議論がやや活発化した国民健康保険運営協議会
今日は、『国民健康保険運営協議会』が開かれました。
この『国民健康保険運営協議会』とは、法律で定められた重要な議論の場です。
市(事務局)から出された提案はまずここで議論されて承認された後で初めて市議会へと提案されます。例えば、みなさんの保険料を決めたり、制度などでおかしいと感じることは問いただすこともできます。
けれども、フジノがこれまで傍聴し続けてきた限りにおいては、重要な場であるにもかかわらず議論が全くありませんでした。
形だけの議論の場になってしまっているとすれば、それは2つの理由があります。
- 委員としての人選ミス
- 事務局による活性化の努力不足
そこでフジノは、9月議会の教育福祉常任委員会において、この点を指摘して改善を求めて質疑を行ないました。
『国民健康保険運営協議会』を傍聴させていただいて、毎回感じるのは、残念ながら議論が活発ではないということです。
会長は有識者でありますし、研修も受けておられるということで安心して見ていられるという感じですが、僕が傍聴した会議によっては、協会けんぽの方がお1人発言したのみであったり、あと質疑も一切ないままに終ってしまうこともありました。 この『国民健康保険運営協議会』というのは、制度の成り立ちから見たら、ここがまさに重要なポイントで、被保険者の代表も入って頂いている。 値上げの話ですとか財政の話になれば、もっと議論が出てもよいはずだと考えているのです。 任期を迎えるに当たっては、メンバーの人選などももう少し考えていただくべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。 |
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答弁者=健康保険課長 委員の任期については、9月13日まででございます。9月14日以降の2年間の任期の新委員ということで今募集、推薦等をさせていただいています。 その中で、2名の方については公募委員という形で公募をかけまして、先日、面接等をさせていただいて決まっております。 それ以外の方については、公益委員・支払い側の委員・被保険者の委員という形で各5名ずつ、プラス被用者保険代表ということで協会けんぽの1名の計16名という形になっております。公募委員の2名以外の方については、それぞれの団体のほうで推薦をいただいて、うちのほうで委嘱させていただいておるという実態でございます。 |
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同じく特別会計である『介護保険運営協議会』を傍聴することもあるのですが、活性化するようにうまく持っていっているのですね。事務局の頑張りもあると思います。
例えば、介護保険料であれば値上げがありましたので、その値上げについての批判的な御意見が出たりしました。国民健康保険だって実際の被保険者の方々にまちに出て意見を聞けば、皆さん値上げに反対だと思うのです。でも『国民健康保険運営協議会』の場ではそういう話は出ない。 それはもしかしたら事務局が事前のブリーフィングでしっかりと根回しをして、運営協議会では意見が出ないのかもしれないのですが、やはり議論が出る場であってほしいと思うのです。 『運営協議会』の場で御理解いただけなければ、議会でも理解を得るのは難しいし、ましてや市民全体に理解を得るのは難しいという、よい意味で第一関門であってほしいと思うのです。 今の事務局案の追認機関のような、前の任期のような形であれば、開いている意味が正直わからないという思いもあります。 その場で議論が百出すればいいという意味ではなく、制度の今後を一緒に考えていただくパートナーとしてこの『運営協議会』を活性化していっていただきたいと思うのですが、課長、いかがでしょうか。 |
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委員おっしゃるとおり、この『運営協議会』は、国民健康保険の重要事項を審議するという位置づけで国民健康保険法による法定設置という形の協議会でございます。
国民健康保険制度そのものが複雑多岐にわたっていてなかなか理解というのが難しい部分でございますが、うちのほうとしては、そういった重要事項を審議する協議会の本来目的に関して、わかりやすく説明、または委員各人の意見を反映できるような形でこの協議会を今後進めていきたいと考えております。 |
こうして迎えたのが、本日の新しいメンバーによる初の『国民健康保険運営協議会』です。
傍聴を終えた最初の印象としては、全ての委員が必ず発言しておられて明らかに活性化したと思います。
ただ、まだまだ制度の基本的な理解をしておられない委員の方も多く、単に制度の仕組みを尋ねる「これはどういうものですか?」という質問も多かったです。
『議論』にはなっていないことも多くありましたので、ぜひ委員のみなさまには国民健康保険の制度に対する理解を深めて頂きたいと感じました。
2013年度決算見込みは、黒字12億円へ
さて、今日の『国民健康保険運営協議会』では今年度(2013年度)前期の実績をもとに、通年での収支見込みの推計が報告されました。
それによれば、なんとか12億円の黒字が見込まれました。
2013年度決算見込み | |
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歳入 |
503億8339万円 |
歳出 |
491億5806万円 |
差引 |
12億2530万円 |
黒字(見込み)となった理由は、下の3つです。
- 2013年度は、保険料の値上げを行なったこと
- 2012年度の繰越金が予算よりも4億2000万円増加したこと
- 2013年度の保険給付(医療費の支払い)が6億3000万円減少したこと
この3つの原因全てが、あくまでも一時的な現象にすぎません。したがって、この黒字12億円は2014年度の赤字ですぐに消える見込みです。
さらに、資料として今後5年間の推計も出されていましたが、2017年度には赤字44億円の見込みとなっています。
引き続き、国民健康保険の財政は厳しいままです。単年度(ある1年間)の黒字では、一喜一憂することはできません。
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今日の『国民健康保険運営協議会』の結果は、続いてフジノたちのいる市議会へと議論の場が移ります。
国民健康保険を守ることは、全ての人が医療を受けられる為の最後のセーフティーネットです。
フジノは社会保障を守る為に、全力を尽くしていきます。