教育福祉常任委員会の来週開催が決定
本日、市議会・教育福祉常任委員長から委員に対して招集の通知が出されました。
急きょ1月27日に『教育福祉常任委員会』(協議会)を開くことになりました。
協議の内容は、
市立2病院の小児科医療体制等の変更について
です。
指定管理者として市民病院の運営を行なっている地域医療振興協会から「横須賀市立市民病院の小児科の入院診療をこの4月から廃止したい」と申し出があった為です。
地域の市民のみなさまから頼りにされている小児科の入院診療を、わずか3ヶ月後に廃止してしまう。
あまりにも性急なこの申し出には、大きな問題があります。
市民病院小児科の入院診療廃止が与えるダメージ
すでに地元メディアによって報じられているので、この問題の具体的な内容についてご存知の方も多いと思います。
1月17日にはタウンニュース紙が報じています。
横須賀市立市民病院、小児科の入院廃止へ
うわまち病院と機能分担
市内長坂にある横須賀市立市民病院の小児科で、今年4月から入院診療が廃止される見込みだ。
昨年末、市民病院を管轄する市健康部地域医療推進課から西地区の市議会議員らに知らされたもので、
「一方的だ」
と議論を求める声も上がっている。
市民病院の運営は平成22年から、『公益社団法人地域医療法人振興協会』が行なっている。
小児科の入院診療を廃止する理由は、同協会の運営する市立うわまち病院と市民病院を比べ、患者数と医師数の割合がアンバランスになっているから、というもの。
市民病院では、小児科医師5人に対して、1日平均の入院患者数は、平成24年度の調べで5.6人(外来患者は9.5人)、うわまち病院では医師10人に対し、入院患者数25.8人(外来42.4人)となっているという。
また、市民病院では、常勤産科医師の不在で分娩を行っていないため(院内助産は月1例ほど)、周産期医療を要せず、生後すぐに小児科へ入院するようなケースもなくなっている。こうした現状から、同協会では小児科入院診療の廃止の意向を市に打診した。
市民病院では、小児科外来患者に関しては紹介状を要するため、急診に応じてもらえないケースもあったという。
「患者数だけ比べて不要と決めてしまうのは拙速ではないか」
と地元出身の伊東雅之市議は話す。
市によると、4月以降は、入院診療をうわまち病院に集約。
市民病院の外来診療時間の延長、紹介状のない患者の受け入れなどで対応する。
2つの病院で機能分担することで、体制を維持していく方向だという。
西地区の医療体制は
「地域の中核的病院として、二次救急体制づくりに多くの人が奔走してきた経緯がある中で、一方的に廃止ではなく、もっと議論をすべき」
と同市議。
市民病院に関しては、経営の健全化に向けて平成22年に公設民営化し、指定管理制度に移行。三浦半島地区の中核的病院として、地域連携にも力を入れてきた。
ただ、小児科と同様に医師の確保が難しく、入院診療を休止している診療科もあるのが現状だ。
「経営改善のために民営化し、市の予算も投入している。市民サービスの後退に、地域住民は不安を感じるのではないか」
「西地区からうわまち病院へとなると、子どもの入院治療に付き添う親の負担も大きくなる」
との声も上がっている。
一方、市立荻野小と連携して設置されている市民病院内の院内学級に関しては、整形外科への入院児童もいるため、継続する方向だという。
取材に答えておられる伊東雅之議員の想いには、フジノも全く同感です。
翌18日には神奈川新聞が報じています。
小児科の入院休止検討、横須賀市立市民病院
横須賀市立市民病院(同市長坂)が4月から、小児科の入院を休止する方向で検討している。
市中心部にある市立うわまち病院(同市上町)に集約する。
市民病院では代替的に小児科の外来を拡充する方針だが、市西部で入院できる小児科がなくなるため、論議を呼びそうだ。
市民病院では2010年に産科を廃止したことに伴い、小児科の入院患者が減少。現状では1日あたりの平均が2.5人で、10年度の14.1人の2割。現状で27.5人のうわまちとの比較では1割程度の水準となっている。
一方、小児科医は市民が5人、うわまちが10人体制で、入院患者数と比べると、うわまちの医師の負担感が強くなっているという。
両病院は自治医科大が母体の公益社団法人が指定管理者として運営。
両病院間の負担感是正に加え、経験を積んで腕を磨きたいという若手医師の流出への危機感などを市側に伝え、今回の見直し案に至った。
市民病院では代替として、現在は午前中のみの小児科外来を、午後も開設する予定だ。
市地域医療推進課は
「西地区で入院できる小児科がなくなるので、地域の方には大きな不安があると思うが、うわまちでフォローする。市民病院小児科では外来を増やすことでプラスになるので、ご理解いただきたい」
と話している。
市民病院の小児科に入院するのは、肺炎やインフルエンザなどの感染症が主。
入院患者は市内が中心だが、3割は三浦、逗子市や葉山町からで、近隣自治体の住民にも影響が出る。
横須賀市の西地区をはじめ、三浦市、葉山町などの地域において、市民病院の小児科入院診療に与えるダメージなどの主要な問題点は、2紙が報じているとおりです。
また、かねてから長谷川昇議員(研政)は、市議会において、地域医療振興協会による市民病院の運営の在り方を取り上げてこられました。
長谷川議員のブログには、今回の提案に至る経緯を含めた問題点が詳しく解説されていますので、ぜひみなさまにご覧いただきたいです(1月15日の記事、1月17日の記事)。
ダメージだけでなく、実は「集約化」には大きなメリットもあります
この問題が市民のみなさまに与えたショックは大きい、と思います。
フジノは市民病院が位置する西地区で30年以上暮らしてきましたので、身を持って『西地区に暮らすみなさまにとっての市民病院の重み』を知る1人です。
その立場から、『地域医療振興協会』の今回の申し出のやり方には、強い怒りを感じます。
多くの方々がこどもたちがケガや病気をした時に、十分な治療が受けられるのか不安でたまらないことと思います。
ただ、その一方で、政治家としてフジノは医療政策を真剣に考え続けてきました。
全国の医療の在り方を見つめてきましたが、ここ数年の流れとして『小児科医療の集約化』は、少ない医療資源をより有効に活かす重要な手段の1つなのです。
少ないドクターで数カ所の小児科診療を行なっていくことよりも、1ヶ所(拠点病院)にドクターを集約することで高い質の医療が受けられるようになるのです。
理想を言えば、身近な場所で『外来』と『入院』ができれば安心です。
けれども、医師不足の今、それがなかなか難しい。
そこで現実的な対応策として『小児科医療の集約化』=『拠点病院方式』は効果をあげています。
実際に『小児科医療の集約化』を実施した他都市(例えば、藤沢や横浜もそうです)の取り組みを見ても、大きなメリットがあることは事実です。
今回の『地域医療振興協会』の突然の申し出のやり方には強い怒りをおぼえますが、医療改革として全国で行なわれてきた『小児科医療の集約化』と同じく良い効果を生むとフジノは考えています。
つまり、『市民病院小児科の入院診療の廃止』=『デメリット』ではなく、『小児科の入院診療のうわまち病院への集約』=『大きなメリット』、とフジノは考えています。
変化する社会における医療体制の在り方を市民のみなさまと議論したい
フジノは、変化する社会における医療体制の在り方を市民のみなさんと議論したいと強く願っています。
地域の医療体制を守り、良くしていく為に、どうか一緒に情報を共有して問題を直視して議論をさせて下さい。
まずは27日の『教育福祉常任委員会協議会』の開催です。
よろしくお願いします。