『平成26年度予算の概要』の中から、注目すべき予算を紹介していきます。今回は『横須賀市立うわまち病院』の建てかえについてです。
「うわまち病院の建てかえ」ようやく動き出します
2014年度予算案には『基本計画の重点プログラムに基づく重点投資』として、重点的に投資する6分野(5つのプログラムとその他)が掲げられています。具体的に、6分野で合計40事業が挙げられています。
その2番目、『命を守るプログラム』の最初の項目として挙げられたのが、この『うわまち病院の建てかえの検討』です。
この先4年間の取り組みである『第2次実施計画(案)』にも明記されました。
予算案が成立したならば、4年間をかけて合計14回の『市立病院運営委員会』を開催して建てかえについて議論していきます。
2018年には、ハッキリとした方向を打ち出す予定です。
老朽化し手狭になった病棟
2006年に新しく建てられた南館を除いて、うわまち病院の建物は、今年で築年数50年が経過します。
年 | 出来事 |
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1891年 | 『横須賀衛成病院』として創設する |
1936年 | 『横須賀陸軍病院』と名称を変更する |
1945年 | 厚生省へ移管される 本院(不入斗)及び分院(中里、走水)を併せて『国立横須賀病院』とする |
1946年 | 中里分院に外来診療部門開設、一般患者診療を開始する 走水分院を閉鎖する |
1965年 | 現在の病棟(中央館)竣工 |
1966年 | 外来診療棟(北館)竣工 不入斗本院及び中里分院を閉鎖する 現在地に施設及び職員を集約する |
2002年 | 国から横須賀市に経営委譲され、『横須賀市立うわまち病院』として開設する |
より良い『医療の質』を守る為には、建てかえは避ける事ができません。
それにも関わらず、これまで全く議論が行なわれてきませんでした。
そこでフジノは2年前から「うわまち病院の建てかえを検討すべき」と提案し続けてきました。
このたび、こうして検討スタートが実現したことは市民のみなさまの医療環境を守る為に大切な一歩となるはずです。
フジノのこれまでの議会での提案
過去2回にわたって行なったフジノの質疑を紹介します。
(フジノ) うわまち病院は、旧・国立病院時代からの建物をそのまま利用して、一部外壁を塗装したり、南館を新築して活動を続けてきた訳です。
建てかえを行うとすればいつごろを想定しているのか、またその費用負担についてはどこが受け持つものなのか、そういった点についてお聞かせいただければと思います。 |
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(地域医療推進課長) 今、藤野委員がおっしゃられたように、うわまち病院は南館を除いては国立横須賀病院時代の建物を使っております。建物の、特に配管等で老朽化があるようなところも、事実、ございます。 それから、建てかえにつきましては、現在の地域医療振興協会との協定の中では、特にそういった項目はうたっておりませんので、次回、協定を見直す中で、そういったことを行うのかどうか、それは協会とも相談をしながらということになると思います。 費用負担についてはそういうことですので、現状でこういうふうにしたいとか、どちらが持つとか、そういった考えは現状ではございません。 |
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(フジノ) これも議会全体で話題になっているファシリティーマネジメントの話の1つだと思うのです。 建てかえは実際にいずれ行わなければならなくて、果たしてどれぐらいの費用なのかの見積もりや費用負担を地域医療振興協会と市で分け合うことができるのかとか、そういったことも考えてファイナンスをしていかなければならない。 急な財政負担というのは横須賀市にはできないはずなので、ぜひ早目に今後の見通しもはっきり立てられるように、なるべく早く動いていただければと思いますが、いかがでしょうか。 |
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(健康部長) 私どものほうとしても、大分老朽化が進んでいるということは認識しています。 今、地域医療推進課長が申し上げたとおりなのですが、そこについてはまだ全然詰めていないところでございますので、なるべく早く詰めていきたいと思います。 |
そしてこちらが昨年行なった質疑です。
(フジノ) 健康部に伺います。 先日、『公共施設マネジメント白書』も配付されたのですが、うわまち病院については築年数49年ということで、今後建てかえを視野に入れて、指定管理者の方々にも相談に乗っていただかなければいけないと思います。それらについて今回仕様書や審査スケジュールの中で建てかえのお話は出ているのでしょうか。 |
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(地域医療推進課長) 今回の仕様書の中では、特に建てかえ等の検討はうたっておりませんが、ちょうど次期実施計画の策定時期ということもありますので、その辺も検討材料に入れていきたいと思っています。 |
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(フジノ) 指定管理者にも一定程度の費用負担を求める。それによって、指定管理者も病院の設計などに関与できる形で、相互にとって利用しやすい形に、市にとっては財政負担を減らすことができる、指定管理者にとってはより使いやすい病院にすることができるとしていかねばならないと思っているのです。 それは今回の仕様書には入らないが、話し合いは行なっていくということでよろしいですか。 |
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(地域医療推進課長) 費用負担的なところも含めて検討は進めていきたいと思っております。 |
そしてフジノの提案が、正式に『横須賀市の動き』となりました。
しかし、これは単なるスタートに過ぎません。
全ての情報を必ずみなさまにお伝えしていきます
実際の建てかえ工事が完了するのは、2023年頃ではないかと予想しています。
つまり、今から約10年のスパンで行われる巨大な事業です。
医療政策を重視してきた政治家として、フジノは2018年までの議論をしっかりリードしていきます。
そして、議論の行方を1つずつしっかりとみなさまに報告していきます。
今回大きな問題となった『市民病院の小児科入院診療の廃止』のような一方的な在り方は絶対にさせません。
医療政策はとても難しいので、ややもすれば専門家だけの議論で進められてしまう。
でも、絶対にフジノは市民のみなさまを置き去りにしません。
超高齢・超少子・超多死社会の横須賀の医療を守る為に
新たな『うわまち病院』に求められる医療の役割は、今とは大きく異なります。
2025年には『団塊の世代』がみな75才以上の後期高齢者となります。
『団塊世代ジュニア』も50代に突入しています。
超高齢・超少子・超多死社会になっているであろう横須賀で求められる医療の姿をしっかりと考えて、新たな病院像を描かねばなりません。
医療政策に取り組むということは、その時その時の目の前の出来事に対応するだけではダメで、将来を見据えて取り組まねばならないのだと考えています。
まだまだ未熟なフジノには、医療政策については学ばねばならないことがたくさんあります。
けれども、持てる全てを尽くして、このまちの医療を必ず守りぬいてみせます。
どうか市民のみなさま、力を貸して下さいね。
よろしくお願いします!