「自死遺族の支援を考える講演会」へ
先日のブログで紹介しました『自死遺族の支援を考える講演会』が今日開催されました。
講演をして下さったのは、南部節子さん(NPO法人全国自死遺族総合支援センター事務局長)です。
会場にいらした参加者の方々の数はとても少なかったです。
まだ真夏日の、しかも11:00〜12:30という時間設定。
なかなか参加しづらい機会だったのかもしれません。
でも、そのおかげでかえって親密な時間を共有することができました。
講演会の終了後も、1時間近く参加者の方々と南部さん・フジノ・市の保健師とでいろいろなお話をすることができました。
行政の事業が評価される時、多くの場合、参加人数の多い少ないで必要性が判断されてしまうこともあります。数は『分かりやすい指標』だからです。
けれども、自死遺族支援の取り組みについては『量』だけでなく『質』の観点をしっかり見ていかねばなりません。
その意味で、今日フジノがこの場に立ち会っていて本当に良かったです。
この場の持つ『重要性』をきちんと評価したいです。
今日の講演は大きく3つについてのお話でした。
- 自殺・自死についての正しい情報・知識/誤った情報・誤解
- 日本の自殺対策の経緯と自死遺族支援
- 南部さんご自身の半生
そして最後に、DVDの上映が行われました。
これは、アメリカ・オレゴンのダギー・センターに通う自死遺族の方々御自身が、自らの体験を他の自死遺族の方々に伝える為に製作したものです。
家族が自死したことをどのように受け入れたか、センターに通う中での変化、子どもたち・大人たちそれぞれのこころの動きなどが描かれています。
『ダギーセンター』の取り組みは、フジノたちにとって『お手本』として参考にしてきたものです。だから、ある意味、馴染みがあるものです。
けれども今日、改めてDVDを観て、子どもたちの姿に強くこころを打たれました。
親を亡くした子どもたちが、自殺のメカニズムを正確に理解していて、年齢によって表現する能力に違いはあるのですが、自分なりの言葉できちんと説明できていることに大きな驚きを感じました。
日本では、大人でさえも自殺をきちんと受け止めきれていない人ばかりです。
まだまだ日本での自殺・自死に対する偏見は大きいです。
特に、子どもたちの置かれた状況は、全くダギーセンターの子どもたちとは違いすぎる。全く違います。
時に、自殺対策の関係者の方から
「日本の自殺対策は自死遺族支援に偏りすぎている」
と批判を受けることがあります。
でも、まだやらねばならない自死遺族支援の取り組みはたくさんあることを痛感しました。
ピア同士の語らいは、大きなエネルギーを与えてくれます
講演が終わって、久しぶりに南部さんとゆっくりお話する時間ができました。
お互いの近況報告をしあって、そして国の自殺対策の状況(特に『自殺対策官民連携協働会議』の様子など)について意見交換をしました。
フジノのプライベートのいろいろなお話も南部さんに報告できました。
いつか南部さんにフジノが作ったお味噌汁を食べてもらいたいです。
南部さん、茨城から横須賀までわざわざお越し下さって、本当にありがとうございました!
日本の自殺対策は今、とても危機的な事態に陥っている
ところで今、フジノはとても危惧していることがあります。
その危機感は、意見交換をしてみて、南部さんも全く同じでした。
実は先日取材して頂いた渋井哲也さんと意見交換をした時にも、同じ意見になりました。
今、自殺対策はとても危うい状況にあるとフジノは考えています。
2006年の自殺対策基本法成立の為に当時一緒にがんばったみんなが、改めてもう1度、結集しなければならない時期に来ているとフジノは感じています。
近いうちに、なにかアクションを起こさねばならないと強く感じています。
わが国の自殺対策関係者のみなさま、もう1度、みんなで集まりませんか?