「子どものための音楽会」へ
今日は、横須賀芸術劇場へ向かいました。
毎年夏休みに開催されている『子どものための音楽会』を鑑賞する為です。
参加した児童生徒たちの感想を聴いて、この取り組みの持つ高い教育的な意義を理解してからは、毎年フジノは訪れるようにしています。
演奏し、歌うのは「子どもたち」です
「子どものための〜」というタイトルからすると、「『観客』が子どもたちなのかな?」と思われるかもしれません。
でも、そうではなくて、演奏・合唱を披露する『パフォーマー』の大半が子どもたちなのです。
しかも、このステージに立つことができるのは、各学校から選ばれた生徒たちだけ。
吹奏楽部の生徒たちにとっては、この『子音』出演の為の選抜オーディションはかなり気合いが入る場なのだそうです。
それは体育会系の部活動の生徒たちにとっての『中総合』みたいなものだそうです。
そして、毎年プログラムの最後を飾るのは、「組曲『横須賀』」です。
これは團伊玖磨さんが作曲した、横須賀市政75周年(この時、市は『文化の元年』を宣言しました)に制作して頂いた名曲です。
第5楽章まである壮大なスケールの組曲で、フジノは幼い頃から横須賀交響楽団の演奏で親しんできました。
聴いたことのある方々ならお分かりいただけると思うのですが、第1楽章が始まるとホルンのカッコいい演奏でこころが湧き上がるような感じがします。
そして最後の最後、第5楽章では明るいこどもたちの「♪コンニチハ、コンニチハ」の歌声を聴くと、横須賀の未来がパーッと開けていくような気持ちになります。
この組曲を、なんと市内の中学校17校の吹奏楽部が演奏するのです。もちろん、吹奏楽部バージョンに編曲し直されて入るのですが、かなり難しい演奏になります。
また、この組曲にとって合唱はとても重要な位置を占めているのですが、これを歌うのが市内の各学校から選抜された小中学生たちなのです。
総勢300名以上にもなります。
スケールの大きな組曲を、大勢の児童生徒たちが4月〜8月まで5ヶ月間一生懸命に練習をして、それを披露するのがこの場なのです。
この取り組みは『横須賀市教育振興基本計画(第2期)』にも位置づけられています。
【目標1.子どもの学びを豊かにします】
・施策1.教育活動の充実
・事業16
・目的:
子どもがよこすか芸術劇場で、横須賀を主題とした芸術作品(組曲「横須賀」)に直接触れる機会を設けることにより、郷士を愛する心を育てます。また、吹奏楽部の合同バンドによる演奏や小中学生の作詞・作曲による作品の演奏を聴くことにより、文化活動への関心および意欲の向上を目指します。
毎年、選抜された児童生徒たちの練習は、5ヶ月という短い期間の中で完成に向けて取り組まねばならないので、それはとても厳しい時もあります。
けれども、児童生徒たちはこの厳しい練習を乗り越えてステージを終えると、ほとんどが「また来年も歌ってみたい(演奏してみたい)」という感想を持つそうです。
さらに、『子どもたちの音楽会(子音)』に出演したことがある人限定の、OB・OGグループも作られています。それくらいに、一生の大きな位置を占めるくらい印象的な半年間なのです。
ぜひ来年はあなたも子どもたちを応援しにいらして下さいね!
この取り組みの為に、教育委員会予算279万5000円が計上されています。
実際には、いろいろな方々の熱意やボランティア的な協力に支えられているので、予算にはのらない人件費も含めれば、数百万円にのぼるのかもしれません。
ただ、こうした金額に見合う児童生徒たちへの成果が得られている事業だとフジノは考えています。
また、観客も毎年多くいらして下さいます。たぶん今年も1800〜2000人くらい入っていたでしょうか。大盛況でした。
このような取り組みをこれからも続けていきたいとフジノは考えています。
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場内の撮影が禁止されているので、迫力あるステージの様子などが画像でお伝えできずに残念です。
だから、来年はぜひみなさまもじかに足を運んでみてはいただけないでしょうか。
入場料は無料ですし、どなたでも鑑賞できます。
児童生徒たちのがんばりを応援する為に、来年はぜひあなたもいらして下さいね!
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参加された約300名の小中学生のみなさん、そしてOB・OGのみなさん、素晴らしい演奏と合唱をありがとうございました。そして厳しい練習漬けの5ヶ月間、おつかれさまでした。
また、指導にあたられた教職員のみなさま、さらに当日の運営に協力して下さった教育委員会・教職員のみなさまも、本当におつかれさまでした。
児童生徒の可能性を伸ばす為に、どうかこれからもみんなでこの音楽会を盛り上げていきましょうね!