「同性婚」と横須賀市の対応についての質疑の詳細を報告します
先日記したとおり、生活環境常任委員会においてフジノはいくつもの提案や質問を行ないました。
「詳しくは後日お知らせします」と書きました。
今日は、実際に行われた質疑応答を掲載しますね。
フジノの質問
最後になりますが、『同性婚』と本市の対応について伺いたいと思います。
かねて、憲法では残念ながら『同性婚』は認められていないということで、僕は市議会では
「同性カップルが横須賀市に来れば、市長や横須賀市としては祝福するという取り組みをしてはいかがか」
という一般質問をかつて行ったことがあります。
そんな中、この6月になって、青森市で同性のカップルが青森市役所に婚姻届を提出した。
当然、青森市としては、憲法を根拠に受理をせずに、不受理証明書を発行したという動きがありました。
これは、この方たちが婚姻を認めてもらうことを目的として決して行ったのではなくて、国のあり方と、そして今人としてのあり方としての矛盾をあぶり出すために、それが目的で行なったことです。
これから各自治体で、こういう取り組みを性的マイノリティの方々はいろいろなところでやっていく、というようなお話も出ています。
僕は、横須賀市としてどういうふうに対応するかというのは、今からしっかり考えておくべきだと思うのです。
まず、窓口サービス課長に伺いたいのですが、現在『同性カップル』が婚姻届を出してきたならば、本市ではどんな対応をとるのでしょうか。
窓口サービス課長の答弁
『同性のカップル』については、婚姻の届けはできないと思います。
できる場合は家庭裁判所の手続を経て、性別を正式に法的な手続で変更した後に、家庭裁判所から通知があり、その後に婚姻届を提出されれば、それは受理することになると思います。
フジノの質問
青森市は憲法24条第1項に照らして、不受理だと、そして不受理証明書を出してくれと言われたので、不受理証明書を出したというふうな報道があるのですが、そうすると横須賀市の場合は、不受理にはしない。そもそも申請を受けない。そういう形をとるのでしょうか。
窓口サービス課長の答弁
婚姻の届け出の受理につきましては、法律に基づく、戸籍法に基づく受理になります。
したがいまして、全国一律の取り扱いになろうかと思いますので、『同性』の場合に婚姻届を受理するということは無い、と思います。
フジノの質問
そうすると、不受理という形になるのかなというふうに思うのですが、それは現行の憲法の中では、このようにならざるを得ないと思うのです。
ただ、そこから後の横須賀市としての対応をぜひ考えていただきたいというふうに思うのです。
他都市の当事者の方には
「横須賀市の取り組みを知ってうらやましい、横須賀市に住みたい」
と言って下さった方もいる。
「横須賀市は多様性を認めるまちなのだ」というまちでありたい。
そこで、ぜひ『性的マイノリティ関係課長会議』の事務局であり、筆頭でもある市民部に、ぜひそういったときには、横須賀市としてはどういった対応をとるのかというのを考えていただきたいと思います。
僕個人としては、過去に先ほど申し上げたような提案をしていますので、憲法で認める婚姻届の受理はできないけれども、婚姻法で認める婚姻届の受理はできないけれども、「横須賀市としては祝福とします」というような形で、何らかのお祝いカードを手渡す。
法律の結婚にはならないけれども、お祝いはしますというような形で祝福をすることができないか、そういうような提案を私はしたいと思うのです。
ぜひ『性的マイノリティ関係課長会議』の検討課題の1つに上げていただきたいというふうに思うのですが、いかがでしょうか。
人権・男女共同参画課長の答弁
大変難しい課題だなというふうに、今感じております。
と申しますのは、『同性パートナー』の方とのことだけを祝福するということは、逆に異性間のカップルというのですか、そういった方たちを祝福しないというようなことになり、どちらかだけを祝福するということが果たして本当にいいことなのかどうかというところが、今まだ少し自分の中でも整理ができていません。
その為、関係課長会議にかける云々の前に、私ども課の中での一つの課題として、受けとめさせていただくという形で、きょうのところは回答させていただきたいと思います。
フジノの質問
横須賀市としては、本当に岩盤を一つずつ切り崩してきたというか、ほかのまちが何もやってない中でも、全国的に何もない中から取り組んできた。
今回のことも、青森市はたまたまターゲットになってしまったので、不受理届を出すだけでおしまいという形になったと思うのですが、こういう動きは多分広まっていくのだと思うのです。
その時に「横須賀市なら、横須賀市では何ができるか」というのをぜひ検討の俎上に上げていただきたい。
考えているのだという姿勢を示すことだけでも、「横須賀市というのは、やはりダイバーシティのまちなのだ。多様性を尊重するまちなのだ」というのが伝わっていくと思うのですね。
ぜひ部内で、課内で検討していただけたらというふうに思います。
このテーマはものすごく大切です。
すでに諸外国では、大統領選挙の争点なるテーマです。
フジノは引き続き、現実的な成果を引き出せるように、そして誰もがありのままの自分で生きやすく暮らしていかれる社会の実現を目指して、努力していきます。
ぜひみなさまからもご意見をいただけるとありがたいです。
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ただ、どうしても理解できないのは
同性パートナーを祝福する=異性パートナーを祝福しないことになる
という課長の発想です・・・。
そもそも結婚するという権利を奪われている方々と、結婚する権利が認めている方々が居て、フジノが訴えているのは国から権利が奪われている方々をせめて横須賀市として祝福をしたいというだけなのに。
国から結婚する権利を認められている人たちは、堂々と結婚式を開いて、いくらでも家族や友人や親戚たちからたくさんの祝福をされています。
たくさんの人々から何の苦もなく祝福を受けながら結婚する権利を認められている人たちに対して、あえて横須賀市が重ねて祝福する必要性があるでしょうか。
フジノは、国によって権利を奪われているのだから、せめて横須賀市は祝福の気持ちを示してほしいと訴えているのです。