常任委員会での視察へ
今日は、『生活環境常任委員会』での所管視察でした。
- 湘南鷹取の『雨水滞水池』築造工事
- ICTを活用した『救急医療支援システム』の導入
- 『ビデオ硬性挿管喉頭鏡』の導入
実際に現場を訪れることはとても大切ですが、ふだんの視察は会派や個人単位で行われます。
こうして委員会メンバー全員で同じ場所を訪れて学ぶことはとても有意義な機会です。
湘南鷹取に建設中の「雨水滞水池」へ
まず、湘南鷹取2丁目に建設をしている『雨水滞水池』を訪れました。
雨水を貯めておくことができる地下の池を造っています。
地表から地下約20メートルの深さの位置に、学校のプールで約8杯分にあたる水槽を設置しています。
工事費用は、5億6045万円です。
工事は昨年3月に始まり、今年9月末に竣工する予定です。その後、機械設備と電気設備の工事を行ない、来年3月末に完成、来年4月から実際に供用を開始します。
地下の水槽などの施設の上は、湘南鷹取2丁目第3公園として利用されます。
完成後は、地上には小さな小屋1つ(電気室と搬出入室、誰でも使える公衆トイレ)しか見えません。地下に莫大な滞水池が設置されている上を、公園としてこどもたちが駆けまわる訳ですね。
これは一般的にはほとんど知られていませんが、とても大切な施設なのです。
現在は、雨水と下水が混ざったまま(未処理のまま)、東京湾へと流れこんでしまっています。
けれどもこの滞水池が完成すれば、ここに雨天時の下水を貯めておくことができます。
そして、一般の下水の量が少ない夜などの時間帯に、追浜浄化センターへと送ります。そこで処理をして、きれいになった状態で東京湾へと放流することができるのです。
消防局で最新のシステムと医療器具のデモンストレーション
続いて、消防局へ向かいました。
ウェブカメラを救急車内に設置して、搬送先の病院にあるiPadに映像を送るというシステムを導入しました。
受け入れ先のドクターは、あらかじめ救急車内の患者さんの様子をリアルタイムで把握することができます。
その様子を実際にデモンストレーションして頂きました。
また、県内では2番目の導入となる『ビデオ硬性挿管用喉頭鏡』の実演を見せて頂きました。
呼吸が止まり心臓が停止状態になってしまった時、救急救命士によって気管挿管が行なわれます。
硬性喉頭鏡という器具を口から差し込んで、舌をどけて、のどを開いて、管を差し込みます。
確実かつ安全に気管に管を通すのは、とても高い技術と経験が必要です。
のどの奥には、肺につながっている気管と、胃腸につながっている食道があります。心肺停止の一瞬を争う事態において、気管に確実に管を入れるという困難な作業を短い時間で(しかも揺れ動いている救急車の中で)実施するのは、本当に大変なことなのです。
そんな中、CCDカメラとモニターを用いてより安全かつ確実に気管挿管をできる器具が新たに開発されました。それが今回、横須賀市が導入する『ビデオ硬性挿管用喉頭鏡』なのです。
CCDカメラが先端に付けられているので、これまでの目視よりも声門をかなり確認しやすくなっています。
その映像(本来は手元のモニタで確認する映像)をプロジェクターで映しだしてもらいました。
これを見ると、フジノでも声門を確認することができます。
横須賀市は2014年度、全12救急隊に配備します。
また、この器具を扱うことができるようになるには、定められた講習と実習(病院において30事例と伺いました)を受けねばなりません。
その為、救急救命士の方々に計画的に養成研修を受けてもらうことも必要です。これもしっかりと進めていきます。
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視察を受け入れて下さった上下水道局・消防局のみなさま、ありがとうございました。
フジノたち市議会メンバーは、実際の現場を訪れて理解を深めていくことが政策形成にはとても大切です。
政策形成能力を高めていくことで、市民のみなさまからお預かりしている税金をより有効に活かして、より良い取り組みを進めることで、市民のみなさまのいのちと暮らしを守ることができるようになります。
これからも、もっともっと学んでいきます!
後日談:ビデオ喉頭鏡を全救急隊に配備、神奈川新聞が報じました
2014年10月15日から、横須賀市消防局では全ての救急隊に『ビデオ硬性挿管用喉頭鏡』を配備しました。
この件について神奈川新聞が大きく報じてくれました。
消防局のがんばりは日頃なかなか報じられません。
こうして市民のみなさまのいのちがより救われる為の取り組みはぜひ広く知ってほしいです。
神奈川新聞、ありがとうございました!