この記事の内容は、こちらの記事から続いています。
横須賀市立市民病院小児科の入院診療廃止問題について、教育福祉常任委員会協議会が開催されました。
横須賀の小児科医療を崩壊させない・守る為にやるべきこと
フジノが行なった質疑をシリーズで報告しています。
前回に続いて『横須賀の小児医療を崩壊させない・守る為にやるべきこと』についてです。
(フジノ) 集約を実施した後のさらにうわまち病院の小児科が崩壊してしまったら、本当に横須賀市の小児科というのは壊滅してしまう。 実際に今もお話聞いたところによると、小児科医の数は全体で11名、うわまち病院は10人ということでした。 これでは『集約』というよりも、なんとか『現状維持』をしていくのがやっとだ、という状況も分かりました。 そこで、同時にうわまち病院の小児科を崩壊させないことも『市の方向性』として打ち出して頂きたい、と思うんです。 具体的にはまず『かかりつけ医を持っていただくこと』です。 先ほど西地区には小児科の診療所は1つしか無いというお話でした。 しかし、小児科を標榜していなくとも実質的に小児科をできる診療所は複数あるはずです。 『かかりつけ医』を持ってもらうということをきちんと誘導していく、お伝えしていくという取り組みも必要ではないかと思うのですがいかがでしょうか。 |
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(地域医療推進課長) うわまち病院は『地域医療支援病院』ということで『かかりつけ医』を持つような推薦を病院としてもやっています。 市の方で、もし「不足している」ということがあれば、引き続き周知・ご案内もしていきたいと思います。 |
フジノ自身は幼い頃、ふだんは『〜こどもクリニック』とか『〜医院(小児科)』というように、小児科をメインにする診療所・クリニックには行きませんでした。
ご近所にある、ふつうに誰もが通っている『〜医院』にかかっていました。
これを『かかりつけ医』と呼んでいます。
いわゆる開業医(診療所・クリニックのドクター)は、誰もが総合病院や大学病院で勤務医として働いたのちに、地域で開業をしています。どの科が専門かを問わず、基本的にあらゆる疾患を広く診療することができます。
ですから、一般的な病気では『かかりつけ医』に診ていただくことが合理的です。
その『かかりつけ医』での診察の結果、より専門的な治療が必要だと判断された場合に『病院の小児科』で診察を受けるのです。
つまり、一般的な疾患には、地域の『かかりつけ医』に診ていただく。
そして、重い病気やケガのこどもたちは、より専門的な治療ができる『病院の小児科』で診ていただく。
医師不足の現状があっても、このように疾患の重さによってかかる診療所・病院を住み分けすることで、誰もが安心して治療が受けられるようになるのです。
(フジノ) 『2次救急』を引き受けていただくうわまち病院に必要以上に患者さんが集中しないように、やはり小児救急電話相談をさらに周知したり、軽症の場合には休日・平日深夜の受診はできるだけ控えていただく。 こうした広報をさらに強めていく必要もあると思うのですが、いかがでしょうか。 |
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(地域医療推進課長) 特に『1次救急』の比較的軽症の患者さんが病院にかかることで医師の負担が多いということは、全国的に言われております。 ただ横須賀市の場合は、三春町の『救急医療センター』で『1次救急』の患者さんについては夜間も対応できている、というように理解をしております。 『救急医療センター』が新港町に移転をしますが、新しく小児科のブースも増えますので、その中で対応していきたいと考えております。 |
日本は、世界一の医療の質を誇る国です。
そして、誰でもいつでも診療所・病院にかかることができる(フリーアクセス)、世界で最も優れたシステムを持つ国です。
けれども、政治・行政は医療のすごさに甘えてきました。
市民のみなさまに大切なことをきちんとお伝えしてこなかったのです。
医療は、ドクターや看護師をはじめとする『人』によって支えられています。わが国は『人』を守る仕組みを全く取ってきませんでした。
その結果、医療は完全に疲弊しています。
医師も看護師も、強い倫理観をもって医療の世界に入ったものの、疲れ果てて現場を去っていきます。
この現実を変えなければなりません。
- 『診療所』と『病院』は、役割が違います。
- 『1次救急』と『2次救急』は、目的が違います。
まず、この基本的なルールを市民のみなさまに知っていただくことが大切です。
そして、実際におこさんが発病やケガをした時も、焦らずに小児救急相談電話などを活用していただきながら、診療所(かかりつけ医)と病院を使い分けていただかねばなりません。
これだけで本当に多くの医師・看護師を疲弊から守ることができるのです。
(フジノの質問その9に続きます)