NPOの過失で発生した費用を税金で穴埋めするという吉田市長の答弁問題
6月10日にフジノが行なった一般質問で、サイクリングパンフレット『自転車半島宣言』の回収・修正にかかった費用は税金で穴埋めする、と吉田市長が明らかにしました。
フジノは「パンフレットの失敗は、明らかにNPOの過失によるもの。費用はNPOが負担すべき」と訴えました。
吉田市長の答弁は明らかに問題で、もしも実際に税金が支出された場合には『公金の支出差止めを求める訴訟』を起こすべきではないか、と考えています。
鎌倉市議会でも、吉田市長の答弁問題が取り上げられました
この問題は横須賀市だけでなく、5つの市町に関わる問題です。
その為、昨日開かれた鎌倉市議会でも「この支出は問題だ」と一般質問で取り上げられました。
中沢克之議員による質疑が神奈川新聞によって大きく報じられました。
以下に全文を引用します。
自転車パンフ追加負担
鎌倉市議会と監査委「慎重さ欠く」と指摘鎌倉市議会6月定例会の本会議が13日開かれ、道交法上の指摘や地図の間違いが発覚した三浦半島観光連絡協議会(会長=吉田雄人横須賀市長)のパンフレット「自転車半島宣言」が一般質問で取り上げられた。
パンフ回収・修正にかかる約40万円の一部を鎌倉市が負担することに対し、市議が問題視。
市監査委員も「明らかに慎重さを欠いた事務」と指摘した。
中沢克之市議(自民)の質問に対し、市側は、パンフ製作の協議が昨年11月から始まっていたことや、鎌倉市が協議会に参加したのが今年4月だったこと、パンフの原稿案が初めて市に示されたのは校了直前の同11日だったことなどを説明した。
中沢氏は回収・修正について
「どう考えても、製作したNPO法人(横須賀創造空間)側に瑕疵(かし)がある」
と指摘。
鎌倉や横須賀など4市1町などでつくる協議会が約40万円を追加負担することについて、
「正常な支出なのか、それとも疑念のある支出か」
と監査委員に見解を求めた。
八木隆太郎委員は
「今回の事務については明らかに慎重さを欠いている。今後、協議会で対応する際は十分慎重に検討し進めるべき」
と答えた。
中沢氏はまた、
「NPO法人が設立される前に既に協議が始まっているのはおかしい」
と追及。
市側は
「実際の活動は昨年8月からと聞いている」
などと答弁した。
中沢氏は、追加支出について、定例会中に開かれる総務常任委員会での報告を求めた。
引用は以上です。
監査委員とは税金のつかいみちが法令違反でないか効率的に使われているかをチェックする
鎌倉市議会で答弁に立ったのは、監査委員と言います。
監査委員とはどのような存在なのか、柏市のホームページでとても分かりやすく説明されていますので、こちらに引用します。
『監査』とは、あるものごとについて、それが一定の基準(守るべき決まりごと、理想的なありかた)にそむいていないかどうかを調べ、その結果を関係するひとに知らせることを言います。
(たとえば、一定の規模の会社は決算書類等が法令、企業会計基準などに違反していないかどうかの監査を受け、株主などに報告することが義務付けられています)
自治体は、住民の皆さんに行政サービスを提供するために、公金をはじめとする様々な資産を保有しています。
いわば『住民全体の共有財産』を預っているわけですから、その管理、運用は常に正確で、効率的なものでなければなりません。
もしこれらが違法な、好ましくない扱われかたをしていたとしたら、それは住民全体にとって大きな損害となります。
自治体に置かれる監査委員は、自治体の主として財務に関する事務について、法令に違反していないか、効率的に行われているかを監査し、その結果を住民に広く知らせています。
つまり、市議会(政治)と市(行政)とも異なる立場から、客観的に税金の使い道の違法性や効率性をチェックするのが『監査委員』なのです。
横須賀市議会でも監査委員の答弁を求めるべき
『三浦半島観光連絡協議会』を構成する4市1町の1つである鎌倉市において
「この税金の使いみちはおかしい」
と監査委員が指摘しました。これは重大な指摘です。
フジノもすでに一般質問で指摘したとおりで、絶対に税金で穴埋めすべきではない、と考えています。
『三浦半島観光連絡協議会』の会長を務める吉田市長は、サイクリングパンフレットの回収・修正費用を税金で支払うという答弁は、撤回すべきです。
また、横須賀市議会においても、鎌倉市と同じく横須賀市監査委員の見解を求めるべきです。
何も知らずに一生懸命活動してきたNPOメンバーを苦しめている吉田市長の責任
吉田市長とNPOとの不適切な関係への『疑義』をフジノが一般質問で取り上げたことで、このNPOで活動しておられる市民の方々からメールや電話を頂きました。
しかしフジノは、このNPOに集って今まで活動してこられた『市民の方々』のことを批判しているつもりは全くありません。
むしろ、全国ワースト1位となった転出超過数の横須賀市の政治行政のていたらくを、「何とか市民活動の力で変えていきたい」と強く願う、このまちを愛する方々なのだ、と思います。
こうした方々が今、政治に巻き込まれて傷つき苦しんでいるのはとても残念です。
何も知らずにNPOに集ったたくさんの人々を利用した吉田市長たちの責任はとても重い、とフジノは考えています。