地域連携コーディネーター養成講座へ
都内へ移動して、大学院にて『地域連携コーディネーター養成講座』の聴講です。
今夜の講師は、秋山正子さんです。
フジノがちょうど今読み終えたばかりの本に秋山さんのことが紹介されていました。
財政破綻した夕張市の医療再生に取り組んできた村上智彦さんの著書『医療にたかるな』(新潮社、2013年)の『おわりに』で、秋山さんについてこのように記されています。
NPO法人「白十字在宅ボランティアの会」理事長の秋山正子さんには、夕張で訪問看護ステーションを立ち上げる際に、多大なお力添えを賜りました。
「市ヶ谷のマザーテレサ」と呼ばれる秋山さんの存在が、若い看護師たちにとってどれほど心強いものであったか、言葉では言い表せません。
Wikipediaでも秋山さんは「市ヶ谷のマザーテレサ」として記されています。
秋山さんは、新宿区の都営戸山ハイツの空き店舗に新たに設立された『暮らしの保健室』の室長をしておられます。
高齢化率48%の戸山ハイツに「暮らしの保健室」設立
『暮らしの保健室』は、毎日の暮らしの中で困りごとなどあらゆる相談を受け付ける相談支援の場です。
学校の保健室のように、ちょっと具合が悪い時、悩みや心配ごとがある時、何もなくても誰かと話したい時に、気軽に立ち寄れる場があればいいのに。
20年以上にわたって訪問看護を行なってきた秋山さんのこんな想いから、『暮らしの保健室』はスタートしました。
この戸山ハイツは、高齢化率が48%を超えています。
高齢化率45%というとものすごいイメージかもしれませんが、横須賀にはそれを上回る高齢化率60%超の『県営かもめ団地』があります。
『かもめ団地』では『ホットタイムなごみ』という団地カフェを行なっています。
戸山ハイツにおける『暮らしの保健室』は、ちょうど似たような位置づけです。
多職種が無料で何でも相談にのってくれるワンストップの場
保健室ですから、誰でも気軽に訪れることができます。
相談は無料。
看護師・保健師・薬剤師・栄養士などの専門職が対応、医療・介護・生活の困りごとを何でもワンストップで受け止めてくれます。
地域の病院やクリニック、訪問看護や介護事業所、保健所や区役所の福祉課、地域包括支援センター、社会福祉協議会などの、多くの機関と連携しています。
さらに、いつもたくさんのボランティアの方々が常駐しています。
この取り組みは、『在宅医療連携拠点事業』のモデル事業に2011〜2013年に選ばれました。
(*横須賀では翌2012年、105事業の中の2つとして横須賀市医師会とチーム衣笠が選ばれています)
「地域での保健」こそ、今後は最重要!
こうした取り組みは、現在フジノが横須賀で進めている『保健施策の強化の取り組み』(例えばこちらやこちら)とたくさんの共通点があります。
こどもから中高年までの、生涯を一貫した『保健』の取り組み。
それは「生活習慣病にならない」「介護を予防する」ことにもなります。
さらに、『病院での看取り』ではなく、『在宅での看取り』にもつながっていきます。
今夜の講義は、フジノ自身が横須賀での取り組みをさらに進めていく上でとても励まされる内容だった気がします。
参考資料
『暮らしの保健室』について、さらに詳しい内容を知りたい方はぜひこちらもご参照下さい。
- 新宿区ホームページ『暮らしの保健室』オープニング式典
- ニッセイ基礎研究所レポート
- 『暮らしの保健室』フェイスブックページ
- 読売新聞「暮らしの保健室」を作り、住民相談に応える秋山正子さん
その1、その2、その3 - 『介護・福祉の応援サイトけあサポ』
新宿区戸山ハイツに開設された「暮らしの保健室」~その実践と効果~
後日追記(2014年9月7日)
秋山正子さんと『暮らしの相談室』の取り組みが、2014年9月7日(日)のNHKスペシャルで放送されました。
50分間の短い番組でしたが、とてもよくまとめられていました。
この番組を通して、全国に取り組みが広まることをこころから願っています。