今年も横須賀市立3図書館は「自殺予防週間」に「特設コーナー」を設置しました
2009年の『自殺予防週間』から、横須賀市立の図書館では特設コーナーを設けてきました。
もちろん、今年も実施しました。
今年の取り組みを紹介する市のプレスリリースはこちらです。
自殺予防関連図書の企画展示を開催中です~テーマは「いのちの大切さを考える」~
市立中央・北・南図書館では、自殺予防週間(9月10日(水曜日)~9月16日(火曜日))に合わせて、関連図書などの企画展示を開催しています。
横須賀市では、年間約80~100人の大切な命が自殺によって失われています。
自殺の多くは、「追い込まれた末の死」です。
大切な「いのち」を自殺で失わないためには、自殺や精神疾患についての正しい知識を持ち、これらに対する偏見をなくしていくことが必要です。
命の大切さや自殺の危険を示すサイン、また危険に気づいたときの対処方法などについて、市民の皆さんの理解の促進を図ります。
- 展示期間
9月9日(火曜日)~9月24日(水曜日)(南図書館は12日~) - 展示場所
- 中央図書館 1階カウンター横
- 北図書館 2階フロア
- 南図書館 1階入口正面
- 展示内容
- 中央図書館
「つなげよう 大切な命 いのちの大切さを考える100冊」 - 北図書館
「ねぇ、聴いて!大切ないのちの声を!いのちの大切さを考える100冊」 - 南図書館
「生きる・支える・考える いのちの大切さを考える50冊」
- 中央図書館
*9月10日の世界自殺予防デーに因んで、内閣府が毎年9月10日からの一週間を自殺予防週間として設定しています。
その様子を神奈川新聞が報じてくれました。
神奈川新聞社が記事にして広く社会に知らせて下さったこと、本当に感謝しています。ありがとうございます!
新聞には載らなかった感動がたくさんありました
けれども、新聞には文字数の制限があります。
記事には書ききれないことがたくさんあります。
そして実は、市民のみなさまにもっともっとたくさんお伝えしたいことがフジノのこころの中にはあふれています。
この政策の提案者として6年間見守り続けてきたのですが、特に今年は、胸いっぱいの感動をもらいました。
それをお伝えしたいと思います。
過去5年間、自殺対策特設コーナーは「2階のすみっこ」でした
この取り組みをフジノが提案したのは、今から6年前(2008年8月)のことです。
市議会の常任委員会でフジノが提案して、当時の図書館長が「来年は実施したい」と答弁してくれました。
それから1年間、館長はじめ司書のみなさんがいろいろな議論を重ねて検討しました。
その結果、開催が実現したのですが…。
2009年の第1回特設コーナーが設置されたのは、図書館の中でも目立たない、2階のはじっこでした。
それは、館長はじめ図書館スタッフのみなさんが話しあった結果でしたから、フジノはその判断を尊重してきました。
ただ、やっぱり僕のこころの中では「違う!」という想いが強くありました。
「人目を忍んで行くような端っこに自殺対策特設コーナーに位置していることは、間違ったメッセージになる」
と考えてきました。
でも、設置場所は、2010年、2011年、2012年、2013年と回を重ねても変わりませんでした。
それがフジノには残念でたまりませんでした。
変更された場所はなんと!中央図書館のメイン=1階入口の真正面の棚
けれども今年、設置場所が変わったのです!
しかも、中央図書館のメインである最も多くの人が立ち寄るコーナーである1階入口の真正面の棚に!
フジノは中央図書館が大好きで、それが理由で、そばに引っ越したくらいです。
中央図書館に通ったことがある人間ならば、誰もが認めるメインの棚は、ここです。
嬉しかったです。
もちろんフジノは、すぐに司書の方に理由をお尋ねしました。
「自殺対策特設コーナーも6年間の中で定着してきて、自殺予防週間には毎年こうしてコーナーがあることが受け入れられてきた」
「図書館では『問題解決コーナー』という取り組みを実施してきて、そのコーナーは1階入口の真正面の棚で実施している。だから、今年は、自殺対策特設コーナーもそこでやるべきだと判断した」
やっぱり、内部でもずっと「どこに設置するか」を議論し続けてくれていたのです。
僕は、本当に嬉しかったです。
6年間、じっくりと取り組んできてくれた歴代の館長・選書を担当して下さった司書のみなさん・スタッフのみなさんに改めて感謝しています。
本当にありがとうございます。
本には、人生をあなたよりも先に生きてきた人たちの経験や想いがこめられています
この取り組みを提案した6年前と同じ気持ちのままなので、かつて書いた言葉をもう1回、記したいと思います。
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こうした特設コーナーの本が、今この瞬間に自殺へと追い込まれている方々のいのちを直接に救える訳ではありません。
精神安定剤をのんだり、睡眠薬をのんだり、カウンセリングを受けることの方が短期的には意味があるかもしれません。
でも、フジノは信じているのです。
本の持っている力を。
本には、僕たちよりも先に人生(というかくも苦痛に満ちた日々)を生きてきた人々の、想いや体験が記されています。
そこには、何かしら大きな力が込められていて、もしかしたら苦しみに満ちた今日を「とりあえず生きてみよう」と思わせてくれるかもしれない。そんなフレーズに出会うかもしれない。
そして、生きていくことに意味なんて何も無いと感じる僕ですが、それならば自分自身で新しい意味をつくってみようと感じることがあるかもしれないのです。
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以上です!
今日で中央図書館の自殺対策特設コーナーは終了しましたが、選書された本はいつでも読めますからね。
ぜひ図書館にいらしてみてくださいね。