費税は増税。また、東京電力福島第一原発事故から、2年7カ月が経ちましたが、故郷を追われた多くの人々が、今なお、困難な中での避難生活を強いられています。貧困問題は、より一層深刻化しています。
現実を直視せずに、オリンピックで景気と気分を高揚させれば何とかなるなど、今はもう通用しません。半世紀前の高度成長期の産業社会の論理では、私たちの生きづらさは解消されることはありません。国が決めた生き方にあわせて私たちが変わることはできないし、そんなことは解決策にはなりません。私たちは、今日の集会での議論をつうじて、貧困問題は社会全体の問題であり、私たち誰もが人間らしく生きることができるように、制度のほうを変えなくてはならないことを、再確認し、これからも声をあげ、行動することを宣言します。
2013年10月14日(月・祝)
集会参加者一同
全てのプログラムが終わって外を観ると、秋の夕暮れでした。
雨宮処凛さんとの再会
雨宮処凛さんと再会しました。山本太郎参議院議員の選挙ぶりです。
実は、今日のパネルディスカッションの最中に、社民党の党首選挙の結果、石川大我さん(豊島区議会議員)が敗れてしまったことが分かりました。
雨宮さんともこのことについて「とても残念」「でも出馬によってマスメディアでも報道の仕方がかなり改善された」といったことをお話しました。
フジノはちょうど今、雨宮処凛さんの新著『バカだけど社会のことを考えてみた』を読んでいます。
何度お会いしても本の著者とお会いするのって、不思議な感覚です。
しかも、自分がその雨宮さんの本(『生きのびろ!~生きづらい世界を変える8人のやり方~』に掲載されているというのがいまだに実感がありません。
「雨宮さん、最近僕はすっかりうつ病とパニック障害がひどくて、『生きのびろ!』に取り上げてもらった頃のようにはがんばれなくなってしまいました」
とフジノは愚痴ったのですが、雨宮さんは笑顔で
「あの勢いで暴走し続けるよりも、それくらいのペースでずうっと生き続けていく方がいいよ」
と応えてくれたのでした。
そうだ、あの本のテーマは「生きのびる」ことだった。
いろいろなことに追い込まれてしまって、僕自身がそれを忘れてしまうところだった。
みんな、生きのびよう!