小児医療費無料化の対象が1才拡大へ
現在、横須賀市では小学校2年生まで『小児医療費』を無料としています。
この12月議会で、新たに来年4月から無料化の対象を小学3年生までに拡大する議案が提出されました。
同時に、小3への拡大に対応する為の費用307万円の補正予算案も出されています。
- システム回収費用
- 医療証発行・郵送費用
すでに両議案とも、委員会・分科会において『可決』されましたので、明日12日の本会議(最終日)でもほぼ確実に『可決』される見通しです。
新たに必要となる財源は、1年間で約8400万円の見込みです。
さらなる年齢の引き上げについては「実施計画」に盛り込んでいく予定です。
市長選挙に立候補した全候補者の公約でした
小児医療費の無料化の『対象を拡大する(=年齢を上げる)』ことは、さきの市長選挙に立候補した3名全員が掲げた公約でした。
上は、吉田市長が配布していた『Move!』。
上は、広川さとみ候補が配布していた『明日のよこすかをつくる会』資料。
上は、市長選挙公開討論会において配布された岸牧子候補の政策資料。
このように全ての候補者が掲げたことからも、小児医療費無料化はとても高い市民ニーズがある政策です。
吉田市長は、まず第一歩として小学3年生まで対象を拡大しました。
今後は、財政状況をにらみながら小学6年生まで上限をいかに上げていくかに注目です。
その一方で、小児医療の限られた資源をどうか大切に利用して下さい
ところで、市民のみなさまに大切なお願いがあります。
医療費を無料化すると、医者にかかる人々の数が急激に増加してしまう
という重要なデータがあります。
その理由は、本来であればドクターに診てもらうべき方が、所得が低く生活が厳しいが故に受診控えをしていたのが、無料化によって安心してドクターにかかれるようになったから、という正当なものだけではありません。
緊急性の低い受診行動が増えることも原因の1つだと言われています。
つまり、
どうせ無料だから、軽いケガや軽い症状であってもとりあえずドクターに診てもらおう
という心理が増えることも知られています。
けれども、小児科医の数は決して多くありません。
産婦人科医の不足と同じで、小児科医の不足もいつも重要な課題です。
数が足りない小児科医のもとに、あふれるほどに患者さんが訪れたら、どのようなことが起こるでしょうか?
緊急性の低いケガや症状の人がたくさん訪れることによって、本来であれば、緊急性の高いケガや病気の人の治療が遅れることが起こります。
無料化によって、緊急性の高いケガや病気の人たちがより追い詰められるという悲劇も起こりうるのです。
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医療政策を大切なテーマとする政治家として、フジノは市民のみなさまにこころからお願い致します。
どうか限られた小児医療の資源を大切に利用して下さい。
現在、わが国では政府をあげて小児医療を守る為の取り組みを行なっています。例えば、「#8000」の取り組みをご存知でしょうか?
全国共通の電話番号「#8000」にかけると、小児科ドクター・看護師に電話がつながって相談することができるのです。
- 小さなお子さんをお持ちの保護者の方が、休日・夜間の急な子どもの病気にどう対処したらよいのか、病院の診療を受けたほうがいいのかなど判断に迷った時に、小児科医師・看護師への電話による相談ができるものです。
- この事業は全国同一の短縮番号#8000をプッシュすることにより、お住まいの都道府県の相談窓口に自動転送され、小児科医師・看護師からお子さんの症状に応じた適切な対処の仕方や受診する病院等のアドバイスを受けられます。
横須賀から「#8000」を電話すると、「かながわ小児救急ダイヤル」につながります。
どうかこうした取り組みもぜひご活用下さい。
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小児医療費の無料化を拡大する目的は、所得が低くても安心してこどもを病院で診てもらうことができるセーフティネットです。
今では、まちとまちとが「若い世代をまちに呼びこむ」という政策で競争しあっています。その1つの手段として小児医療費の無料化が利用されています。
けれども、本来の目的は、あくまでもこどもたちが安心して医療を受けられるようにする為のセーフティネットです。
どうか市民のみなさま、大切な医療資源をより医療を必要としている人々が受けられるようにする制度にご理解下さい。
よろしくお願いいたします!