東日本大震災の被災地の取材を続けるフリーライター、渋井哲也さん
敬愛するフリーライターの渋井哲也さんが、横須賀の『性的マイノリティ支援』について取材して下さいました。
フジノが初めて渋井さんの取材を受けたのは2010年3月のことです。
でも、実際はそのずっと前から、渋井さんのことは知っていました。
渋井さんは自傷・自殺未遂をはじめ、ネット心中などの現代型の自殺について誰よりも早くから取材し、世間に実態を知らしめてきた、素晴らしいジャーナリストだからです。
渋井さんにしか書けないオリジナリティーがあって、テーマそのものの選択をはじめ、徹底した取材・冷静な文章なのにとても胸を締め付けられるルポを、2003年頃からフジノは読んできたのです。
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2011年3月に東日本大震災が起こってからは、渋井さんは現在に至るまで、数えきれないほど多く現地の取材を重ねてこられました。
震災後、現地に入った渋井さんの発信を通して、テレビなどでは報じられない被災地の様子をフジノは少しずつ知るようになりました。
3年半が経った今、メディア業界の大半の人々が現地に入らなくなりました。
しかし、渋井さんは今も東北をはじめとする被災地へと足を運び続けています。
かつて渋井さんの書いた文章に
自分は、阪神大震災の直後から取材に入ったが、数年後には他の取材に追われて現地に行かなくなってしまった。
しばらくは年賀状のやりとりなどをしていたが、それも途絶えてしまった。時々、取材をさせてもらった人々がその後どうしておられるのか、とても気になる。それがずっと気がかりだった。
だから、東日本大震災が発災した後、自分は絶対に取材を途中でやめたくないと感じた。
といった趣旨のことを書いておられました。
今後も渋井さんは現地を訪れて、人々の声に耳を傾け続けるのだと思います。
きっとライフワークになるのではないかとフジノは感じています。
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2012年、渋井さんら3人が中心となって、被災地を追い続けたルポが出版しました。
『風化する光と影―“メディアから消えつつある震災”の中間報告』 (E-lock.planning、2012年)です。
さらに今年、続報にあたるルポを出版しました。
『震災以降』(三一書房、2014年)
2冊とも読みましたが、これから月日が経つごとに重要さが増していく文献だと感じました。
そして、これからも現地に足を運び続けるのだろうなと感じました。
横須賀へ3回も取材に来て下さいました
そんな渋井さんから取材依頼を受けて、フジノはとてもありがたい気持ちになりました。
しかもテーマは『LGBTと生きづらさ』についてで、フジノがまさに対外的に強く発信したい政策テーマで、喜んでお引き受けしました。
当初はフジノへの取材のみだったのですが、重ねてお願いをして、合計3回も横須賀に足を運んで頂きました。
- 第1回(7月23日)
フジノへの取材 - 第2回(7月31日)
横須賀市の市民部人権男女共同参画課長・保健所健康づくり課長・教育委員会の支援教育課長とフジノへの取材 - 第3回(8月9日)
横須賀市が2014年度に新規スタートした『Cafe SHIP ポートよこすか』参加者のみなさんとフジノへの取材
渋井さんは横須賀だけでなく、LGBT支援に区長が熱心にリーダーシップを発揮している大阪の淀川区にも取材して下さっています。
最終的にどのような形で記事になるのかは分からないのですが、きっと渋井さんのルポは静かにこころをうつものになるのではないかと思います。
今から発表される日が、とても待ち遠しいです。
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渋井さん、取材をありがとうございました。
そして、フジノのお願いを受けて取材に協力して下さったみなさま、ありがとうございました。